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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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#ドキュメンタリー

「遊撃〜映画監督・中島貞夫」(2022)は、チャンバラ映画の復活を目指して「多十郎純愛記」(2019)を制作した映画監督・中島貞夫氏に迫るドキュメンタリー映画である。散々な興行成績に終わってしまった本作に落ち込むかと思わせて。タイトルの意味がわかるラストシーンには痺れました。

山本倫生
1年前

「カンフースタントマン〜龍虎武師」(2021年)は、1970〜80年代にかけて(一部で)大流行した「カンフー映画」を支えたスタントマンたちの栄光と現在とを描くドキュメンタリー映画である。良くも悪くも職人気質な男たちが語る「昔は良かった」的な面白くもない自慢話に鼻白むばかりであった

山本倫生
1年前
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「バビ・ヤール」(2021)は、ウクライナ・キーウ北西部に実在する渓谷で起きたナチス・ドイツによるユダヤ系民間人大虐殺“ホロコースト”の実情に迫るドキュメンタリー映画である。当時対立していたドイツ・ソ連(ロシア)双方が撮ったフィルム素材を編集素材とする製作者の悪意の凄みと来たら!

山本倫生
1年前

「その声のあなたへ」(2022)は、俳優・声優の内海賢二氏(1937〜2013)の業績を調査するインタビュアーを追う亜・ドキュメンタリー映画である。幼少期を含む内海氏の半生をドラマ再現するなど、ドキュメンタリーの規範から外れた内容には首を捻らざるを得ない。どうしてこうなったか。

山本倫生
1年前
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「FLEEフリー」(2021)は、デンマークに亡命したあるアフガニスタン人男性の半生を描くドキュメンタリー“アニメ”映画である。ドキュメンタリーでありながらアニメーションで描かれる理由がわかる時、語り手の壮絶な人生が十二分に察せられる作劇にはただひたすら唸るしかない。必見の一言。

山本倫生
1年前
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「ミッドナイト・トラベラー」(2019)はタリバンから死刑宣告を受けたアフガニスタン人映像作家家族の逃避行を描くドキュメンタリー映画である。「カメラ機能付きスマートフォン」「バッテリーを駆動させる電力」「尽きない好奇心」があれば映画はどこでも撮れることを証明した貴重な記録である。

山本倫生
2年前
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「フィールズ・グッド・マン」(2020)は、一人の創作者に起きた災難の顛末を描くドキュメンタリー映画である。受取手の悪意の権化に祭り上げられる悲しげな顔をしたキャラクター「カエルのぺぺ」を守りきれない作者の苦悩など、創作を志す者にとって心に留めておくべき教訓に満ちた映画であった。

「GOGO -94歳の小学生」(2019)は、ケニアに住む助産師のGOGO(カレンジン語でおばあちゃんの意)が一念発起して小学校に入学する姿を追うドキュメンタリー映画である。勉強することに何の意味があると問われたら、この映画を見れば良いとだけ。何かを始めるのに遅いなど無いのだ。

山本倫生
3年前
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「今日もどこかで馬は生まれる」(2019)は日本競馬界における“馬の役割”に焦点を当てたドキュメンタリー映画である。動物愛護精神を啓蒙したいなら、日本中央競馬会の意見も取り上げるのが筋だと思われるが、その点で公平性があやふやなところが映画の信憑性を著しく損なっていると言える。

山本倫生
3年前
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「イルミナティ〜世界を操る闇の秘密結社」(2019)は政治や経済から文化芸術に渡って世界征服を策謀すると言われている「結社」の全貌を暴くドキュメンタリー映画である。証言者の中にイルナミティのメンバーが登場しないあたりで察しがつくが、それも陰謀の楽しみとも言えなくもない。

山本倫生
3年前
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