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重度の「吃音症」だった男が伝える吃音の治し方

吃音とは

「吃音(読み方:きつおん)」とは、話をする時に言葉が滑らかに出て来ない発話障害のひとつで、「どもり」などとも呼ばれています。

吃音には「あ、あ、あ、あの」というように言葉を繰り返す【連発性】、「あーーーーーのね」というように言葉を引き伸ばす【伸発性】、「……………あの」というように言葉が阻止される【難発性】など様々な種類が存在します。

はじめに

はじめまして、30代男性サラリーマンの「まるお」です。私は幼少期から、上記すべての種類(連発性・伸発性・難発性)の吃音症に悩まされていました。今はIT系の会社に勤めており、妻と子どもに恵まれておりますが、私のこれまでの人生の大半は「吃音との戦い」でした。

まずは簡単に私の事をお話ししたいと思います。

私が吃音だと気が付き、強く意識するようになったのは小学校3~4年生の頃だったと思います。それは国語の本読みの時間でした。先生に当てられて「前の人の続きから読んでね」と言われ、席を立ち、本を構えて読もうとしますが、上手く言葉が出てきません。

動揺する私を不思議そうに見つめる周囲の目を感じ、顔中が赤くなり、冷や汗が吹き出します。それでも、どもりながら、つっかえながら、度々止まりながらも、一生懸命本読みをした覚えがあります。

その後もなんとか学校へ通い続けますが、国語の本読みだけはどうしてもうまく出来ませんでした。家に帰り音読の練習を何度もしました。言葉に出さず、頭の中で読むとすらすら読むことができますが、いざ口に出そうとするとその通りには喋れません。

「みんなは一体どうやって喋っているの?」「頭の中の文章を読んでいるの?」「頭の中の文章が無くても喋れるの?」と、"喋る"という事に対して理解が出来ませんでした。

ドッジボールなどの運動をしている時は比較的声が出る為、(身体を動かせば声が出るんじゃないか……?)とも考えました。音読中に身体を揺すったり、手をトントンと動かしてみたり、様々な方法で"上手く読もう"、"みんなと同じように上手に喋ろう"と、もがいていました。

小学生くらいの子どもは残酷なもので、そんな私の様子を見ていたクライメイトが私の動作をマネをするようになりました。私が本読みで詰まっていると、身体を揺らす真似をしたり、(面白いものを見つけた……!)とでも言いたげに、笑いながら隣の子とヒソヒソと内緒場話をしたりしていました。

(自分が喋ると笑われる……)、(自分はおかしいんだ……)、(自分は普通の人と違うんだ……)、そう思い詰めるようになった私は、ある朝布団にうずくまり泣きながら母に相談しました。「うまく喋れない……学校に行きたくない……」と。

母も私がうまく喋れない事は分かっていたのでしょう。ぶわっと涙を溢れさせ、「大丈夫、緊張する時だけなるんだよ、落ち着いて喋ればいいんだよ」と私に言いました。しばらく二人で一緒に布団を抱えて泣いていました。

(そっか、自分が緊張しているだけなんだ……)そう思った私は、緊張しない方法を色々と試すことになります。当時はネットもまだ普及していませんでしたから、母に色々と教えてもらいました。

"鼻から息を大きく吸って口から大きく吐く、そんな深呼吸を繰り返す"こと。そして"手のひらに【人】という字を指で書き、飲み込む仕草をする"ことを何度も試していきます。

国語の時間が始まる前、日直で号令をかける前など、人前で喋るのが近付く前に深呼吸をし、人という字を飲み込み、自分を落ち着かせようとしていました。……が、正直全く効果はありませんでした。

吃音とは不思議なもので、(なにか喋らなきゃ……!)そう思うと余計に喋れなくなります。深呼吸をして落ち着けようともしますが、いざ自分が喋るとなると一気に喉が詰まるような感覚になり、まったく言葉が出てこないのです。

私は「タ行」が特に苦手で、自分の名前にも含まれている為、自己紹介が全く出来ませんでした。「名前は?」と聞かれてもスッと答えられません。手をバタバタさせ揺れ動く様は、吃音を知らない人からすると不審に映ることでしょう。

(自分の名前も言えないような男がこの先どうやって生きていくのか?)

(何も言えない自分は何のために生まれてきたのか?)

小学校5~6年生あたりから、うまく喋れない自分の将来に絶望し始めます。自分の存在意義を問うようになり、生きる意味を模索するようになります。

人よりうまく喋れなくても、自分の名前を言えないのは致命的でした。自己紹介はこの人間社会で生きていく上で必要不可欠な要素であり、それすらも出来ない私はまさに"社会不適合者"ではないかと考えていました。

そして、自分が男であったことも大きなプレッシャーでした。私が子どもの頃は今のようにジェンダー平等ではなく、「男性はバリバリ社会で働き、女性は結婚して子育て」という考えが当たり前の認識でした。

(自分が女性で可愛かったら喋れなくても結婚して養ってもらえただろうか……)

(男はこれから限りない数の自己紹介、面接、就職、いろんな方と挨拶……そんなのできるわけない!)

これから先の人生を想像するだけで身のすくむような思いをし、自分の名前も言えない不甲斐なさに絶望しながら少年時代を過ごします。そして中学生の頃にはこの先の人生を憂い、自ら命を絶とうとしたこともありました………。

吃音で悩んでいるあなたへ

地獄のような毎日を過ごしてきた私ですが、現在はシステムエンジニアとしてIT系の会社でサラリーマンをしております。仕事で電話の応対をしたり、お客様と打ち合わせをしたり、大勢のお客様の前でプレゼンテーションをしています。

人前で話すことに抵抗がなくなり、多くの方に信頼していただけていると感じています。そして自分の作ったシステムが、少しでも社会の役に立っていると思うと自分の事が誇りに思えます。

またある時には結婚式のスピーチを頼まれ、大規模な結婚式会場で5分以上喋った事もあります。友の為に喜んで請け負い、会場が温かい空気になるよう一生懸命文章を考えました。「いいスピーチだったよ!」と知らない方から褒められたことも私の誇りです。

そして私にも、"妻と子ども"という、何よりも大切なものが出来ました。家族の為ならどんなに苦しくても生きていく意味はある、そう思えるのです。今では自分が「吃音者」だという事すらも忘れて、仕事に育児にと日々を忙しく生きています。

そんな私が、今吃音で悩むあなたに伝えたいこと、それは"吃音症は必ず治せる"ということです。(自分はずっと人から笑われて、何も言えない人生を過ごすんだ……)なんて絶対に思わないでください。

ここでひとつ、たとえ話をさせてください。あなたはいきなり山奥の峡谷に連れていかれ、とんでもない高さに掛かっている橋の上にいます。身体に金具を付けられ、今から下の川に向かって飛び降りろ!と言われます。そう、バンジージャンプです。あなたは即座に飛べるでしょうか?

いきなりのバンジージャンプに、「はい、わかりました」と何のためらいもなくスッと飛び降りる事が出来る人は滅多にいないと思います。大抵の人は足がすくみ、恐る恐る下を見てその高さに肝が冷え、なかなか踏ん切りがつかず、そう簡単には飛べないはずです。

人間は身の危険を感じた時、自分を守るように防衛本能が働くと言われています。バンジージャンプで足がすくんだり腰が抜けたりするのは、恐怖を回避しようと脳が身体に恐怖を回避するよう命令を出しているからです。

そして吃音は、この高所恐怖症と同じようなものと思ってください。(自分が喋ったら笑われる……)、(変な人と思われて嫌われる……)などの恐怖が、あなたから声を奪っているのです。

バンジージャンプやジェットコースターが大の苦手の友人が、1度や2度の体験を経て、気が付いたら絶叫系が大好きな友人に変わっていた、というケースをこれまで何度も見てきました。これはまさに高所恐怖症が治ったケースと言えるでしょう。……ということは、同じように吃音も克服できると思いませんか?

<吃音を治す>というのは"流暢にペラペラと喋れるようにする"という安易なものではありません。吃音者にしか分からない、常につきまとう心の不安を取り除き、日々の苦しみから解き放たれ、あなたの人生において吃音から解放されること、吃音を気にせず暮らす日々を迎えるが一番大切なのです。

このnoteを書こうと思ったのはつい先日、「そういえば吃音の事、しばらく忘れていたな……」とふと思い、いつの間にかみんなと同じように社会の中で働いている自分に気付き、吃音が治っている・克服した事を改めて認識した為です。

小学生時代の私と同じように毎日吃音に悩み、なにか治す方法はないか、と治し方を探している方の力になりたいと思い、今回筆をとりました。

このnoteでは、実際に吃音を克服した私の半生を赤裸々に語りながら、長年模索した結果に辿り着いた<吃音の治し方>を全てお伝えします。

また、このnoteは"身近に吃音者がいる"という非吃音者の方にも是非読んで欲しいと思っています。"声は出るのに自分の意思が上手く伝えられない"という葛藤や苦しみは想像以上に大きく、周囲の反応や声掛けが、時に吃音者の心に深く大きな傷として刻み込まれてしまいます。

普通に話せる方からすると、「落ち着いて喋ればいいんだよ」と思うだけかもしれませんが、吃音者は喋る事に大きなプレッシャーや過大なストレスを感じており、頭では分かっていても落ち着いて喋る事ができないのです。

仕事、コンビニで店員さんとのやりとり、外食時の注文など、日常生活は喋ることだらけです。吃音者は常に喋ることに不安を抱えて生きているのです。

吃音者は、心の苦しみを事細かに伝えたくても言葉では上手く伝えられません。吃音者のはがゆい思いを少しでもご理解頂き、もしも周りに吃音者がいる場合は是非とも他の人と同じように普通に接してあげて欲しいのです。

吃音者がゆっくり喋るのをじっと聞いてあげてください。どうしても言葉が出ない場合は文字でやりとりしても構いません。どうかそっと、優しく寄り添ってあげてください。

そして苦しんでいる吃音者の方に「こんな人もいるんだよ」と、私のことを伝えて欲しいのです。

有料記事について

このnoteでは、私の人生を全てさらけ出しています。

私は子どもの頃から、冒頭で述べた【連発性】・【伸発性】・【難発性】という全ての要素を持つ吃音者でした。そんな私がどうやって生き抜き、どうやって吃音を治したのか、このnote1冊で全てお伝えしています。

私のプライベートな情報やデリケートでショッキングな出来事など、知る人が見れば個人が特定できてしまう描写も多数あります。私も全てを無料公開するのは怖く、個人が特定されるリスクがありますので、有料記事に関しましてはどうかご理解いただくようお願い申し上げます。

また、この価格は少々高いかと思いますが、冷やかしなどの方を省く為に高めの設定にしておりますのでどうかご理解ください。私が体験した吃音の治し方は、きっとあなたの力になれると信じています。楽しい人生に変えていきましょう。

有料記事では以下について記しております。

  • 私が吃音になった原因

  • 吃音と共に歩んだ半生

  • 吃音の治し方とは

  • 吃音を治す為の5つの方法

  • 吃音に苦しむあなたへ贈るメッセージ

"私がなぜ吃音者になったのか……"その原因を探りながら、私が吃音者として生きた激動の半生を振り返ります。吃音で悩んでいる方にとっては少々辛い描写もあるかと思いますが、吃音を治す為の第一歩として是非ご一読ください。

そして吃音と生きる日々の中、私が生き抜く為に生み出した[吃音を治す為の5つの方法]をお伝えします。この方法を使えば、きっとスラスラと口から言葉が出てくるようになるはずです。

他の吃音者の方にお会いし、何度もディスカッションを交わした事がありますが、どの方法も即時性のある効果を体感して頂けるものかと思います。

それでは、このnoteが吃音症で悩む方達の苦しみを少しでも和らげる事が出来ると信じて……。

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