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代理店病を患う経営者

代理店病を患う経営者が時々いる。
やたらといろいろな商品・サービスの代理店を始める人のことだ。
頻繁に売るモノを替える人も同じ病かもしれない。
今回は、そんな代理店病について書き綴っていく。


代理店のメリット

代理店の大きなメリットは3つだと思う。

1.開発の手間がない
2.製造、仕入れ、販売などの手間が少ない
3.本部の知名度を借りられる

有効に使えば、経営上のメリットは大きい。
また、顧客に対してもメリットは大きい。

本来、以下のようなことを期待して代理店となる。

1.収益源の分散
2.一部自社の商品・サービスを廃止し、その代わりとして導入
3.新規顧客を獲得するきっかけ
4.新しい事業分野へ進出するきっかけ

会社によっては、他の狙いもあると思う。
狙い通り、上手く使っている会社も多い。

代理店病患者の実態

代理店病を発症した人に多いのは「とにかく、たくさんの商品・サービスを持っていれば何かが売れる」と考え方。
さらに言えば「自社商品・サービスが売れないから、代理店になる」というケースが多い。

別にこれが悪いわけではない。
たくさんの商品・サービスのラインナップがあれば、販売のチャンスは増える。
どう足掻いても勝てない商品・サービスを前にしたら、そこは負けを認めて代理店として優秀な商品・サービスへ切り替えるのも一つの手だ。

しかしだ。
そもそも、商品・サービスを販売する力がない場合は、重症だ。
代理店になって、どれだけ多くの商品・サービスを抱え込んでも、やはり売れない。
販売力のない人に、販売力を持たせるような夢のような商品・サービスは、極めて稀だ。
有ったとしても、代理店になる条件は厳しい。

代理店病の辿り着く先

おそらく、廃業か倒産。
一部、目を覚まして病を克服する人もいる。

「餅は餅屋」という言葉がある。
結局は、ここに行き着く。

商品・サービスを開発するのが得意な人は、代理店制度をつくれば良い。
逆に、販売するのが得意な人は、代理店制度に加盟すれば良い。

本部は、代理店の「販売力」を期待している。
代理店は、本部の「商品力」を期待している。

お互いの考えが一致しないと「餅屋に食パン」を望む状態になってしまう。

――― まずは何か一つのプロであること

経営者がこれを失ったら、危ない。
失ったら、また何かのプロに成りなおすこと。
そこから逃げるようにして、代理店病を患わないように注意が必要だ。


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