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寿司屋巡り#12紀尾井町三谷

紀尾井町の鮨屋「紀尾井町 三谷」へ訪問した。

永田町駅から約134m、東京ガーデンテラス紀尾井町の3階に位置する。

店舗外観

食べログ百名店2019〜2023年までブロンズを獲得している予約困難店。予約はやや困難だが、取れる範囲。本日時点で食べログ3.94。客席は、カウンター13席と6名まで利用可能な個室がある。茶室を連想させる造りで、カウンター席は金色、個室は銀色を基調に構成。カウンターには樹齢750年の台湾ヒノキの一枚板、椅子は日本屈指の家具職人が手がけているとのこと。
鮨とワインのマリアージュの先駆者として知られている「三谷」だが、紀尾井町三谷でも料理に合わせたワインや日本酒をおすすめしてくれる。説明も丁寧にして頂ける。お店の雰囲気もよくデート向きでもある。

最初のセットはこんな感じ。

まずは、料理に合わせた日本酒を頂く。 

【加茂金秀】
広島の日本酒だ。八反錦という酒米を使っている。
ボリュームを抑えた飲み心地だ。
低アルコールで飲みやすく、最初の一杯にふさわしい。

【白子とうに】
ゴマフグの白子に質感がなめらかなウニを乗せている。スプーンで底から掬い上げるように食べる。
ポタージュスープのような旨味がある。1時間炊いてうらごしなめらかな仕上がりにしているとのこと。
時期的には終わりが近づいている。

【さわらとハマグリのスープ】
三重県伊勢志摩のさわら。塩じめをして皮を焼いて中はレア感を残している。ハマグリの濃厚な出汁が春を意識させる。白濁濃いスープは味が濃い証拠。とても濃厚で美味しすぎる。昆布出汁ではまぐりをボイルしているとのこと。

【車エビの揚げ】
山口県産。濃厚なエビ味噌と合わせて食べる。
中はレア感を残して、食感をよくしている。周りは火を入れ甘さを意識。火を入れた方が甘さが出る。200度の米油の中に10秒通す程度の仕上げとしているとのこと。

【メジマグロ】
石川県産(今の時期だと京都舞鶴や長崎から、いい魚のみを仕入れる)春本マグロの子供だ。20kg級の小さめの個体。
切って漬けにして、身は火の伝わりだけで仕上げているため中はレアになっている。一味をつけながら食べる。

【ささにごり一白水成】
秋田県産の日本酒。甘味があり濃厚な料理とのマリアージュに最適。次の料理に合わせたチョイスをしてもらえた。

【黒ムツのあげと縞鯵のなめろう】
縞鯵のなめろうはチーズのような濃厚な味わい。海苔を切って巻いて食べる。美味しすぎる。なめろうと日本酒ささにごりがとてもよく合う。

紀尾井町三谷さんの海苔へのこだわりを聞いた。
今回は千葉県産の海苔を使っている。これは香りを重視しているとのこと。味わいと香りのある佐賀県産の海苔も良いが、今年は取れないとのこと。
宮城県産の海苔もいいがサンプルもらえなかったので採用に至らなかった。その年毎に海苔のサンプルをもらっていいものを使う。今年は去年同様としたとのこと。

【ホタルイカの焼きご飯とからすみすあげ】
シャリを潰してカリカリに仕上げている。とても美味しい。肝の内臓の苦味のみの味付けとしている。

【一白水成 袋吊り】
秋田県産の日本酒。柔らかく丸みがある味わいでとてもフルーティ。

【あん肝のクリームコロッケ】
裏ごししたあん肝を衣で香ばしく仕上げた。
塩で頂く。とても美味しい。

断面を確認

ここから握りに入る。
1番良い状態で届けたいとの想いから、握りはすべて手渡しというのが紀尾井町三谷のポリシー。
ガリはサイコロ状のものではなく薄く切られたものだ。

【たいの昆布締め】
淡路島産。酢飯は酢が弱いと感じた。魚は弾力があり、口当たりが良い。昆布の香りと旨味を感じる。

【しろいか】
山口県産。硬い筋だけ細かく切って食べやすくなっている。

【マグロ漬け】
厚みをつけて切ってる。五分間漬けた仕上げ。
質感のあるところが厳選されており、美味しい。

【大トロの炙り】
アイルランド産200kg級の本マグロ。軽く炙りを入れている。マグロの仕入れは国産に限定しないとのことだが、やや疑問を感じる。

【イワシ】
石川県産。かなり大きい個体とのこと。塩と酢締めてから骨を抜き炙ると温めるの間の仕事でレア感を保つ。トロみのあるトロイワシと言ってもいいくらいだ。イワシの脂を締めて甘みを持たせている。
めちゃくちゃ美味しい今日の優勝。身のいいところを厳選しており、脂がすごい。旬は梅雨なのにすでに旬のようないわしだ。

【煮ハマグリ】
茨城県鹿嶋産。タレが絶妙で煮ハマグリならではの食感を堪能。

【ノドグロの炙り】
先ほどのクロムツの揚げとは違い、こちらは赤ムツ。脂のノリが良く美味しい。

【中トロの巻物】
ノリの香りがとても良い。香りを嗅いでから食べた方がいいな。

【玉】
しゃも(戦う鳥)のたまご。ゆっくり30分かけて焼く。甘いだし巻き系の玉。プリンのイメージに近い。

【タイのスープ】
マダイ、骨と頭と昆布だし。生ノリと一緒にタイと磯の香りがほどよく混ざるいい香りでタイのいい味が出ている。アラが溜まっている時のみ出せる一品とのこと。毎回出せない。タイがいい時期になっていたのでとても美味しい。

【かんぴょう巻、すけろく巻き】
最後の締めの握りだ。かんぴょう巻きに合う揚げが美味しい。
お腹いっぱいで追加が無くてもちょうど良い。

【完熟南高梅のシロップづけ】
最後のデザートでお口直し。

紀尾井町三谷は酢飯も独特で、赤酢をベースに熟成具合の違うお酢をブレンド。熟成年数が違う酒粕を3種類使用した赤酢と玄米黒酢、塩、砂糖を合わせている。
ネタによって酢の利き方が変わったように感じるユニークな酢飯。ネタの素材感を引き立たせる主張しない酢飯だ。酢が強いと最後に舌が痺れるけど弱すぎてもダメだし、難しい。最後の方は酢が効いてきたようにも感じるので、最初は物足りない印象が否めないが、全体で見るとちょうどいい塩梅なのか。
お米は新潟と秋田をよく使うとのこと。あきたこまちの後継米の「しんのすけ」を使っている。

次回の予約は約半年待ち。7月にまた予約を取った。1週間前に確認の電話がくる。2日前からキャンセル料35000円を取られる。

おしゃべりな大将で色々教えてくれて面白い。少しずつ種類豊富に日本酒を提供してくれるのも良い。

12時スタートで14時半に食べ終わり14時45分に店を出た。後ろの時間に余裕を持って訪れたい。

エアプじゃないよ。

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