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PR TIMES(東1/3922) 2022/2 Q2決算精査

 PR TIMESが22/2期Q2決算を開示しました。決算精査、といえるほどのものではありませんが、株主として定点観測の意味合いからも記事にするまでもない決算確認を記事にしていきたいと思います。なお、記載にあたっては意図せず誤認している可能性があります。あくまで個人的な考察に基づき記載をしておりますので、その点ご了承いただきたいのと、もし優しい方がおられましたら以下ツイッター画像よりDMなどでご指摘頂けますと嬉しく思います。

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 前回のQ1決算の記事を再掲しておきます。

 決算概況は決算説明資料に整理されています。同社は2月期ですので、Q2は6-8月期ということになり、都市圏でも蔓延防止等措置や緊急事態宣言の発出等もあり厳しい外部環境ではありましたが、堅調な事業運営となっています。Q1は前年がコロナ初動だった事もあり伸長率は大きかったですが、Q2では前年の回復が早く射点も相対的に高かったこともあり、伸長率という意味ではQ1に比べてマイルドにはなっています。とはいえ、利益率の向上が特に強く出ており、業績予想の上期予想を超えての上期着地となっています。

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 もう少し細かい手打ちデータです。

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 主力のプレスリリースに絡む所ですと、利用者数はもちろん、新規利用企業数も一時的に鈍化していたところから更に加速基調に回帰しているようです。多くの企業に利用されるシーンもより多く散見される中で、引き続き新規をこれだけ伸ばし、そして累計も積み上がっている所をみるとリピートも含めて問題ない推移のように思えます。
 1社平均のリリース件数は定額/従量の状況にもよりますが、安定した推移になっています。活用シーンに取り立てて変化もみられないといえそうです。

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 今回から販管費の内訳を開示してくれるようになりました。これはとてもいいですね。今後も定点観測を続けていくようです。この中でも特にR&D投資の状況は今後の中長期的な種まきとなる要素になるものですからここが注目だと思います。
 来期より売上比率で各セグメントを計測していくということで、売上伸長とR&D投資がスパイラルしながら増加していく事で良き還流が生まれていくといいなと思います。ただ、実態としてはR&Dというくらいなので、それが売上に寄与するリードタイムはまちまちだったり、一種の無駄があってこそイノベーティブな創造ができるという意味合いもありますから、あまりその時々の断面でR&D比率が落ちるから調整しながら運営というよりは、財務(キャッシュフロー)をみながら、機動的な対応を期待したい所です。
 社員の皆さんがチャレンジングで失敗を恐れずにR&Dに取り組んでいる一方で、我々投資家がその営みをその時々の断面をみて比率を取り上げてけしからんとかいうのは憚られます。もちろん、結果に繋がって欲しいとは思うので、何でも自由にやっていいよという緩く牽制無しみたいなのもよくないとは思いますけどね。
 ちなみにこの図の比率は現状では販管費の内訳比率を示していて、売上比率ではないですね。売上比率でみるのは来年度からということです。ちょっと紛らわしいですね(笑)。

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 広告宣伝費の状況です。毎年Q4で大きな投資をしているのは、業績予想の達成も見えてきたタイミングである程度自由度をもって投下したいという意図かと思います。今期も上期で1億程度は上振れしてきていますからね。今のうちによき投資投下のやり方を見出して効果的に攻めていって欲しいなと期待しています。個人的には業績予想の上方修正などのサプライズは要らないので、その分をぜひ積極的な投資あるいは社員さんに還元していただきたいなと思います。

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 2期前との比較も掲載されています。この辺りはうまくIRしているなという気がします。Q1に対して伸長率が落ちてるじゃないか、けしからん、みたいな声(なんだ、その声(笑))に配慮したものでしょう。また下期は前期の伸長が高位である事からYoYの伸長が相対的に低位になる事も見越したIRコミュニケーションなのかなと思います。っていってもそれでも3割弱の伸長を見せているので低位なんていったら失礼ですからね。毎期3割伸長させる事の難しさは計り知れないです。

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 進捗率の説明です。これは会社側は説明したいと思っているんでしょうかね。下期、特にQ4はプレスリリースが営業日の兼ね合いで落ち込むことで四半期単位ではやや落ちるわけですし、利益ベースでは前述の通り、業績予想見合いでQ4に大きめの販促支出をする傾向にもあります。ですので、進捗率の説明って投資家側がワイワイいうから、って側面もあるのかなと思いました。「上期予想を達成し堅調な事業状況。下期も継続して取り組み業績予想の達成と機動的な中長期投資を展開していきます」くらいでいいんじゃないですかね。むしろ、上振れした上期実績を踏まえて、下期の投資戦略あたりはぜひ質問をしたかったのですが、今回は個人は質問出来ずですからね・・・。

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 それで、将来の金のなる木になるはずのJootoとTayoriですね。

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 いずれも有料アカウントをKPIに据えて開示をされ始めたわけですが、伸びてますが、圧倒的に2025に向けた次元からみると引き続き課題山積といった所だと思います。もちろん無策ではなく、クラウドシフトに向けた対応、社内の体制構築整備などを進めているようです。以前にはまだこの目標に向けたブレークスルーは見定まっていないということでした。時間はまだありますし、現場の方々も情報発信を含めて工夫されていますから頑張ってもらいたいなと思っています。

 BSについてもみておきます。現金が増えています。この中で一括払いが増加ってのが面白いですね。長期契約が増えていたり、都度払いの事務軽減のため、特に大手ではこういった一括払いニーズが多いものと理解しており、恐らく顧客基盤としてより大手が参画してきているとか、長期契約者が増えているということの現れではないかと思いました。この辺りの背景についても質問したかったですね。普通はキャッシュフローの面からも中小、中堅では前払い等あまり選択しないでしょうし、信頼力が高まっていること所以でもあるのかなと思いますからツッコミたい所です。

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 続いて、取締役人事についても開示がありました。

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 まず、戸崎さんが辞任され、新たにソニーでキャリアを積まれた小澤さんが社外取締役として就任予定とのことです。戸崎さんの辞任は今月末、小澤さんの就任は来年の株主総会の決議を受けてということで、社外取締役の員数の要件を満たしていくということのようです。
 これは12月までに提示する計画書絡みの動きでもあるようにみえますし、この要件充足という要素が戸崎さんが辞任して比率を上げ、更に具体的な就任予定を掲げることで信任を受けるというような意図を感じます。いい悪いの話ではないですし、プライム云々抜きにしてそういう時期だったし、たまたま重なっただけだとも思えますからね。小澤さんには今後、よき会社になるよういい風をどんどん送り込んでいって欲しいなと思います。

 JPX中小型銘柄選定についても言及がありました。中期的にはJPX日経インデックス400選定を目指すってありますね。おおっ、って思いつつ形式要件なんだっけ、と思ったら特に閾値があるわけではないのですね。点数化して充足していけばいけるんですね。実際現状でも時価総額400億円台でも選定されている会社もあるようですし、同社も時価総額でもいけるんですね。ROE等の指標を継続的に高めていってこういった側面でも評価してもらえると嬉しいですね。

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 地域との提携状況です。本日も静岡新聞/静岡放との提携を発表しています。地方での情報発信ニーズは根強いものがあると認識しており、多くの地銀、地方メディアがPR TIMESというプラットフォームの活用に期待を寄せているものと思います。一方で地銀/信金等金融機関では縄張り意識がある事も事実で、同一エリア内で同一プラットフォームが介入しにくいというのが通例です。しかし例えば勘定系システム、窓販システム等営業に直結するような仕組みにおいてはそういうものが存在する一方で、トータルで地元力を向上させるという意味で、被ることへの障壁マインドは低いのではないかとも思います。

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 アナリストからの質問では海外機関投資家とのコミュニケーションや英字開示の対応についての質問などがありました。海外機関投資家との面談機会は増えているが具体的言及はなし(相手方がある話なので当然ですね)です。英字開示は今回から同時開示になっており充実化が図られていますね。米国ではプレスリリースは大手3社の寡占状態にあることもあり、むしろ成熟とみられていそうですから、だいぶ景色が違う所を理解してもらう所からなのかなと感じました。

 今回は個人投資家向けのQA 会は割愛されました。毎回長い時間、限られた人数の中で対応頂くにはあまりに非効率的ですから止む得ないですね。せめて期末の時など大きな区切りの時にはまたお時間を作って企画される事を期待したいです。

 最後に社長のツイートがとても印象に残りました(勝手に転載してしまいました…)。そもそもこれだけの高成長を持続されている事自体が「普通」ではないのですが、投資家は勝手に期待し、勝手に失望するのが常ですが、社員はもちろん、経営側も苦労しながら出されている結果ですし、我々は託している立場なので、期待は大きくしつつもサプライズばかりを求めるのではなく、一歩一歩を共に歩いていく(ような心持ち)で寄り添っていかねばならないなと私は感じておりそれを改めて自覚しました。

 頑張れ、PR TIMES!

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