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Five 君はまさに私のヒーロー

桜を見に行くまで私達は毎日LINEして

たまに電話をした。

電話は会話がつきなくて
楽しくて仕方なかった。

連絡を待っちゃう自分がいることも
電話をしたから頑張れることも
伝えると俺もと言ってくれた。

明日も沢山お話しようね!って
言って眠るのが幸せだった。

けど、私達には早くも壁が待っていた。

それは私の持病の悪化だった。
私は自律神経失調症で通院している。
3月26日頃急な暑さの気温変化にやられて頭痛がした。次の日にも治らない。
近くには親友と行く楽しみなディズニーが待っていた。頭痛がするままディズニーに行けそうにない。通院に相談しに行こうと病院に電話したら繋がらなかった。3日たっても繋がらない。

どうしよう。と私は戸惑った。
どうやら病院は潰れたわけではないみたいだがこんなに通じないなんて春休みなのだろうか。
だとしたら、留守電にいつまで休みか教えてくれたら親切なのに。
と、この原因がわからない頭痛と繋がらない電話に私はイライラしてしまった。
ディズニーまでに診てもらわないとと焦っていた。 ディズニー当日。親友は心配してくれてディズニーは中止になった。私は途中まで行っていた。実は3月私が使わなかった12月のチケットの日付変更をすると知らなくて園内に入れなかった。凄く申し訳なかったが優しい親友はその日ディズニーホテルを回ったりするだけで最高に楽しんでくれた。
私はこの親友は凄く大事で嫌われたくない。
だからディズニー行かなきゃって。
でも、親友は私が元気でないとって言った。

私はもうやるせなくて
なぜ頭痛がしてなぜ病院に繋がらなくて
親友との大事な日にこんなことになる?
帰り道の電車で涙が出てきた。
親友とのLINEも怒られた訳じゃないし優しいのに送るのがこわかった。

地元に付いてから散歩に出た。
むしゃくしゃして歩きたくなったが近いだろう。

歩きながら号泣していた。
凄く辛かった。

その時、彼が凄く心配してくれたのだ。
今日電話しよって。
ちょっとずつ治していって絶対治るから大丈夫だよって。どん底な私に言ってくれたのだ。

家に帰って思う存分子供のように
えんえんと泣いた。
母も心配してくれて新しい病院を探してくれた。

そして新しい病院に行くために
疲れた体を休ませるために
次の日仕事を休んだ。
新しい病院を予約した。

私は辛い時人に頼りたい時もあるが
会ったばかりの人に弱い姿を見せたくなかった。そして、私に幸せがめぐってきたから
逆に今嫌なことが起きてるのかなって
この人といて幸せになっちゃいけないのかなって自信がなくなっていた。

私はやっぱり恋人を作れないのかな…

そんなことを思った時に彼は言ってくれたのだった。

これを俺達で乗り越えたら強いって。
恋には必ず壁があって長く続く関係には障害はあるからその壁がたまたま早くきただけだって。

私はその言葉に凄く救われた。
弱い私も受け入れてくれる。
病む私でも離れないでいてくれる。
男性は元気で明るい女性でないとだめだと思った。貴方は違った。
私の心の扉を一気に開いた。
そうか。これは2人の試練なんだと思ったら
乗り越えて強くなってやると思えた。

こんな人に会ったことない。

素直な感想だった。

弱くて嫌じゃないの?
それでも私と一緒にいたいと思ってくれているの? 弱い時期は誰にでもあるってわかってくれてこれは私のことだけじゃない2人の出来事として一緒に乗り越えようとしてくれているの?

あまり病んだLINEはしないように
なるべく明るいLINEをしようと思っていたが
その言葉がなければ離れていたかもしれない。
私は君といちゃいけないって。勘違いしていたかもしれない。

何でこんな障害があるのって悲しくなっていた。
私はそう伝えた。

抹茶さん折れたら俺が土台から丁寧に修復していくね。(LINE見返したからこの言葉はほんとにそのまま)
早く抹茶さんと桜が見たい
素直に可愛いと言いたくなる抹茶さんだから。
早く会いたい。

ああ、この人は私を見てくれて
心に私がいるんだなって思えた。

桜見に行きたい。
中目黒には行けそうにないけど。

会えるならどこにでも行く。

なんて欲しい言葉をくれるんだろう。
病院が桜木町だから
桜木町であって地元に来て欲しい。

会えるの!!

喜ぶ君が可愛い 愛しい。

次の日会う約束の日、無事会えそうなことに心が弾んだ。
俺、感性豊かな抹茶さんと話してると楽しいんだ。 素直に言ってくれる君は私のヒーローに思えた。

頭痛はストレスと持病が少し悪化した為だった。薬が少し増えたけど診てもらえて凄くほっとしたし、その日安心して君に会えた。

また君に会えた時、ハワイアンカフェに行ったのだけどその時の会話の内容は詳しく覚えていない。

でも地元に来てくれてミスドに行って
手が少し触れた時のドキッとしたことと、
一緒に見た森林公園の桜ははっきり覚えていて、後ろから抱き締めて言ってくれた言葉はずっと私の宝物だ。

「抹茶さん。俺と付き合って。」

色んなことがあって辛いことがあって
会えなくても乗り越えれて会いたいと思ったのは君だから。

「もちろん。私でいいなら。私も付き合いたいです。」

桜の木の下に座りながら私達は初めて唇を重ねた。 凄く優しく抱き締めてくれた。

to be continued…

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