見出し画像

「ポコラの冒険 黒い森のひみつ」11

「森の入り口」

イグニ・アクニ・テライ・シルフの4人は「森の入り口」の前に立っていた。
4人の心の中は「こわさ・期待・挑戦したい気持ち・行きたくない気持ちなど
いろんな気持ちがいっぱいで、中々言葉になりませんでした。

テライ
「さぁ〜ここが森の入り口だよ。」とだけいうのが精一杯でした。
イグニ
「よし!みんな!行こう!」
シルフとアクニは声もなく頷きました。

その時です「おーい!」後ろから呼びかける声を聞いて、
4人が振り向くとレイブンが近づいてきました。

イグニたち4人は身構えました。
「なんの用だ!レイブン!」

レイブン
「まぁ〜まぁ〜そんなに怖がらないでよ〜。本当はいい人なんだから」

レイブンの言葉を聞いてイグニは叫びました

「ドモラの時は僕たちを騙そうとしたじゃないか!」

アクニ
「そうよ!なんか悪い水を飲まそうとしたわ!」

レイブン
「まぁ〜まぁ〜そう言わずに〜終わったことは水に流してさぁ〜あっなんか今上手いこと言った?」

イグニとアクニはレイブンの言い方に腹を立ててしまいましたが、
シルフはそんなレイブンをジーっとみていて思いました。
「なんか心配事があるみたいだな・・・この人にも心配することがあるんだな・・・」と思いました。

シルフはレイブンに向かって静かにこう言いました。
「ねぇ、レイブンなんかあるんだろ?なんか心配事があるんじゃない?
だから僕たちを追いかけてきたんでしょ?」

レイブンは驚いた顔をしましたが、すぐに真面目な顔になりました。

「そうだよ、今4つの国に起こりかけている事にまだ多くのポコラが気がついていないけど
確実に森が変わっているんだ、森が変わっていくという事は、森のエネルギーが変わってしまうという事だろ?ということは?ポコラたちの音楽も変わってしまうって事なんだ。
その音楽が変わってしまったら・・・今あるみんなの生活が変わるって事なんだぜ。
大変じゃないか!そうなったらとんでもないことになるんだ。だから追いかけて来たんだよ!」

イグニ
「でもどうして、レイブンが心配してくれるの?だってレイブンは・・・
ええっとレイブンって悪い人だよね?ん?」

アクニ
「確かに!レイブンがどんな人なのか私たち知らなかった!あなたは一体何者なの?」

レイブン
「あ〜俺は魔人と言われているよ、でも悪者ではないな〜ただちょっと困っている人がいると
助けるよりは、余計に困らせたり、歌を忘れた神アムネンの手伝いをしたりってだけだよ」

イグニ
「あっ!その人じゃないか!ドモラで4つの国を襲わせたのは!アムネンじゃないか!
そんな人と一緒にいるんだから、やっぱり悪い人じゃないか!」

テライ
「ねぇ、レイブン、何か知っている事があるのなら、森へ入る前に全部話して欲しいんだ。
僕たちは、何を探せば良いのかわからないし、何が起こっているのかもわからないのに
森へ入るんだよ。レイブンは森が変わっていると言ったね?どうして変わっているのか?
どうすればそれを止めるが出来るのかを、きちんと話して欲しいんだ」

レイブン
「あぁ〜そうだな・・・だが、その、色々やっかいなところもあってな、そして話せばすご〜〜く長くなる
きっと3日間はかかるよ、だから、話をしながら、一緒に森へ入るのはどう?」

テライ
「今、話せるだけの事を少しでも良いから話して!」

静かに訴えたテライの声に、レイブンはちょっと驚きました。しばらく考えてレイブンは話し始めました。

「じゃぁ。簡単にいうぞ、ポコランたちから聞いたかもしれないが、昔、謎の病気が4つの国を襲った事があった・・・どんな薬でも治らず、ポコラたちから音楽が消えてしまったんだ、この世界がもうすぐ終わってしまうという時・・・一人の勇気のある者が、森と取引をしたんだ・・・森というより森に住んでいる悪い妖精とだ。自分の大切にしているものと引き換えに、謎の病気を消えてなくならせるという取引だった。
おかげで、「謎の病気」は消えたんだ、悪い妖精はみんなの記憶を消してしまったんだ・・・まぁ〜ポコランや魔人の記憶は消せないがね。今回の事は多分・・・その話が関係していると思うよ。」

テライ
「その話って「謎の病気」のこと? レイブンはその勇気のある人を知っているの?」

レイブン
「まぁ〜な、だが今は言えない。俺も確かめたいことがあるんだ。だから、今はダメだ」

シルフ
「納得したわけではないけど、レイブンが全部話をしてくれるのを待つ時間もないよ!
一刻も早く森へ入ってみようよ」

イグニ
「そうだね、僕もそれが良いと思う。レイブン、僕たちと一緒に行こう!まだまだ話を聞きたいことがいっぱいあるからね」

レイブン
「もちろんさ!俺も自分一人で解決できると思うは思っていないよ。」

アクニ
「さぁ〜それでは森へ入りましょう!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?