あなたはこうやって結婚生活に失敗する(15)の2
*いっけねぇ!昨日投稿をするのを忘れて連続投稿が途切れてしまったぁぁぁ!くやしいい~!
気を取り直して、また一から出直しや~。
*****
「そんなに通帳があるのか?」
通帳は20冊以上あるように見えました。奥さんは驚くふうでもなく答えます。
「古いのもあるから全部が今使ってるものじゃないわ」
「えっ、どうして古いものを分けてないの?」
「面倒だから。ついつい…ね」
そう言いながら奥さんは今使っている通帳を探していました。あなたは奥さんの横顔を見つめます。奥さんはあなたが見つめているのを気がついていないようでした。
あなたは巾着の布袋を見てあることに気がつきました。
「なぁ、おまえ外出するときいつもその巾着を持ち歩いてないか?」
「そうよ。銀行とかに行くとき通帳って必要でしょ」
奥さんは「当然過ぎることを聞く」あなたにあきれたような表情で言いました。
「えっ? 全部の通帳を持って歩くのか?」
奥さんはまたあきれたような表情で答えます。
「だって、そのほうが簡単でしょ…」
奥さんの言葉を聞いて、あなたはさすがに声を荒げてしまいます。
「なに言ってんだ! 全部の通帳を持って歩くのが危険だとは思わないのか!」
あなたの剣幕に、奥さんは呆気にとられた表情をしました。奥さんは、あなたが怒っている理由がわからないのです。
結局、奥さんは今現在の家庭にあるお金についてなに一つ把握していませんでした。それどころか、毎月いくら使っているかもきちんと掴んでいませんでした。あなたは怒る気持ちにもなりません。あまりに情けなさすぎて…。
それ以来、家庭のお金の管理はあなたが行うようにしました。毎月、必要な金額だけを奥さんに渡し、そして使った金額をノートに記すようにさせました。つまり家計簿をつけるようにさせたのです。奥さんはしぶしぶ従いました。ですが、「しぶしぶ」ですから毎日ノートにつけていたわけではありません。奥さんに言わせると「ついつい」忘れてしまうことがあるのでした。
そのたびにあなたは奥さんに言ってきかせます。
「お金は天から降ってくるのではなく、稼いで得るんだから上限があるんだ。お給料の金額という上限があるんだからきちんと計画性を持って支出をしないと家庭が破産することもあるんだぞ」
あなたがそう訓示をするたびに奥さんは理解しているのかしていないのか、ただうつむいているだけでした。
あなたが家計をやり繰りをするようになって2ヶ月が過ぎた頃。
いつものようにあなたが奥さんに訓示をしていると、いつもはうつむいている奥さんがあなたの目を見ています。普段と違う雰囲気をあなたは感じます。
「わたし、なんか嫌になってきた…」
奥さんの言葉に、あなたは聞き返します。
「なにが?」
奥さんは今まで抑えていた感情が爆発したかのようにまくしたてます。
「あのね、こうやって毎日お金に汲汲として生活することが嫌になったの!」
あなたは唖然とします。
「わたし、我慢できない! スーパーでお買い物するのにも神経使うし、電気とかガスとかも料金を考えながら使うのが疲れるの」
今度は、あなたの感情が爆発する番です。
「おまえ、なに言ってんだ! お金をちゃんと使えない主婦がどこにいる!? もう少し大人になれー!」
あなたに怒鳴られて奥さんの感情はさらに爆発します。
「わたし、こんなふうに生活したことないから無理! 自分の好きなように好きなだけお金使いたいわ」
「おまえ、よくそんなことで今まで生きてきたな! おまえの親の顔が見たいよ」
「わたしの親を馬鹿にするの?! わたしを大切に育ててくれた親よ。少なくともお金に不自由させなかっただけあなたよりましよ!」
奥さんは、目に涙を一杯浮かべていました。そして決定的な言葉を口にします。
「あなたとなんか結婚するんじゃなかった」
あなたはこうやって結婚生活に失敗します。
お金に対する感覚は、育った環境に左右されます。「三つ子の魂」を変えるのは至難の技です。家庭において、家計管理ができるかできないかは「死活問題」です。奥さんを選ぶときは、お金に関して計画性があるかないか、充分調べてから決断しましょう。
つづく。