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NLP初任者通信№15<叱るべきは小さなうちに>

こんにちは。

大阪市立公立小学校教員の丸岡です。

脳科学・coachingをこれまでの教育実践にブレンドし、新たな教育・授業を開発し、教師のやり方&あり方の両面からアプローチしたり、教材開発×道徳見つけ×coaching×NLP(実践心理学)という今までにない道徳授業開発にも挑戦中したりしています。

先日のNLP初任者通信№14では「師匠をもつ必要性」というテーマでお伝えさせていただきました。「師匠をもつという旧来の日本文は、脳科学的に見ても効果がある」という話でした。



本日のNLP初任者通信№15は「叱るべきは小さなうちに」ということについてお話させていただきます。


駆け出しのころ、叱ることが苦手でした。


「叱る」という原則やスキルをまるでもたないままに現場に入りました。


すると、見事に、学級は乱れていきました。


これは、「叱る」というスキルを持ち合わせていなかった私の責任でした。


「叱る」という原理やスキルはNLPの視点からも見ても、非常に有効です。


それでは、どうぞ。

NLP初任者通信№15<叱るべきは小さなうちに>


本通信では、次の二本立てでお伝えする。

・「叱る」ことの原理・原則とは

・脳科学の視点で見た「叱る」の原理原則


では、早速ひとつめから。


「叱る」ことの原理・原則とは


「叱る」ことの原理・原則とはどのようなものか。


まず、教育者、森信三先生の言葉を引用しよう。

不道徳は叱って正す


躾(しつけ)の基本は「叱る」ことである。


叱ると聞くとよいイメージをもたない人もいるかもしれない。


しかし、教育の世界で「叱る」という行為なしに、業務を進めることは不可能である。


叱ることに、躊躇する必要は全くない。


ただ、気合を入れる必要もない。


叱るべき時には、きちんと叱る。


ただ、これを行うのみである。


では、どんな時に叱ればいいのか。


この基準をもつのが難しい。


私も、駆け出しのころ、もてなかった。


だから、叱る基準があいまいになった。


すると、子どもたちは、叱られることに不満を持ったり慣れていったりした。


ぜんぜん、叱っても、効果がなくなった。


基準をもつことは大切なことである。


さて、どんな基準をもてばいいか。


国語授業名人、野口芳宏氏は言った。


1、命を粗末にするような行動を取ったとき
2、人を傷つけた時
3、3度同じことを言われてもいうことを聞けない時


この3つについては、厳しく叱ると言った。


ここで、気をつけなければいけないのは「厳しく」ということである。


基本は、この3つのことで、叱らないということ。


では、そのためには、どうすればいいのか。


それは「小さなことに目を向ける」ということである。



宿題をもってくることを忘れた。


今、おしゃべりをやめなさい、と言われたのに少し話した。


「下敷きを入れなさい」と指示をしたけれど、入れていなかった。


こうしたイチイチに気が付いているか。


そして、毅然した声で「いけません」「やり直しです」「今は話しません」と、言えるかどうかです。


この時、大きな声で怒鳴る必要もありません。


ただ、毅然とした声で言えばよいのです。


それも、4月の初めの時期は特にていねいに。


この4月に


「まだ4月だから」


「出会って間もないから」


「かわいそうかな」


という気持ちをもちたくなりますが、それでは、基本はいけません。


どうしてなのでしょうか。


脳科学の視点で見た「叱る」の原理原則


どうして、4月のはじめこそ、「小さなこと」に目を向けなければいけないのか。


もし、小さなことに目を向けずに、叱らないでいるとどうなのか考えてみましょう。


<4月に叱らない場合>

子「先生、宿題を忘れてしまいました」


先「あ、いいよいいよ。仕方ありませんね」


子「すみません」(あっ、宿題を忘れても許してもらえた)


これが、宿題を忘れた、掃除をせず遊んだ、時間を守らなかったなどなど、あらゆる場面で適応されたとします。


すると、子どもたちの頭の中では、無意識に


「悪いことをしても、叱らない先生」


と、インプットされます。


そして、そのことを、


家庭で話す


友だちと話す


ということを繰り返すうちに、どんどんと「悪いことをしても怒らない先生」というプログラムが頭の中に組まれてしまいます。


例え、一度、そういうことがあっても、子どもたちが思い返したり話題にしたりする回数は数十回に上ります。


では、逆に4月の間にきちんと小さなことで叱っているとどうなるでしょうか?


<4月にきちんと叱った場合>


子「宿題忘れました」


先「いけません。今すぐやりなさい。次、忘れたら2倍やってもらいます」


子「はい…。(先生、厳しいな)」


すると、家庭でも、友だちの間でも「今度の先生は、きちんと叱るよ」と話がされます。すると、数十回のやり取りの中で「今度の先生は厳しい」というプログラムが出来上がります。


もちろん、厳しいだけではいけません。


4月にゲームなどを通じて「厳しいけど楽しい」と言われるようにならなくてはいけません。


ただ、4月の間に、きちんと叱ることの大切さは、本記事で伝わったのではないかと思います。


それでは、また。


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