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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2022年11月の記事一覧

「蜘蛛巣城」(1957)は、魔女の甘言に乗せられて人生を狂わされる戦国武将の人間模様を描くサスペンスミステリ映画である。人智の及ばぬ現象はあるものの、基本は疑心暗鬼に囚われる人間の本性を描く映画であると再認識した。数千本の矢を射掛けられる三船敏郎の鬼気迫る演技は大画面で見てこそ。

山本倫生
1年前
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「すずめの戸締り」(2022)は、セカイの危機を救う少女の旅の行く末を描く「いつもの」アニメ映画である。クリエイターの本音がストレートに出過ぎるきらいはあるが好感は持てる。しかし「廃墟が好き」と実際の天災を絡める作劇は如何なものかと。あと唐突な●ブリへの目配りが意味不明である。

山本倫生
1年前
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「バビ・ヤール」(2021)は、ウクライナ・キーウ北西部に実在する渓谷で起きたナチス・ドイツによるユダヤ系民間人大虐殺“ホロコースト”の実情に迫るドキュメンタリー映画である。当時対立していたドイツ・ソ連(ロシア)双方が撮ったフィルム素材を編集素材とする製作者の悪意の凄みと来たら!

山本倫生
1年前

インド映画の過剰なサービス精神が「余計な回り道」に思えるようになったら、たぶん感性が鈍ったということでそれはそれでいいとして、3時間あったら「コマンドー」(1985)が2回見られると考えるとコマンドーより中身がないインド映画にそれだけ時間を取られるのも全くもって本意ではないので。

山本倫生
1年前
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「私ときどきレッサーパンダ」(2022)は、劇場未公開のピクサー・アニメーション映画である。直近3年でディズニー/ピクサーのアニメが相当変わったことを実感する。日本の漫画やアニメの影響を隠さなくなったのは喜ぶべきかはさておき。明確な悪役がいなくなったのは良い傾向なのかもしれない。

山本倫生
1年前
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「その声のあなたへ」(2022)は、俳優・声優の内海賢二氏(1937〜2013)の業績を調査するインタビュアーを追う亜・ドキュメンタリー映画である。幼少期を含む内海氏の半生をドラマ再現するなど、ドキュメンタリーの規範から外れた内容には首を捻らざるを得ない。どうしてこうなったか。

山本倫生
1年前
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「映画デリシャスパーティ♡プリキュア〜夢みる♡お子さまランチ!」(2022)は同名タイトルの長編アニメ映画である。入場者限定プレゼントの「光り物」が復活したものの、それらを活かした作劇がおざなり(というか皆無)になってしまったのは些か残念。大きなテレビ程度の作品になってしまった。

「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」(2022)は、同名小説を基にした長編アニメ映画である。自分の都合で二人の女の子に多大な迷惑をかける主人公に、一時流行したセカイ系(笑)作品の行き着く果てを見る想いである。世界は君のことなど気にしていないと、気づきなさいな。

山本倫生
1年前
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