NLP初任者通信№19「教科書の本質を知れ ~教科書は子どもでも読める~」
こんばんは。
大阪市立公立小学校教員の丸岡です。
脳科学・coachingをこれまでの教育実践にブレンドし、新たな教育・授業を開発し、教師のやり方&あり方の両面からアプローチしたり、教材開発×道徳見つけ×coaching×NLP(実践心理学)という今までにない道徳授業開発にも挑戦中したりしています。
先日のNLP初任者通信№18では「とにかく安全・安心を」というテーマでお伝えさせていただきました。新型コロナウイルスが猛威もいつかは収束はずです。その時に私たち教師に求められる24のポイントのうちのひとつ「とにかく安全・安心を」というテーマで紹介させていただきました。マズローの欲求5段階説を用いて、休校明けにまずすべきことを紹介させていただきました。
新型コロナウイルスが猛威を振るっています。
学校も、臨時休校や感染防止措置が求められています。学校が始まっていても短縮授業などが実施されている自治体もあるのではないでしょうか?
そこで、今回から、「臨時休校明けどうすればいいのか!?」を考えてみることにしました。
もちろん、自分の独断と偏見です。「そんなこといいの…?」と思われるかもしれません。正解ではないかもしれません。
しかし、この状況では、だれも正解をもっているはずがありません。正解を出せるとは思いませんが、正解を出すことから逃げ出してはいけないと思っています。
そして、それは、学校が再開した時には、子どもの前に立つすべての教師に求められることでもあります。
目の前の子どもの幸せを一番にくみ取ることができるのは、その目の前に立つ教師のみです。
今回は、今の時点で考えた「臨時休校明けのポイント24」のうちの(7)「教科書の本質を知れ ~教科書は子どもでも読める~」です。
今後、ひとつひとつの詳しい記事を配信していく予定です。
それでは、どうぞ。
NLP初任者通信№19「教科書の本質を知れ ~教科書は子どもでも読める~」
先日、臨時休校明けどうすればいいのか!?ポイントリスト24という記事を上げさせていただきました。
そのポイントのひとつに、「教科書の本質を知れ ~教科書は子どもでも読める~」をあげていました。
どうして、「教科書の本質を知れ ~教科書は子どもでも読める~」が、休校明けにポイントなるのでしょうか?
今日は、そんなことに迫ってみたいと思います。
1、コロナ騒動で見直さざるを得なくなった教育界
今のままでは、臨時休校明けに次のことが求められることになるでしょう。
(3月からの)休校でできなった授業を取り戻す
ひと月でだいたい80時間の授業数があります。(授業日数15日×1日6時間の計算の場合。少し少なく見積もっています)
3月、4月と休校していたことで、160時間の授業ができなかったことになります。
当然、それだけの時間を取り戻すことは不可能です。
失われた時間は帰ってきません。
しかし、来年の4月には、今の学年からそれぞれ一つ学年を進級させなければいけません。
今のままの施策であれば、次のことに取り組むしかないのです。
短い時間で確かな効果を生み出す
いわゆる
量よりも質
ですね。
つまりは、これまで取り組んでいたことに次のような批判的な眼を向けて見直さなくてはいけません。
・これまで取り組んでいたことって必要なの?
・本当にこれまでのやり方でよかったの?
・絶対に○○しなければいけないの?
残念ながら、これまでの教育界には、上記のように感じることが少なからずありました。
しかし、今回のコロナ騒動で、これらにもメスを入れざる得なくなりました。
学校の本質とは?
学びの本質とは?
そんなことを考え直さなくてはいけなくなったのです。
2、教科書はだれのため?
そこで、まず見直したいのが教科書の扱いです。
教科書はだれのために存在しているのか?
この答えは明白です。
教科書は子ども本人のためにある。
そうでなければ、教科書が学年配当漢字で書かれているわけがありません。
教師のためにあるのなら、もっと漢字が使用されているはずです。
そうでなく、学年配当漢字で書かれている。
つまり、
教科書は子どもたちが自力で読めることが前提
なのです。
これらのことは当たり前のことのように思いますが、私は、これまでないがしろにされてきたなぁと思っています。
3、教科書をなぞる授業は必要なのか?
一昔前の授業のイメージは、次のようなものでなかったでしょうか?
・先生が「教科書○ページを開けて」と言って授業が始まる。
・「では、○○さん、1番の問題を読んで」
・「この問題は○○のようにして××のようにやります」
・「では、やってみましょう」
上記の流れって本当に必要なのでしょうか?
子どもたちは教科書を読めるのに。
子どもたちは自分たちで解く力をもっているのに。
とても無駄が多いですし、時間もかかります。
休校明けにこんなやり方をしていては、全く授業が進みません。
もっともっと、子どもたちに任せていっていいのです。
そんな立場から次のことを提案します。
4、子どもに任せる授業だから早く進む
子どもたちは教科書を読むことができます。(当たり前のことですが、これまで学校ではこのことは無視され続けてきたように思います)
教科書は、子どもたちが理解できるように様々な工夫がなされています。。
よって、もっと学びを子どもたちに任せていっていいのです。
例えば、次のような流れで進めてます。※算数の授業を想定しています。
・先生は、今日の学びの範囲を伝える。必要な知識や技能があれば事前に教える(事前学習法)
・子どもたちは自力で取り組んでいく。
・できたら自分たちで丸付けをする。
・間違えたところはやり直しをする。
・さらに計算ドリルなどで習得に取り組む。
・早く終われば、次の時間の学びの範囲を勉強する。
このようにすれば、子どもたちはどんどんと学習を進めることができます。
先生がひとつひとつていねいに進めるよりも、うんと早い時間で授業を進めることができるのです。
では、先生は何をするのでしょうか?
それは、例えば、次のようなことをしてはどうでしょうか?
【先生の授業における役割】
・学びの範囲を確かめて、子どもたちが間違えたり引っかかったりするところを乗り越えるための知識を事前に教える。(事前学習法)
・子どもたちに学び方を教える。
まず一人でやってみる。
わからないところが出れば友だちや先生に聞いてみる。(この時、自由に離席してもよい。必要なら、椅子や机を動かしてよい)
聞かれた人は教えてあげる。(「教えることが1番の勉強になる」ことを指導しておく)
↑この時、濃厚接触が生まれないように配慮する必要があるかもしれません。そうなると、大きな声になるかもしれませんが、それは気にしないようにしましょう。
答え合わせのしかたを教える(なぜまちがってしまったのかをきちんと理解する。)
やり直しのしかたを教える
このようにして、子どもたちが自分で学びやすい環境をつくってやるのです。
こうすると、次のような利点が生まれます。
・子どもたちは意欲的に学習に取り組める
・学習の進度がうんと上がる
・先生は子どもたちのことを余裕を持ってみることができる
どれも、これまで先生が求めていた要素ばかりではないでしょうか?
これらは、子どもたちに学習の手綱を渡すからこそ、実現できることだったのです。
5、おわりに
コロナ後で様々な学習の措置が求められるでしょう。
これをチャンスに変えない点はありません。
「どんな方法なら乗り越えられるのか?」
いろいろな人が、いろいろなことを考えるはずです。
もしかすると、今回が、絶好のチャレンジの機会となるのかもしれません。
そのチャレンジが子どもたちを守るのだと思います。
ぜひ、勇気をもって、一歩を踏み出してみてください。
※事前学習法 さくら社代表取締役(もと千葉県公立小学校教諭)横山験也氏が開発した学習法
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