【経営者向け】借金をする前に考えるべきこと

経営者は基本的に無借金経営を目指すべきだ。
しかし、無借金経営を目指す途中には、融資を受けて借金をすることもあるだろう。
今回は、借金をする前に考えるべきこと、特に「危ない融資」について書き綴っていく。

安全な融資

毎年のように黒字を拡大している場合は、いろいろな目的で融資を受けて良い。
そうでなくとも、適切な設備投資に必要な融資は受けた方が良い。
あと、受注が確定した特定の仕事をやりきるために必要な融資も問題ない。

危険な融資

借金を返すための融資

借換でなく、借金が返せないから新しく借金をしようとするパターン。
これは言うまでもなく、危険だ。
特に消費者金融。
過去の経験上、ほぼ確実に傷を広げてしまう。
既存の返済が難しければ、返済スケジュールの見直し以外に突破口はないと知るべき。

見栄や体裁を良くするための融資

世の中には無理してでも高級車を購入しようとする人がいる。
必要以上に店舗の内装や外装に金を掛ける人もいる。
儲かっているように見せかけるために高級品を揃えようとする人もいる。
もし、そんなことのために融資を受けようとしているのであれば、今すぐ考えを改めるべきだ。

足らない売上を補填するための融資

足らない売上を融資で賄うのは危険なことだ。
返すアテのない借金になることが多い。
売上が足らないなら、売上が足らない原因を考えなければならない。
その原因を考えた結果、解決のために必要な資金を借りるべきだ。

従業員を増やすための融資

従業員を増やして事業を拡大したいのは分かる。
しかし、そのために融資を受けるのは危険だ。
現状でその従業員を養える利益がないのなら、融資はやめた方が良い。
本来、利益を上げて会社に残った運転資金があるのであれば、融資は必要ないはずだ。
運転資金目的の融資は、可能な限り避けるのがセオリーだ。
特に従業員増加のための運転資金は、失敗すると倍返しになる。
一度雇った従業員は、解雇ができないからだ。
この失敗、倍返しパターンは非常に多い。

不動産投資などのための融資

不動産、証券など、本業以外へ投資する目的の融資はやめた方が良い。
そもそも、融資が必要な時点で、その投資を実行する資格はない。
本業に投資した方がはるかに高い利回りが期待できるはず。
不動産投資など、高齢になって、十分に資産があり、本業の成長をあきらめたタイミングでゆっくりと検討すればよい。

融資に恐怖心がある場合

借金をすることに恐れがあるなら、融資は受けない方が良い。
その恐怖感は、実力不足から来るものだ。
おそらく、その本能的な感覚は正しい。
返済できる可能性は低い。
そんな融資は、博打を打つのと変わらない。

もちろん、経営には博打も必要だ。
しかし、それは自己資金でやるべきこと。
借りた金で博打をするようなことは、決してすべきではない。