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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」小説と映画の感想

汐見夏衛の小説「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」を読んだ。
その後にアマゾンプライムで映画を観た。

映画館に行きたかったけど、中高生が多そうで恥ずかしいから。家で観られて良かった。

彰が教えてくれた、百合の花が沢山咲く丘

小説は中高生向けなのか?読みやすい。小説では、中2の女の子目線だから幼い感じ。(映画では高3)
原作者の汐見夏衛さんは高校の国語教師の経験があるので、特攻隊の事をわかりやすく描いたのかもしれない(私も頭の中は中高生並み?)
SFや推理小説ばかり読む私には丁度よい。

そういえば、この小説も戦争がテーマのSFだ。

以下、ネタバレあり。

主人公の百合(福原遙)は、母に反抗的な態度ばかりとる。母はシングルマザーで家庭は貧しい。
ある日、母と言い争いの末に家を飛び出し、大雨が降ってくる。百合は慌てて防空壕に避難し、いつの間にか寝てしまう。

目覚めた時、いつもと全く違う風景だった。
そこは、終戦間近の日本。
熱中症でふらついている百合を、特攻隊員の彰(水上恒司)が助け、鶴屋食堂に連れて行く。百合は、そこで働きながら、食堂の女将のツル(松坂慶子)魚屋の娘の千代(出口夏希)や、特攻隊員達と関わっていく。

千代役の出口夏希。おさげ髪が可愛い

百合は戦争の結末を知っているので、度々、負ける戦争だと口にする。警察官にもくってかかる。何故、百合がそんな事を言うのか、誰も不思議がらないのが不思議?

昔っぽく、暗めにしたからわかりづらいけど、百合のモンペの柄がハワイの生地みたいに見える😅

警官に食い下がる百合役の福原遥を見て、この子、演技上手いんだなぁと思った。朝ドラの「舞い上がれ」のイメージと全然違う。
放送中の日テレドラマ「マル秘の密子さん」もかなり癖の強い役だけど、彼女の迫真の演技に惹かれてしまう。

彰役の水上恒司、顔立ちのせいか、昭和の青年の役がピッタリ。(私も昭和だけどね)
朝ドラ「ブギウギ」では主人公のスズ子の相手役。その時も戦時中。

今放送中の朝ドラ「虎に翼」の虎子の兄役、上川周作
「スカーレット」の伊藤健太郎など朝ドラ出演者が多い。
そういえば、松坂慶子も朝ドラ常連。

話がだいぶそれてしまった🙏

ある日、燃えさかる炎の中を、百合が自分が落とした米を探しに戻ろうとした時「命のが大切だ」と彰が止める。
彰の命だって、とても大事だよ…
特攻なんてやめなよ…って言いたい。

百合は彰と段々と距離が近くなり、恋心が芽生える。しかし、刻々と特攻隊出撃の日が近く。
出撃の日、泣きながら彰の飛行機を追いかける百合。
飛行機が飛び立つと、気を失い、現代の防空壕に戻っている。

家に帰ると母が心配していた。
半日しか経っていなかった。
百合は母と和解し、辛い戦争の体験から、見違えるように素直に。

その後、学校の社会科見学で訪れた特攻隊の資料館で、百合宛の彰の手紙を見て泣き崩れる。

小説と映画は、細かい設定は違えど、ほぼ同じ。

感想は、うーん?あれ?あれ?
というのは、さておき。
SFですからね。SFを通して、戦争中、若者が特攻で命を落とした、という辛い事実は中高生達にも、よく伝わったのでは。

私は、親から聞いた戦争の話しか知らない。
空襲の時、火の海の中を列車が走り、田舎へ疎開した話は何回も聞いた。
今現在、戦争のない、この国に生きている事を感謝しなくてはいけない。自分自身、強く思う。

自分は政治家でもなく、反戦運動家でもなく普通の主婦だ。
それでも、毎年8月になると「戦争反対」と心の中で願わずにはいられない。

#あの花が咲く丘で 、君とまた出会えたら。
#福原遙
#戦争
#特攻隊
#タイムスリップ

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