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IBD患者の今宵の食卓 第五卓

近所のスーパーの魚コーナーでバナメイエビやスケトウダラの卵が見切り価格になっていたのでさっそく買ってきて調理しました。

お品書き 11月19日(夕)
・ヒラメの昆布〆
・春菊のおひたし
・たらこ(スケトウダラ魚卵)の煮つけ
・小エビ、セロリ、マッシュルームの炒め物
・カブの浅漬け
・ネギと油揚げの味噌汁

夕食はどうしても品数多く作ってしまいがちです。家族、私のこどもは3人いますが、まだ一番上が中学生くらいの時、その子、その下二人それぞれに少しずつ苦手な食べ物があり、かつ私の病気や嗜好に合わせつつ最低一人に一汁三菜は食べさせたいと作っているうち標準的に四品五品作ってしまうようになりました。
今ではこどもたちもそれぞれ独立して生活しているのですが、その頃の習慣が今でも続いていて残り物も含めではありますが一度の食卓に四品五品並べないとどうも落ち着かなくなってしまいました。

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まず炒め物です。炒める料理にはどうしても油を惜しまず使わないとなかなかうまく仕上がらないもの(私の腕では玉子焼きとかチャーハンなど)がありますが、この炒めものの場合は油はほとんど使わず白ワインで酒炒りするような感覚で出来上がります。

調理器具は量の多いときは中華鍋を使いますが比較的コンパクトに収まるときは片手鍋のほうが使い勝手よく作ることが出来ます。
下茹でしたエビと包丁で切ったマッシュルームセロリを鍋に入れごく少量のオリーブオイル黒コショウをふりそれから熱し始めます。コールドスタートにしないと油の少ない分焦げ付きやすく忙しくなってしまいます。
すぐにシズル音(ジュージューという音)がし始めますので手早く白ワインを注ぎしっかりと炒め始めます。一通り火が回った所に鶏ガラスープの素で好みの塩味(エビにも塩味がついているので控えめに)に味付けし隠し味に昆布つゆを少々加えます。鶏ガラスープの顆粒が溶け全体がしんなりしたところで弱火にし水どき片栗粉(片栗粉1に対して水2~3と言われていますが私は1対6位に水分多く溶いています)を加えとろみがついたところで火を止めて出来上がりです。

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以上の工程は慣れてしまえばあっという間に仕上がるのですが、それ以前にこの料理の肝はエビの下ごしらえです。これをやるやらないで味に大差が出ます。手間はかかりますがぜひこの労は惜しまないでください。
下ごしらえの目的はエビの臭みをとることとそれ以上にプリップリに仕上げることにあります。

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ボールに日本酒と片栗粉をそれぞれ用意し、まず日本酒のボールの中でエビを酒で洗います。エビを取り出し今度は片栗粉の方のボールの中でエビを片栗粉で揉み、一度流水で片栗粉を落とします(この時点で臭みはほとんど抜けていると思います)

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次にもう一度先ほどの片栗粉の中にエビを入れ再び片栗粉の中でエビを揉み片栗粉をエビの身にしみさせるようにします。

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エビの表面に残っている片栗粉を最初に使ったボールの酒でざっと洗い落とし

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そのまま沸騰した湯の中に入れて

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エビの色が赤くなり背中が丸まってきたらお湯を切ってざるに上げます

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臭み抜きに食塩を使うレシピもありますが、ほとんどの冷凍むきエビには最初からかなり塩味がしみこんでいてさらに食塩を使うとエビの味どころか塩味だけを食べているようになるので私は食塩は使いません。

下茹でした小エビはサラダにもスープにも何にでも使うことが出来ます。

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たらこの煮つけですが私の場合甘辛さが染み込んでいるいる煮つけはすべてに苦手なので薄味に仕上げています。
たらこはそのまま何もせず鍋に入れ水、酒、味醂を加え中火で加熱して沸騰したら火を弱めて一部が少し弾けてくるまで加熱を続けます。中まで完全に火が通ると全体が弾けてきますがそれまでにはかなり時間がかかります。私の好みでは中まで完全に火が通り切らないステーキで言えばミディアム程度で火を止めています。火を止めた後に昆布だしと薄口醤油を加えて冷まします。
冷めていく過程で醤油の味は染みますし味の加減もしやすいので醤油を入れるのは火をとめてからで十分だと思います。

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ヒラメは昆布〆です。4日ほど前に魚屋さんに活きの良いヒラメが安く入荷していた(1Kg級で2,000円)ので丸ごと1匹おろしてもらいました。すぐに全部食べきれないことを見越して一部を昆布〆にしました。2~4日目位が生での食べごろでもう少し日にちが経って硬くなったものは干物感覚で焼いて食べても美味しいものです。
昆布の旨味が中まで染み込んでいるのでそのまま何もつけなくても十分おかずになります。

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家庭菜園では春菊が最盛期です。

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私が作っているのは今住んでいるところの近所ではなかなか手に入りにくい大葉春菊です。関西より西では中葉や小葉よりこちらの方が主流だと思うのですが寒さにやや弱く、私の家庭菜園ではトンネルも何もしない露地栽培では冬至頃が収穫の限界です。
関東でも房総などでは真冬でも大丈夫な気もするのですが西と東では消費者の好みの違いもあるのでしょう。
春菊が苦手という人もよく耳にしますが、大葉は辛みやえぐみがあまりなくて万人に食べやすい味がします。

この日は単純におひたしにしました。
鍋にお湯を沸騰させ洗った春菊を丸ごと1分程度茹で水にさらし軽く絞ります。適当な大きさに切り、揃えたままボールに入れて薄口醤油をかけ、一度ぎゅっと絞って器に盛り摺り胡麻をかけて出来上がりです。

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カブの漬物は一束100円で安売りしていた小カブをエバラ浅漬けの素につけて作りました。カブは味が染みやすいので漬けるのは4時間前後で十分だと思います。つけ汁から出して水で洗い、絞って水気を切って完成です。

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定番中の定番の油揚げとネギの味噌汁です。小学校の家庭科の初めての調理実習が油揚げとネギの味噌汁だったと記憶しています。
油揚げは割高ですが国産大豆を原料にして菜種油で揚げたものにこだわっています。

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白飯は新米になりました。北海道産の"ななつぼし"です。冷めても尚香ばしいといわれている品種です。この日は前日に炊いたご飯の残りを冷蔵庫で保存し電子レンジで温めたものですが、本当に釜炊きのような香りがそのまま残っていてとても美味しくいただくことができました。


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