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IBD患者の今宵の食卓 第四卓

家庭菜園のとなりの区画でやっている方からハヤトウリをいただきました。ゴーヤと勘違いされる方も多いのですが全く別物です。あえていうなら近いのは冬瓜でしょうか?苦味はもちろんのことほとんど癖という癖のない食材で何にでも合う名脇役です。私はスープにするのが好きなのでハヤトウリを使ったスープを作りました。

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お品書き 11月14日(夕)
・シマアジのカルパッチョ
・カキと白菜の炒め物
・たらこと大根おろし
・ボイルブロッコリー
・ハヤトウリのスープ
・京菜の漬物
・白飯

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まずはハヤトウリのスープです。ハヤトウリですが、ハヤトウリ自体は主役になるような食材ではないのですが、これを入れることですべての食材の味が引き立ち、尚且つそれぞれの食材の持つ嫌味を打ち消して全体を丸く包んでくれるような働きがあります。これの季節(毎年11月上旬~冬至頃)には好んでこのスープを作っています。

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スープの具材にはセロリ、ニンジン、玉ねぎ、マッシュルーム、ハヤトウリ、鶏もも肉(団子にしないで使うので店に頼んで粗挽きの挽き肉にしてもらっています、通常の挽き肉だと細かすぎまた親子丼用では大きすぎるので)を使用しました。

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ニンニクとマッシュルームを抱き合わせで使う話は前に書きましたが、玉ねぎを使う時もたいていマッシュルームは抱き合わせに使っています。

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まず玉ねぎ、ニンジン、マッシュルームを刻んで鶏挽肉と一緒にしブラックペッパーをふってキャノーラ油で炒め、玉ねぎがあめ色になって全体焦げ付き気味になったタイミングでオリーブオイルと白ワインを注ぎ、続けて出汁(昆布、いりこ、かつおでとった出汁=第一卓参照)を加えていきます。炒め物や揚げ物に使える油の中ではキャノーラ油(菜種油)が一番腸への害が少ないと言われていて、実際私も家庭で使っている範囲ではあまり害を感じたことはありません。ただしなるべく控えめに使っています。

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続けて、薄く葉ごと細かく刻んだセロリ、皮を剥いて芯をくり抜いたハヤトウリを薄めに切ったものを加え、鶏ガラスープ、貝柱スープ(鶏ガラ対貝柱は3:1程度の比)で自分の好みの塩味になるまで味を付け昆布つゆを隠し味に少し加えます。煮立ってアクを取りながら4~5分で火を止め出来上がりです。コンソメに仕上げる場合は火を止める直前にバルサミコ酢を一振り加えると味に深みが出てお店で食べるような味わいが出ます。

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今回はコンソメではなくクリーム仕立てにしたので、その場合はバルサミコ酢は使いません(牛乳と酢は相性が悪いので)。生クリームを使うのが本当のクリームスープなのでしょうが、私は牛乳とバターで作っています。
仕上がってきたスープに牛乳を加えあまり煮立てないように加熱します。次に電子レンジで加熱して溶かしたバターに等量程度の薄力粉を加えてペースト状にし、それを牛乳を加えたスープに少しずつ溶かしていきます。あらかじめバターと小麦粉を練っておくのが一番楽でダマのできにくい方法かと思います。
小麦粉に火が通りとろみが出てきたら火を止めて出来上がりです。

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手間はかかりますが一度に作って作り置きもできますし、残りは後日ご飯を入れて雑炊風にしたり、パスタを入れても美味しくいただけます。その時塩味が足りなければ多少岩塩で調整して良いと思います。

バターもIBD患者には疑問のある食材なのですが私の場合はかなりの量食しても平気です。ただマーガリンは絶対禁忌です。すぐに特有の胸やけや喉が詰まるような感覚がしてきて外食してても入っているものはそれとすぐわかります(次からその店には絶対行きません)。余談ですが普通に売られているパン類菓子類にはほとんどのものにマーガリンかショートニングが使われていて閉口しています。国内旅行での土産物など買えるもの探すのにも一苦労です。私はかなり純粋に国産のもの派、地産地消派なのですが、菓子類などは欧米からの輸入品のほうがむしろ安心して食べられるもののほうが多くその辺はとても残念に思っています。

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他のメニューも簡単に説明しておきます。
「蠣と白菜の炒め物」ですが、手を汚したくなく電子レンジを使いたいところですが、電子レンジで蠣を炒めると蠣の腹が破裂します。実はこの日はスープを作るつもりだったのでスープを作る前に同じ鍋でこれを作りました。
あまり書くこともない位手軽なのですが、一応書くと、まず蠣に黒コショウをふり蠣がぷっくりしてくるまで少量のキャノーラ油で炒め、煮詰まる手前で、日本酒を加えます。さらに刻んだ白菜と鶏ガラスープを入れて炒め白菜に火が通ってきたら出来上がりです。白菜の白い所にまだ硬さが残っている位で手早く火を止めた方が美味かと思います。ほとんど手間はかかりません。後のスープとも味は競合しないので軽く一回水を注いで洗いそのまま同じ鍋でスープを作りました。

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シマアジのカルパッチョは魚屋でさくにしてもらったシマアジをなるべく薄切りにします。削ぎ切り(右利きだと切ったものが包丁の刃の左上に来る切り方、包丁の刃は左斜め下に向いています)にしないとうまく薄切りにできません。フグやカワハギなど極薄に作りたいときは30分ほど冷凍室に入れ半冷凍状態にしてから削ぎ切りで切ると簡単に透き通るような薄さにできます。

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切ったシマアジを手でちぎったレタスの上に乗せアマニ油と青じそドレッシングを上から振りかけてカルパッチョの完成です。

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ブロッコリーは軽く塩ゆでにしました。鍋に熱湯を作り塩を少々入加え、切ったブロッコリーを芯が下を向くように熱湯の中に入れます。少し早いのではと思う位のタイミング(30秒位)で湯から上げてサッと冷水にさらし粗熱をとって出来上がりです。
温かみの残っているブロッコリーは旨味成分も多く、塩ゆでにしていますのでそのまま食べても十分美味しくいただくことができます。

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市販の無着色たらこと私の家庭菜園で穫ってきた間引き大根の大根おろしです。大根は三浦大根(冬大根で年末~2月が収穫期)なのでまだこの量が1本全部の大きさです。(小さくても取れたてのせいか辛みが半端なく強かった)

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京菜(水菜)も私が家庭菜園で作ったものです。例年は春採り用に10月下旬頃に蒔くのですが、畑の周期栽培の都合で今年は9月10日に蒔きました。今が最盛期になっています。

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穫ってきた京菜の株を洗ってフリーザーバッグに入れ「エバラ浅漬けの素」(これ店によって売価にとても差があります。うちの近所だと西友が一番安くて私の買ったときは1本168円だったか?)を注ぎ唐辛子(これも自家製)を数本入れて空気を抜き冷蔵庫で2日保管すれば出来上がりです。塩味が足りない場合は濃口醤油を垂らして調整します。

スープは少々手間のかかるスローフードらしいスローフードですが、他のものは手を水にさらすことさえ厭わなければどれもとても短時間でできあがります。

そう、手を水にさらすという話では私は随分前から食洗器を使っています。ものすごく手間が省けますし、食事を作るストレスもなくなり、ほんとうに食事作りが楽になりました。とくにIBD患者の場合、手作りの食事にしたほうがいいのはわかっているけど仕事も忙しくてなかなかそうはいかないという方も大勢いるかと思います。食洗器はその手間を半減(もしくはそれ以上)させます。(家電メーカーに親戚がいるわけではありませんが)食洗器が置けるならぜひ買うことお勧めしたいです。

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置き場所もシンクの真横でなくても大丈夫です。私のうちの場合キッチンには手狭で置けないので、給水はキッチンシンクの水栓から分岐させ引っ張り排水のホースもキッチンまで引っ張ってダイニングの食器棚の横に設置しています。

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すこしいろんなうんちく並べてしまいましたが、これからは収穫を味わうこと中心の時期になりますのでしばらく私の家庭菜園のことも含めて記事を書いていきたいと思います。

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