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社長が副業をしていたら怒られた話

会社を立ち上げて間もない頃。
副業をして、怒られたという想い出がある。
今回は、この辺りのことについて書き綴っていく。


23歳社長、いきなり怒られる

会社を立ち上げた直後なので、23歳の夏。
ある建設会社の経営者である先輩に呼び出されて、怒られた。

――― お前は何で副業なんかしてるんだ?

と、質問形式ではあるが、私の行動を問いただす強い口調だった。
しかも、質問形式のはずが、私の反応を待たず、即座に次の言葉が来る。

――― 金が無いからって、副業するのは違うと思うぞ!

と続く。
さらに、その後もヅラヅラとダメ出しが続く。
おそらく、数分程度だったと思う。

説教の内容を要約すると…
金が無いからと言って、副業するのは自分の商売に自信が無いからだ。
男なら、自分の商売に全時間を使って、死ぬ気で切り開け。
ということ。

それは誤解

先輩(以下、彼)は、勘違いしている。
私が建設現場で働いている姿を見て、「副業」をしているように見えたようだ。

私が「副業」をしていたのは、父親の会社の建設現場だった。
繁忙期の夏に「どうしても人手が足りない」ということで、スポット参加していただけだ。
どうやら、これが「金に困っての副業」に見えたようだった。

――― 金に困っていたのは事実かもしれない

正確には「金に困るより前」の開業直後だが。

土建屋社長の品格

誤解はすぐ解けた。
彼は、私の父親と同業種で旧知の仲だ。
父親に「お前の仕事は夜でもできるだろ?」と無茶を言われて、渋々スポット参加しただけ。
そう言っただけで、すぐに伝わった。
彼は私に深々と謝罪をした。

私は、この一連の出来事に「土建屋社長の品格」を感じた。

・自分の考えが強い
・いきなり怒る
・悪いと思ったらすぐに謝る

一見、頑固で理不尽に思えるかもしれない。
しかし、実に潔い。

建設会社の創業社長は、このくらいのエネルギーがないと上へ登れないと思う。
日々、土木を相手に時間と戦っている。
スピード感が重要だ。
迅速な判断は、安全第一にも繋がる。
迷っている暇はない。
考えるより、動く。

何よりも、23歳の新米経営者へ「良かれと思って」全力で説教をしてくれたことに、愛を感じた。

――― 相手にそう思わせられるのが、土建屋社長の品格

私も、そんな品格が欲しい。
理不尽なところは除いて。


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