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頭に突如ブラックホールが現れた話

私がnoteを書くときは、決まってとんでもないハプニングが起きた時だが、今回ももれなくその時。だって頭に突如ブラックホールが現れたのだから…

さかのぼって1ヶ月ほど前くらいから、抜け毛が著しく増えてしまい、フローリングの床もお風呂場の排水溝も髪の毛が目立ち、何故だろうと思いながら青空を見上げて抜け毛を憂う一句なんて詠んだりしていたのだが(一句詠めるほどの余裕がこの時はまだあった…)、そこから1ヶ月後、ステイホームをしっかり守り、家の中でもリビングのソファの上だけというさらに狭い場所から動かない、百合子も喜ぶ三連休の過ごし方を全うしていたある日、ふと頭を触っていたら、後頭部に一部触り心地が違う場所を見つけてしまった。
他の場所は髪の毛の間の頭皮を触るからザラザラしているのに対して、気になる一部はなんだかツルツルしている。何だろ、リンスの洗い残しかしら…なんてスルーしていたが、なんだか気になって何度も触っているうちに…

ま、まさか…

ソファから飛び起きて、寝室の大きい鏡の前に立ち、右手に持った手鏡と合わせ鏡にしながら後頭部をまさぐって見たら、な、なんと5センチ大もある大きいブラックホールが2つも出現してるじゃないの!!(正しくはホワイトホール…巨大な…荒野)

ウソでしょ…
ちょっとビジュアルが衝撃的すぎてしばらく呆然としたものの、じっくりと見るのも堪えるくらいのショックなビジュアルに、見るのをやめてソファに戻る…

そこからは「円形脱毛」「女性」「治療法」「原因」「何科」とひたすら検索をかけ、とりあえず連休明けに皮膚科に行くことにした。
くよくよ考えたって治りゃしないから、病院に行くまではブラックホール否ホワイトホールの存在は一旦忘れようと心に決める。
心に決めたのにネットという奴は広告という手を使って勝手に「電気鍼ブラシ」「頭皮マッサージクリーム」を私に提案し見せつけることでホールの存在を思い出させた。
クソっ!どんだけ見張ってるんだ私を!

連休明けの平日仕事帰りに口コミの良かった近所の西大井の皮膚科まで自転車を走らせた。その皮膚科が入るビルは奇しくも昨年石ころ女の時にお世話になった耳鼻科と同じビルである。あれ以来再び同じエレベーターに乗ることであの時の苦しみを久しぶりに思い出した。感慨深いぜ…

皮膚科の前についたら、明かりは消えていて、世間はお盆休みの様相であることにやっと気づく。
そうか、、お盆休みか。。でもこの巨大ホールを早く誰かに見てほしい!と思い、グーグル先生にさらに近所の皮膚科を探してもらう。口コミの良い皮膚科はことごとく休みで、星4つ以下の皮膚科も選択肢に入れ、大森の皮膚科を見つける。よし!!今日やってるね!ということで大森まで自転車をかっ飛ばす。今日は東京38度、着いたらもう汗だく。


なのにここも閉まっている!!どういうこと!
諦められず更に範囲を広げて皮膚科を探すも
①電話しても繋がらないタイプ
②お盆休みを告げるメッセージ応答のタイプ
③繋がったけど予約で埋まってますのタイプ
と5〜6軒電話した後、7軒目の長原の皮膚科が「今日7時までやってますよ〜」と言ってくれて、ふたたび自転車をかっ飛ばした。
環七を遡る時間がちょうど夕陽の時間と重なってしまい、サングラスをしても夕陽がいつもの数倍眩しかった。今日の夕陽が特段強いのか、それとも今のシチュエーションの切なさが眩しく感じさせてるのかはよくわからなかった。


やっと着いた皮膚科は、お世辞にも洗練されているとは言えない、良く言えばアットホームな昔ながらの街の皮膚科である。それでもお盆のさなか開けてくれてて神だよ!ありがとう!

病院に入ったらすぐ診察室に呼ばれて、頭全体がまぶしい先生が待ち構えていた。私は言った。
「先生、、どうか驚かないで下さいね。私の頭の後ろが大変なことになってるんです」と言って髪を除けながら先生に後頭部を見せると、「あー、いっちゃってますね。これは結構抜けたでしょう。いつ気づきました?」
(私の心の声)そう!相当抜けたんです!わかってくれます?先生。ありがとうございます〜涙
私「気づいたのは3日前です」
↑これを言い終わるか否かの時にすばやく
先生「液体窒素で冷やしますね〜」
スプレーシュー

え?こんな問答無用に治療はじまるの?
てか液体窒素って昔なんかのCMでバナナ凍らせてクギ打つやつで使われてた、瞬間で物を凍らせるやつだよね?わたしの頭の巨大なホールを凍らしてどうするの?!というひとり問答が終わるか終わらないかのスピードでまた食い気味に先生が「次は赤外線で温めますね〜、あちらへどうぞ」

私(移動しながら)「先生!あの、私の頭はなんでこんな事になってしまったのでしょうか」
先生「ストレスですね〜」
私「ストレスないんですけど」←先生は無視
先生「これから週一回、この治療やっていきましょう。あと飲み薬と塗り薬出しますね。ストレスが一番いけないですから、まずこの頭にストレスを感じさせないよう、規則正しい生活をして栄養ある食事して下さい。それもストレス感じちゃダメですよー」

うーん、規則正しい生活してますけど…
自炊で栄養もちゃんととってますけど…
ネットには免疫異常が原因って書いてありましたけど… と、いろいろ言いたかったけど、先生はものすごく急いでいるようで、自分が伝えたい事を全て話し終えた先生は、もう既に私の方を全く見ていなかった。

私「わかりました…」(小声)

弱々しく答えたあと、見目麗しいヤングな看護師さんに誘導され、試着室のようなカーテンに囲まれたボックスに入った。その小さなスペースには昔パーマあてるときに頭にスポッと被せたようなお釜と小さなスツールが置いてあった。
私は言われるがままにスツールに腰掛け、考える人のようなポーズをとり、パーマのお釜に後頭部を向けて、お釜から出る赤外線を浴びた。

ホワイトホールは東京の38度から液体窒素の零点下、そしてこのジンワリあたたかい赤外線と、くるくる上下に変わるジェットコースターな温度にさぞかし驚いているに違いない。

じんわり温まるにつれ、自分の姿がいたく滑稽に思えて自撮りしたくなりスマホに手をかけたところで先程の看護師さんが入ってきて
「はーい、終了でーす。次はお薬塗りますね〜」
とセクシーなボイスで言ってくれた。
液体の薬を私のホワイトホールに丁寧に塗り込んでくれた…仕事とはいえホントに申し訳ないよ…
くーー、こんなのホントは触りたくないだろうに。。恩に着ります…

と、ここまでの診察治療タイムは多分10分も無かったと思う。体感5分ほど…
とにかくスピード命だった…
このあとも患者さん待ってて混んでるのかしら?と慮りながら診察室をあとにして待合に戻ると、誰もおらんやないかい!!
なぜそんなに急ぐの…早く帰りたいのかな…
今日は諦めるけど、今度はゆっくり俺の話を聴け〜(クレイジーケンバンドさんより)


薬を朝晩飲んで、塗り薬も朝晩塗り込み、一週間に1回通院して、急にやること増えた事で逆にストレスですけど?と思うけど、他に手がないので致し方ない…気長にやりましょう。
ホワイトホールの荒野から、豆苗のように新芽が発芽するまで…


そういや一つ懺悔な話が…

いつも代官山に髪を切りに行っているのだけど、いま髪が長くて普段は結わいてて、シャンプーめんどくさいから長さだけバチッと短くするだけだから近所の安いヘアカットでいっか、と初見の街のカット屋さんに入り、切ってもらったのが2週間くらい前の話。そのときに男性の美容師さんが、髪の毛の切り方を「この切り方で宜しいですか」「これで大丈夫ですか」と質問の仕方を変えながらも何度も同じことを聞いてくるので、「ん?いいってさっき言ったけど…何か慎重な人なのかしら…」なんて思っていたけど、あの方は間違いなく私のホールを見ているはずだから、本当に切って宜しいんですか?と思って何度も聞いていたに違いない!!

くーーー!意図せず衝撃的なものをお見せしてしまいゴメンよ!!しかも何度も聞いてくれた時もコミュニケーション苦手なのかしら、それとも新米なの?なんて勝手に思ってゴメンナサイ…
急にホワイトホールが出現してさぞ驚いたことでしょう、ボーイよ…


ということで、この治療はまだまだ続きます。
治療レポートと、ホールの発芽レポートも合わせて、今後もまた綴っていきます…なーむー。

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