父とゲームで遊んだ日

私の家には父がオタクなのもあり、常に隣にゲーム機があった。父はよくリビングでいろいろなゲームをしていた。

父がゲームをしているのを隣で見るのが楽しかった。

父が真夜中に「ゼルダの伝説 時のオカリナ」をプレイし、電気もつけず真っ暗な部屋で闇の神殿を攻略していたのを見てしまい眠れなくなったこともある。

あの時のボンゴボンゴほど怖いものはなかった。


私も当然のようにゲームにハマっていった。

ゲームボーイで遊んでいた頃なんか、外で電池が切れても大丈夫なように乾電池を小さいカバンにたくさん詰め込んでいたので、常にカバンは重かった。

時のオカリナは序盤のデクの樹サマの中に入るのがとても恐ろしくプレイすることを諦め、リメイクが出たことでようやくクリアすることができた。


時は流れゲームキューブが発売し、もちろん私の家にもその握れる鈍器はあった。

ゲームキューブのソフトも沢山やったが、その中でも私は「大乱闘スマッシュブラザーズ」にどハマりした。64のスマブラは何故か買っておらず友達の家でやるだけだったので、その反動もあり無我夢中で遊んでいた。

普段は弟か弟の友達、もしくはCPUとひたすら遊んでいたが、一度だけ父と遊んだことがあった。

父がスマブラを遊んでいたところを見たことはなかったし、私のほうが断然遊んでいるから勝てるだろうと踏んでいた。

そもそも父と一緒にゲームで遊んだことが滅多になく、キャラクターやステージを選んでいるとき、父と同じ画面を共有していることに違和感を覚えていた。


そして対戦をしたが、見事にボロ負け。父の操作するピンクのキャプテン・ファルコンに私のリンクはなす術もなく撃墜されていく。

私は負けず嫌いなのでとても悔しく、イライラしながら制限時間いっぱいまで戦ったが、勝てなかった。


何度も何度もリベンジしたが、どうしても勝てない。


そしてリザルト画面に入った途端、父は私のほうを向き、「Show me your moves!!」とキャプテン・ファルコンの勝利セリフを大声で言いながらあまつさえモーションを真似しながら私を盛大に煽ってきたのだ。



(゜Д゜)

もうこうである。


勿論当時バリバリの小学生であった私に耐え切れるものでなく悔しさのあまり大泣き。そのままリビングを脱出した記憶がある。


それ以来父とゲームで遊んだことは当然だが一度もない。

私はというとしばらくそのことを引き摺り、CPUをちょいちょいピンクのファルコンにしては八つ当たりをしていた。

私の負けず嫌いに拍車をかけたのは言うまでもない話であった。


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