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「認定」「認証」「表彰」「コンテスト」。企業PRに活用できる広報ネタを作ろう。

広報専任者として入社したはいいけど、いざネタを探ってみると、ないっ!ホントに?、、、やっぱり、ないっ!という経験をしたことがあります。入社1~2か月のこと。地方の無名のBtoB企業で広報部門を立ち上げるときに必ず立ちはだかる大きな壁とは、このことでしょうか。

こんにちは、株式会社丸信グループで広報を担当している田中(@marusinofficial)です!

BtoB企業ですが、新しく提案する商材はちょこちょこ出てくるので、その中から見つけたのが久留米絣で作った貼箱(ギフトボックス)。早速、この製品について詳細を聞きに当時の営業部門責任者のところを尋ねると、「田中くん、それじゃなくてこっちが面白いよ」と逆提案をもらったのが「災害流木を練り込んだ和紙で作った焼酎ラベル」でした。

福岡県朝倉で豪雨災害があった時期で、大量に流れてきた災害流木を有効活用する取り組みの一環として和紙メーカーが流木の破片を練り込んだ和紙を開発。この和紙でお酒ラベルを作りたいという依頼が弊社に入ってきたのを教えてもらいました。和紙メーカーと酒販店と酒造メーカーと、そして弊社の4社が絡み、災害復興支援につながるお酒として地元紙に掲載してもらいました。

記念すべき入社後初の新聞掲載

この経験から、なるほどこんなネタが取り上げらるのか!と学びつつ、BtoB企業のネタ探しって大変だな、と思ったのを覚えています。いま思えば、会社のことも大して理解していない時期だったので、ネタの「ある」or「ない」の問題ではなく、「ネタの探し方」の問題だったことが分かります。

さて、今回はネタ探しの中でも、自らネタを作った事例を紹介します。と言っても「認定」や「認証」に申請したり、「表彰」や「コンテスト」に応募するだけなんですけど、これは基本中の基本かなと思って、いまはルーティン化しています。

1.SDGs・社会貢献

2020年1月にSDGs宣言して2年経った頃、新聞や雑誌、WEBメディアからSDGsに関する取材が殺到しました。この頃はまだSDGs認定等は受けていなかったので宣言してから認知されるまでに2年くらいかかったのかな、と。ちなみに、各自治体で実施されている認定制度について、単独でメディアに取り上げられたことはありません。

自治体のSDGs登録制度

弊社は福岡県内では久留米のほか福岡市と北九州市に営業所があり、九州では熊本、鹿児島、大分、長崎にも営業所を構えています。そのため、営業所があり、かつ認定制度を設けている自治体でも登録を申請し、「福岡県SDGs登録制度」「かごしまSDGs推進パートナー」「北九州SDGs登録制度」に認定されました。
「福岡県SDGs登録制度」では第1期の代表企業10社に選ばれたので、テレビで少しだけ弊社社長が映り、同じく代表企業に選ばれた親戚会社の兼貞物産さん社長はインタビューで登場しました。
SDGs認定制度は他に多くの企業も認定を受けるので、これ単体でメディア露出は難しいですが、これも積み重ねが大事。弊社の営業所があり認定制度を設けている自治体では、他にも取得を目指したいと思います。

光栄なことに福岡県SDGs認定制度では代表企業に選ばれました

久留米市が創設した「くるめ環境表彰」

久留米市が創設した環境関連の表彰制度。企業だけでなく、地域の環境活動に貢献した個人や教育機関なども対象のため、表彰式にはいろんな肩書の方がいらっしゃってました。残念ながらメディア露出はなりませんでしたが、表彰セレモニーに参加された市長や市役所環境部門の方との関係性は築けたかと思います。ちなみに弊社は「環境行動賞」を受賞しました。

久留米市の環境活動をしてる企業や個人等が多数表彰されました

落選のSDGsアワード

2年ほど前に応募してみましたが、残念ながら賞をいただくことはできませんでした。地元ではSDGs企業として認知度が上がってきてはいるものの、SDGsアワード自体が年々、取り組みのレベルが上がってきていて、SDGsに取り組む企業も増えているので、弊社が前面に出している地域の貧困解消や脱炭素・環境などの取り組みが特別なものではなくなったことが挙げられます。ちなみに、その年の総理大臣賞は「バングラデシュの子どもたちの栄養問題解決」に取り組むユーグレナさんでした。さすが、スケールが大きい!

2.業界団体

弊社が所属するのは主に印刷業界やシール業界。業界団体が主催する認定制度やコンテストはけっこうたくさんあるので、対象となっているものがあれば積極的に応募しています。応募して認定を受けたら、必ず九州や福岡といったくくりで何社目の認定なのかを過去にさかのぼって調べます。もし九州初、福岡初ならニュースバリューが高まりますので。

世界ラベルコンテストで「世界一」

10年ほど前から毎年出場していて、これまでに日本一(経済産業大臣賞)と世界一(ベストオブザベスト)を受賞することができました。日本一や世界一はとても強いワードですが、受賞できなかったとしても「福岡県で10年連続入賞は初」といった切り口でプレスリリースを配信することもあります。ただし、一般紙の記者が知らないようなコンテスト等は、エビデンスや過去実績など多くの確認を求められますので事前の情報収集も必要です。

世界一の際は、久留米市長の表敬訪問をセッティングしたこともあり地元のテレビ数社と新聞各社が取材に来られ、その後も1年以上、テレビ、雑誌などからの取材が続きました。恐るべし「世界一」ネタ。そして、この時覚えたのが、市長の表敬訪問の活用法でした。

過去一で掲載数の多かった広報ネタでしや

技能五輪の日本代表として世界大会出場

若手印刷技術者が挑む技能五輪印刷部門の大会。対象となる印刷部門はベテラン技術者が多いので、長らく出場資格を持つ若手がいませんでした。初めて新卒でこの部門に配属された甲斐田くんが1回目の挑戦で国内2位、2回目の挑戦で国内1位となり世界大会に出場しました。

国内1位の際には新聞数社、世界大会出場の際はテレビ数社と新聞各紙で取り上げられました。ちなみに世界大会出場前は広報チームで「壮行会」を計画し、壮行会の模様もテレビで報道していただきました。

技能五輪世界大会(スイス)の競技の様子

企業の社会的責任を評価、全印連CSR認定

印刷会社のCSRの取り組みを評価する認定制度。ワンスター⇒ツースター⇒スリースターと段階があり現在はツースター。スリースター取得企業は全国でも少ないため、次回の更新の際にスリースターを目指します。スリースターを取得すると、メディアに興味をもってもらえそうな気がしています。

印刷産業環境優良工場表彰

こちらも印刷会社を対象にした表彰制度。昨年は「奨励賞」にとどまり今年も応募していますが、ハードルの高さを実感中。この表彰制度は何度でも応募が可能なので、最高位の「経済産業大臣賞」を受賞できるまで応募を続ける予定です。現地視察もあるのでとてもハードルが高いですが、いろいろご指摘いただくことで改善ポイントが鮮明になるので、応募しながら社内・工場内の改善につなげるのも目的です。最高位を受賞できれば九州では初となるため、ニュース的にもインパクトが大きいと思ってます。

3.企業経営

国が認定をする制度も多数あります。弊社が認定を受けているのが「はばたく中小企業300社」と「健康優良法人ブライト500」。どちらも格式のある賞なので、ロゴマークをコーポレートサイトや名刺などに掲載して取り組みをアピールできます。

はばたく中小企業300社

正式には「はばたく中小企業・小規模事業者300社」です。毎年300社が認定を受けるので、一般紙やテレビ局が取り上げるにはニュース性は高くないですが、弊社は300社のうち代表企業に選ばれ、東京の経済産業省で開催された表彰式に弊社社長が代表企業の1社として出席。とても光栄な機会をいただきました。こちらは主に業界紙で多数取り上げていただき、経済産業省のWebサイトでもインタビュー動画などを掲載していただきました。

前経産相の萩生田氏より直々に表彰を受けました

健康優良法人ブライト500

こちらは全体で1万社以上が認定され、ブライト500も基本的に500社前後が認定を受けるので、これ自体で取り上げられることは難しいです。しかし「連続受賞」となればニュース性は高まってきますので、現在2年連続ですが10年連続を目指してみたいと思います。10年連続認定を受けるころには全社員が健康になっていることと思います。

4.申請予定の認定や表彰

リサーチしきれてないけど対象となりそうな認定や表彰制度はまだまだありそう。引き続き対象となる制度があれば申請したいと思っています。一度、応募したけど受賞につながらなかった「SDGsアワード」や「クラウド大賞」、入賞したけど上位受賞の可能性のある「全日本DM大賞」あたりは引き続き応募を検討しつつ、将来的には「日本でいちばん大切にしたい会社」にも出てみたいところです。

5.取り上げられる可能性を高める方法

認定、認証、表彰、コンテストは取得や受賞しただけでメディアに取り上げられるとは限らないので、最低限、プレスリリースでの発信は必要でしょう。その時にまずやるべきことは、一般の人でも分かりやすい言葉で取得・受賞したものを説明することと、「どのくらい価値のあるものなのか」を示すこと。
前述したように、私がまずやるのは取得したのが九州・福岡・久留米で何社目となるのか? 「初」なのか「2社目」なのか? あるいは連続受賞なら「初」となるのか? など、過去の受賞歴等を調べてプレスリリースに盛り込みます。
希少性の高い認定や表彰では、市長表敬訪問の対象になるかもポイント。対象となると思ったら、市役所の商工系の部署や秘書室に掛け合って表敬訪問に日程調整を行い、確定したら市長表敬訪問の日時をメディアにアナウンスるするこができます。

自治体は企業PRも仕事なので日程があえば市長表敬はウェルカム
テレビ取材を想定して画になる催しを企画するのも広報ネタ作りの一つ

技能五輪の世界大会では「壮行会」をセッティングすることで、テレビの取材を呼び込みました。幸い、弊社には社内報があるので、メディアの取材が無かったとしても、壮行会の様子は社内に伝えることができるので、思い切って壮行会を設けることができました。こうしたビジュアル的な画が撮れそうな仕掛けも、ネタを作るという意味では大事かもしれません。

いったい何がネタになるのか、については日ごろのメディア研究も欠かせませんので本日、広報チームでは、さらなる情報収集力の強化を掲げました。表彰やコンテストはそこまで費用がかからなかったりするので、何か面白そうな認定や表彰があれば、フットワーク軽くして気軽に応募してみてはいかがでしょうか。

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