Three 卵かけごはん

私達の距離は近づいていった。

初めてのお出かけは緊張する。
お手洗いに行って
私は緊張すると手を洗ってしまう癖がある。
これは治したいのだが。
気圧のせいもあって何回か洗ってしまった。
洗えば気がすむけど疲れる。

このあとごはんだな
そうだ４連勤３連続後の休みだった気がする。
実は結構疲れもたまっていた。

でも彼にはどうしても会いたかった。

ちょっと帰って休みたいけど
ここで帰ったら絶対もう会えない気がする。
後悔する。
そもそもごはんデートだし。
ちょっと気圧きつくても彼と食べたいし。

私は彼にお待たせと言った。
なにかを察したのか大丈夫？と言ってくれた気がする。　大丈夫？と言われるのは初対面では気を遣わせてしまうと苦手なので
大丈夫！と言ってごはんを探しに行った。

たしか広島焼きか牛かつのどちらかにする予定だった。　けど、正直歩くのが疲れてしまったのもあって、近くで探すことにした。

雨がやんだばかりで天気は良くなく
早くごはん食べに行こうって思ってた。

そうだ、気になっていたお店があったんだ
白米が好きな私にぴったりの。
ここがいい！というと
めっちゃ美味しそう！ごはん大好き！
と彼は言った。

そして少し元気が出てきたので
周りの景色がきれいだったので
写真が撮りたくなった。

あの、一緒に撮らない？

彼は背が高くて
私が携帯を構えたら
俺腕長いから任せてと
携帯を構えてくれた。

その時二人で初めて撮った写真の
ぎこちない初々しく空いている距離は
寂しさではなく互いに気を遣って空いている距離だった。　その時の写真も凄く気に入っている。　彼はどんな人なんだろう。ちゃらいのかな。それとも、純粋なのかな。

あなたが気になってきた。

ごはんやに付いて私達は卵かけごはんを頼んだ。シンプルでごはん本来の味を堪能できるなんて幸せすぎる。

気圧がきつい。
コンタクト疲れてきた。
もう眼鏡でいっか。

ちょっと眼鏡にしてくるね。

私はコンタクトをはずしにいった。

私はめがねの自分に自信がない。
目が悪すぎてコンタクトは滅多につけないし
めがねのが落ち着く。
そして私には心を許した人にしか
めがね姿は見せないと誓っていた。
あ、仕事はめがねです。

あー、可愛い私じゃないよなあ今日絶対
友達にしか思われないかも
だってポテト私が行きたいから行ったし、
ごはんだって結局違うとこで、
いや、でもほんとの私を見せないと
これから先大変なだけだ。
いいこぶったっていづれ素の私は見られる。

もう覚悟だ。
これで1日で終わってしまっても
今日は楽しかった。
いい人だった。
私は気になっている。

席に戻ると
抹茶さんおかえり！ごはんきてるよ！
と可愛い君。

ほくほくの艶が出た白米を見たら
私の目は輝き
美味しそう！いただきます！とぱくり

ん～！！やっぱ日本人はお米だぁ！

ほんと可愛いね。食べる姿。

君は笑った。
眼鏡でも全然似合ってるよって言ってくれた。

そして私はごはんを食べると
お話が止まらない。
どんな話をしたか正直覚えてない。
けど、彼は沢山笑ってくれたし
凄く私の話を聞いてくれた。

私はお酒が飲めないけど
おひやがお酒みたいなもの。
ぷはぁー(やば、流石に女子力なさすぎ？まあ、このごはんが美味しいから何でもいい)
ちょっとやけくそ。

私がやけくそになったのは
彼を信じてないからではない。
素の私を出したら想像と違ったと離れていった異性が過去に何人かいたからだ。
だから、素を出すのがこわかった。
でも後から素をだしてひかれるのは
もっと嫌だった。
だから、彼にはありのままを見てほしいと
思い、ありのままで食事をした。

私、今素だよ。何にも気にしてない。
なんか、落ち着く。

思わず口にだしていた。すると

俺も！抹茶さんといると落ち着くし
ほぼ素です。

可愛い。この子可愛いぞ。
いいこだぞ。てか波長合うのか？もしや

今日気圧きつくて実は。
あんまり集中できてないし
振り回しちゃってごめん。

俺も気圧弱くて今日頭痛い(笑)
振り回されてなんかないよ。

え、一緒だったの…！

なんだ。気圧二人ともきつかったんだ。
それでも二人の時間を大事にしようって
互いに互いを思ってたんだ。
素敵だな。ちょっと嬉しいな。

私達は雨がやんだ景色も綺麗だったので
夜景を撮った。君は私を撮って、私は君を撮る。初デートって感じだな。

なんか、ごはんの前は早めに解散して
体を休めようって思ったけど
もう少し一緒にいたいし、知りたいし、
君が大好きな横浜を教えてあげたい。

私は自然と足取りが軽くなって
お気に入りのブックカフェに彼と向かっていた。

to be continued…