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オンライン・ファシリテーションの3層構造(6/27追記)

元記事「zoom、remo、そして、対話。 (メモ20個)
[6/27] 追記1:オンラインとリアルの密度の差、参考リンク

はじめに

オンラインでの「ミーティング」「講座」「イベント」などが、当たり前になりつつある中で、オンラインの場に「参加する」から「設計する」へ、役割が変わってきた人を多く見るようになりました。

そんな時に、ツールやコンテンツも、もちろん重要なのですが、そもそも「オンラインでのファシリテーションの構造」を知っておくことで、「わたしの現場」で起きる「どうしたらいいか分からなかい難題」を「なんとかしてみようと思える課題」くらいに、変換できるのではないか、と思って、このnoteを書いています。

参考になれば幸いです!

目次
はじめに
オンライン・ファシリテーションの3層構造
 - 第1層「基礎的なITスキル」
 - 第2層「ファシリテーションの力量」
 - 第3層「ファシリテーションを活かすITスキル」
リアルとオンラインは情報の密度に差がある(6/27追記) 


オンライン・ファシリテーションの3層構造   

第1層「基礎的なITスキル」


まず「基本的なITスキル」が必要なのは、いわずもがな。パソコンが操作できる、wi-fi環境がある、アカウントっていう言葉を知っているとか。当たり前のようだけど、実はここで躓く人も多いんですよね。こういうところから丁寧に共有できるかが、オンラインの最初の一歩。

ファシリテーターは、いきなりプログラムを考えるのではなく、参加者の状況を事前に把握し、「制約条件」をきちんと洗い出しておくことが大事です。その上で、対処できることはするし、できないことは「場の設え(しつらえ)」として設計に組み込む、という流れになります。

第2層「ファシリテーションの力量」


次はリアルな場における「ファシリテーションの力量」。「オンラインだと相手のリアクションが見えなくて話しづらい」「お互いの意識が共有できないからオンラインは難しい」なんて言葉を聞いたりもしましたが「そもそもリアルな場でうまくいっていたのか?」というのが問われる部分ですね。(問われてYESといえる人はどれだけいるだろう笑)
   
話し合いの進め方なんて学校で習わないわけですから、知識や経験がないとうまく進まないのは当たり前。リアルやオンラインに関わらず「マインド(考え方)」と「スキル(やり方)」を身につけることで、主体性を引き出したり、創造的なアイデアを生み出したり、質の高い合意形成を実現したり、できるわけです。
    
とはいえ、ファシリテーションはとても専門的なものというよりも、誰でもトレーニングで身につけれる部分が多いのも事実(実体験)。1人で学ぶというよりも、一緒に学ぶ仲間がいること、これがトレーニングをする上で大事なポイントだと、個人的には思っています。

参考
ワークショップとファシリテーションAtoZ
https://note.com/nakawaki/m/mb3d42557358d
タイトルの通り、中脇健二さんが、ワークショップとファシリテーションについて、23つのnoteに分けてまとめられています。かつ、すべて無料公開中(いつか閉じるんちゃうかな?本かけそうだもの笑)

第3層「ファシリテーションを活かすITスキル」   

最後に「ファシリテーションを活かすITスキル」。これが今、最前線で動いている人たちの知見ですね。
   
基本的なITスキルはあって、ファシリテーションの力量もある程度あると。あとは、それをフルオンライン(完全リモート)、かつ、熟達度が多様な人たちがいる中で、いかに精度を高めていけるのか。
   
まさにこの瞬間も、世界中の人達たちが実験しまくっているところですね。そして、ここで「新たなITスキル」が求められているわけです。
    
勘違いしてほしくないのは、ここでいう「ITスキル」は、新しいオンラインツールやその操作方法に精通しているという意味だけではなく(それは一部)、それらを「ファシリテーションの考え方をベースにしながらアレンジできるのか」という意味だということ。
    
たとえば、オンラインの常識である「画面表示」を意図的に「全員OFF」にすることで、お互いの声に集中する環境をつくったり、本音を言いやすい雰囲気をつくったりすることも、ファシリテーションを活かすITスキルだといえます。

参考
会員制オンライン酒場「まっくら屋」
https://www.facebook.com/events/178390090092242/

まとめ


・基本的なIT操作ができて
・ファシリテーションの基礎的な考えとやり方を知って
・それを活かすためのオンラインツールの使い方を学ぶ

ことが、オンラインにおけるファシリテーションの構造を活かした場の設計になると思います。


じゃぁ、どうやってこの3層構造を学ぶのか。この辺りは正直、習うより慣れろ、という言葉がぴったりだと思っています。かつ、飛び込んでみたいと思える学びの機会に出会えているか、つまり、「タイミングが来ているのか」ということも大事なところですね。


リアルとオンラインは情報の密度に差がある(6/27追記)

たとえば、リアルな場だと、事前の仕込みや情報共有にあまり時間をかけない場が多いです。理由としては2つ。1つは「時間がないから」。もう1つは「当日に補えてしまうから」

「時間がない」
そもそも時間なくて事前の情報共有を最小限にすることはよくあることです。OSTなどの「本人の超主体性が求められる場」以外では、事前の仕込みは最小限にしつつ、あとは当日よろしく、というのが一般的だと思います。ただ、オンライン化して、少なくとも通勤時間がなくなっているのだから、そこにかける時間は確保できるのではないか、というのが、まるもの私見です(在宅ならではの業務も増えたりするけど笑)

「当日に補えてしまう」
今回話したいのはこちらの方で、リアルな場の方が、オンラインの場に比べて、伝えられる情報の密度が高いという特徴があります。たとえば、その場の目的や流れ、大事にしたいことなども、15分もあれば、割としっかり伝えることができます。その場の雰囲気や反応をみて、言葉を足したり、確認したりすることができますし、なにより参加者全員で「聞くモード」をつくれるのがリアルの強みだと思います。(自分だけ内職とかできないですよね。嫌でも聞くしかない)

一方で、オンラインではリアルに比べると伝える手段が限られていて、かつ、リアルよりも時間がかかるため「あとは当日よろしく」だと「伝えたつもり」になっていたり、予想以上に時間がかかったりしてしまいます。

そのため、ファシリテーターは「いかに当日までに情報共有や関係づくりをはじめておけるか」が大事になります。

たとえば、まるもは「Messengerグループ」を事前につくります。そこでやりとりをすることで、必要な情報を共有できることはもちろん、興味関心を確認したり、不安や疑問を解消したりすることができます。また、それを通して、同じグループ内にいるメンバー同士の基本的な信頼関係を構築していくこともできちゃいます。さらに、当日に必ず起きるトラブル(ログインできない、wifi不安定、遅れそう、などなど)に、リアルタイムで対応できる準備もできちゃいます。

(オンラインの「場のデザイン」における「共有 → 構築 → 対応 モデル(仮)」)

こうやって始まる前から場づくりをすることは、オンラインならではの強みであり、以前にも増してファシリテーターに求められる役割だと思います。

まとめ

オンラインのファシリテーターには
・オンラインはオフラインよりも
・情報の密度が低いので
・はじまるまでに密度の高い場にしていく

ということが大事ですよ、というお話でした!


今後のお知らせ

[ 7/4,7/11 ]
第2期オンライン・ファシリテーション実践講座 -オンラインでも変わらない、関係性づくりと共創を育む対話とは-
https://www.facebook.com/events/205125083948173/

オンラインファシリテーションの基礎から実践まで、一気に学ぶ2日間。

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【こんな人におすすめ】
・対話の場やコミュニティを実際に運営されている方
・地域・学校・組織などでオンラインでの場づくりをされている方
・オンラインの話し合いや会議で、悩みや課題を抱えている方
・場づくりにおいて完璧をもとめがちな方
・自分の場づくりにどこか自信がなく、見つめ直したい方
・地方に住んでいて、普段は学びの場に出てきにくい方
・本音で語れる仲間がほしい方 など
※ファシリテーター初心者の方でも参加可能です!

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