ジェイゾロフトという薬の話

人と接するのが本当に苦手だった。

初対面の人と話すのが苦手、人前が苦手。

学生の頃、レポート発表で手足が震えて大失態。
就活も声が震えるし、笑顔を意識しても頬が震えてる。
震えてることを相手に気づかれて、さらに緊張。

結婚して子供ができれば、ママ友づきあい。
公園で子供たちを遊ばせる傍ら、
7, 8人のママたちで輪になっておしゃべり。
それも居心地が悪くて、早く帰りたかった。

どうしようもない対人恐怖症。

それでも子供が成長するにつれ、子供のことで様々な人に接することは避けられない。

どうにかしなければと思った。
思い切って、心療内科に行った。

もう10年くらい前の話。

医師から社会不安障害という言葉を聞いた。
そういう病名が付くのか。
初めてこの症状が病気なのがわかった。

うまく説明できないが、前向きになる神経がちゃんとつながっていないような。
コンセントにプラグがささっていないような。

そして、その電流を流す役割をする薬があるという。
抗うつ剤というものの存在を初めて知った。

そしてまだ新薬だったジェイゾロフトを処方された。

最初は、一日一回25ml x1錠。
あまり飲んでいる実感がない。

定期的に医師に様子を見てもらい、副作用もなかったので一回2錠に増やした。
徐々に気持ちが上向きになってゆく感じがした。

それから10年間1日2錠飲み続けている。

性格を変える薬ではないから、人物像はそんなに変わらない。

内気なキャラが、急に明るいキャラに変わるようなことはない。

でも効果は感じる。

PTAの集まりや会社の会議への出席が苦にならなくなった。
性格的に、気の利いたことを言える方ではないが、必要な発言はできる。

急に気分が乗る。
夜中に掃除をしようと思い立ったり。

けれども調子がいいと、たまに薬を飲むことを忘れる。

2, 3日服用を忘れると、離脱感を感じるようになる。
薬を飲むのを忘れていると気づく。

唯一思い当たる副作用。

医師によると、飲み続けても問題はないとおっしゃっる。
そのうち不安な感覚が薄れれば、薬の量を減らしていき、少しずつ服用をやめればいいとのこと。

今のところ、会社に勤めている間は、私には必要だと感じている。

※あくまで、私個人がこの薬を服用した経験談です。



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