産婦人科という単語が生理的に無理だった

結構前に初めて生理不順を感じ、不安になったので診てもらおうと思い、病院を調べた。その時泣きそうになった話。

まず私の性はとてもあやふやで、女である事、女として認識される事が嫌だけど猛烈に男になりたいわけでもなく(言動や仕草は男であるが)、でも自分が女である以上生理があったりするのは仕方ないと思っている。女でいて楽なときもあるし。

自分でも何を言っているかよくわからないが、女のようで女じゃない、男寄りの女っぽい人って認識でいいかもしれない。

私の性が思っている以上に面倒なことになっている詳細は良かったら以下noteで。

さてそんな私が生殖関連で診てもらおうとしているのだが、目の前に途方もなくデカいハードルがあった。


産婦人科というワードに凄まじい嫌悪感を抱いてしまったのだ。


「産!? 私、子どもを産むつもりなど毛頭ないが!?(そもそも恋愛もする気ないが!?) はあ、婦人!? 誰が!?」


産婦人という単語に込められたこういった方々のための診療所! という主張が女でも男でもない自分にダイレクトに突き刺さってしまった。勿論そんなことを考えての名称ではないだろうということは分かる。これは私の我侭であるだろう。

だが、ここに受診することで自分はやはり子どもは産めるし場合によっては婦人として扱われてしまうという事実が苦痛で仕方なかった。


女としての自分を認めろ、と言われているような気がしてならなかったのだ。


本当に嫌だった。嫌すぎて画面見ながら涙が溢れてきた。恋愛アレルギーのときにも似た発作のような嫌悪感が爆発しそうになっていた。

それだけで受診するのをやめようと思ってもいた。けどもしなにか不調があったらどうしよう、でも産婦人科なんて絶対に行きたくない……。


結局私は「レディースクリニック」という抜け道を使った。両者の違いなどは理解できていなかったが、それでも産婦人科よりは万倍マシであった。

幸い異常は特に見られず、あの時のような不調は今のところ起きていない。そこは素直に喜びたいが、自分の複雑で面倒なあり方にげんなりもした。

下着が軒並み可愛くてレースフリフリなのと同様に、女性のここはこうあるべきだよねっていう世間の押しつけが定期的にキツいと感じることがある。

誰しもが自分の性をありのままに受け止められている根拠などないということが、もう少し理解される世の中だといいな。

ほんの些細なことでも、その当然が受け入れられず苦悩する人だっているのだから。

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