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IBD患者の今宵の食卓第二十五卓

昭和三十年代の頃はまだお米は配給制のようなものの名残がまだあって自由な売買はできませんでした。ただその代わり政府が市中価格よりも高い値で米を農家から買い取りそれより安い値で消費者に供給するという何とも万人に温かい政策がとられていました。

そのうちに米が出来すぎて困るようになり、減反政策のような全員が不幸になるようなことがなされるのですが、米が出来すぎて本当に困った頃のことはまだ私の記憶に残っています。なんとか国民に米を食べさせようといろんなキャンペーンも張られるのですが、学校給食はまだアメリカから買った(買わされた?)小麦のパンしか出ないというちぐはぐな時代でもありました。

その頃試作品として米で作ったうどんというのを食べたことがあります。伊勢うどんのようにあまりコシのないうどんでしたが、それはそれでイケる味だった記憶があります。ただそれが製品として世に出回ることは結局なく米余り騒動も減反政策や他の商品作物への作付け転換、米の供給自由化ブランド化などでだんだん収まってきました。

お品書き 5月11日(夕)
・炒めビーフン
・小海老と卵炒め
・冷奴(搾菜薬味)
・キュウリ、くらげ、わかめの酢の物
・ミディトマト

写真は二人前

ビーフンはタイ米でできた米の麺です。ただ、私の食べた記憶のある米のうどんの細麺版というにはかなり食感は違います。ビーフンにはややザラザラ感があります。
今回は電子レンジで炒めました。あらかじめ野菜類を電子レンジで炒めておき、次に茹でて水洗いし、しっかり水気を切った麺と絡めてもう一度電子レンジで炒めます。電子レンジで炒めるメリットは一つに手軽なことともう一つ焦げ付きを気にしないでいいので絡める油が少量で済む(極端に言えば使わなくても炒められる)ことです。
ただ、余分な水分でビーフンからぬめりが出ると極端に食感が悪くなるので、水分の飛びにくい電子レンジの調理ではしっかり水気を切って調理するという所がポイントになります。少量のごま油で香りづけします。

レンジで温め直しました

卵を使う炒め調理は電子レンジには不向きなのでこれは鍋で調理したものの残り物を器に入れて電子レンジで温めたものです。
オリーブ油で炒めたので刻みネギを混ぜるより刻みパセリの方がよりマッチした気がしますが、それほど違和感なく食べられました。

醤油はかけずにそのまま

冷奴の薬味に搾菜はよく合います。九条ネギと搾菜を薬味にしましたが、醤油を垂らさず搾菜の味だけで豆腐が食べられます。またその方が豆腐の甘みがよくわかります。

初夏は酢の物が美味しい

筍が出回る頃生わかめも出回り、そのうちキュウリもさかんに売られるようになります。くらげは塩漬けされたもので年中売られていますが、どういうわけだかこういう季節にわかめやキュウリと一緒に食べるのが一番美味に思われます。惣菜にはしにくいのですが心太なども美味しく感じる季節です。

ミディトマト

ゴールデンウィーク中に私の家庭菜園にも例年のようにアイコ(というミニトマトの品種)を植付けたのですが、採れるようになるのは7月も後半以降になると思います。それまでは温室物を買って食べる日が続きます。
味ではやはり盛夏に食べる露地物のトマトが美味しいのですが、見た目の綺麗な立派なものはそれより前に多く出回ります。

ところで、真偽のほどはあまりわかりませんが、健康志向とグルテンフリーが結びついて喧伝されるようになり、小麦粉の麺から米の麺へという風潮が一部で出てきているようです。私も米の麺とか米のパンというのは嫌いな方ではなく、そのうちこどもの頃に試作品として食べた米のうどんが製品化されて出回る日が来るのもそう遠いことではないかもしれないと密かに期待しているところです。





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