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140字で映画はどこまでかたれるか。

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タイトルの通り、筆者が観た映画の回想録です。鑑賞環境は映画館の新作を中心にしていますが、基本的にはあまり拘りません。字数制限の都合上、警告なしでネタバレとなる場合もあるので注意。
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2022年5月の記事一覧

「ハッチング〜孵化〜」(2022)は、精神的に不安定な10代の少女に起こる不思議な出来事を描くホラー映画である。いわゆる毒親母のインパクトが強すぎて、主人公の妄想が作り出したイマジナリーフレンドがやがて…という衝撃展開も霞んで見える。作り手の思惑と現物の落差を楽しむ変な映画。

山本倫生
2年前
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「少林寺」(1982)は、全てが本物の大迫力!が売りの時代劇だが、なぜか冒頭で「少林寺拳法」との違いを強調するちょっと変な映画である。少林拳と少林寺拳法は全く違う武術です。ここ試験に出ます。80年代独特の残酷描写への注意書きがご愛嬌というかちょっと懐かしい感じで微笑ましい。

山本倫生
2年前
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「シン・ウルトラマン」(2022)劇場内の反応を見ている限り「庵野秀明ファン」と「一般観客」からは明らかに「失望」の二文字が感じられた。残る「怪獣映画ファン」「特撮ファン」でどれだけ盛り上げるかが見ものであるが、特殊性癖の方々のニーズを掘り起こせれば或いは……。(ないない)

山本倫生
2年前
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「クライ・マッチョ」(2021)は、雇い主の子供を連れ戻しにメキシコへ向かう元ロデオスターの道中記を描く。目的ははっきりしているのに寄り道ばかりで、何の映画かよく分からない。監督デビュー50周年・監督作40作目の「集大成」という宣伝文句をモノともしないイーストウッドの反骨精神よ。

山本倫生
2年前
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「映画の倍速再生」で稼いだ時間を別の動画再生に注ぎ込む現代人が「音楽」でも同じことをしているかどうは寡聞にして知らないが、理屈としては十分あり得るはず。倍速再生の是非を論じるならこの点を明確にした上で行なうべきであると思うが如何なものか。

山本倫生
2年前

「倍速で映画を見る」くらいなら、何も見ないで映画を語るくらいの努力はしてほしい。「時間の芸術」である映像作品で「速度を変えて見る」行為がどれほど野蛮で的外れなことなのか、なぜ最後まで見なければならないのか。学校で教えてくれないことは自分で考えるしかないということだ。考えて、悩め。

山本倫生
2年前
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「ベルファスト」(2021)は、1969年の北アイルランド地方に住む少年が見た「紛争の風景」を描く映画である。暴動や焼き討ちが起こり封鎖される街の風景と9歳の男の子が大好きなものが並列に描かれる、ほのぼのしつつも悲惨な現実を活写するモノクロ撮影が素晴らしい。