まるめる

母にはならず。妻にもならず。透明なおばさんになりました。

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最近の記事

深淵をうっかり覗く

緩やかに生活を積み上げていけばきっと未来は明るいと思えていたのに。40代になり、底が抜けた気がしてならない。 気がつけば経験値から編み出したチートで効率良く仕事を進めることはできるものの、今の仕事は生活をするために流れ着いた故、モチベーション維持が難しい。30代までは有効だった嫉妬心で薪をくべるのもしんどくなってしまった。 好きでずっとやっていたかった仕事は今や業界まるごと地獄の様相。離れてよかったと思えてしまうのも辛い。戻る場所なんかない。 世間のちゃんとしてる人たち

    • 森のターシャ

      魔女になりたいと昔から思っている。西の魔女になりたいと常々友人知人に話をしている。結構本気。 昔ばなしに出てくる山姥は、なんらかの事情があって世間から距離おいて生きている女性ではないかと思っていて、私はそうなる気がしていて、実際そうなりつつある。 あえて加害するつもりはないが、視界に入らないようにあえて山奥で生きているのに、故意に侵食されたらそれなりの対応をして近づかないようにするのは生きるための知恵ではないかと。 先日鉄割の公演「うぬ」を観に行った。新演目が多くて新鮮

      • キングダム(Netflix)

        アジア版ゲーム・オブ・スローンズみたい!韓国のコンテンツ力! (日本版Netflixでもゴリゴリの時代もの撮って欲しい) ゲーム・オブ・スローンズは女がひどい目にあって、それでも戦って立ち上がっていく物語がすごく好きなところなんだけれと、そういう意味ではシーズン2への期待が膨らみまくるシーズン1。あっという間。 王妃のビジュアルすごく良い。まだ若いあの王妃はサーセイみたいになっていくのか? 世子はジョン・スノウよりはしっかりしてる。

        • マイノリティはだいたい主人公にやさしい

          13の理由のシーズン3は最初の考えつくされた展開の良さはどこへ? セックス・ドラック・殺人事件! 記号化された登場人物に漂うビバヒル感。もしかしてこれもマーケティングによる中年向けの戦略でしょうか? 学園ドラマの主要キャラはだいたい同じ。 A:文化資本高めで真面目なオタク寄りの“普通な僕”(主人公) B:親子関係が破綻して倫理観がやばい体育会系。(親は超金持ちかゴミ) C:自尊心低めチアガールと帰宅部女子(美人なのに僕に話しかける) D:捨てられた仔犬のような瞳

          「人間まるだし」にして出てきたのもの

          Netflixに鳴り物入りで投下された日本オリジナルコンテンツ「全裸監督」。 「素敵なダイナマイトスキャンダル」と同じく、あの頃はよかったとサブカルおじさん大喜びコンテンツ。時代や世代は変わっても、結局昔のおじさんに憧れる、今のおじさんたちが作ったコンテンツ。 でもあのテーマはマーケティングの結果なのでしょう。実際コンテンツにお金を払う層の中年に刺さりまくってるので、仕事としては正解なのでしょう。 Netflixにはそうではない倫理観に期待してたので、残念。 内容より

          「人間まるだし」にして出てきたのもの

          Okay ladies!

          コーチェラ以来すっかりビヨンセばかり聴いてる。デスチャから知っているし、曲も歴代知っているものの、歌詞の意味までちゃんと理解して無かった。 〝Formation〟は聞いたことはあったけど、ステージは圧倒的だった。断片的に理解できる単語からなんか凄いこと言ってるような…と思い、今更ながら意味を調べた。衝撃だった。 リリースは2016年だけど、日本で話題になった記憶は無い。国内チャートを調べてみると、トリセツや恋ダンスで盛り上がっていた。 改めて、女性シンガーという意味でも国

          神様仏様ビヨンセ様

          コーチェラのビヨンセ、もはや人間の域を越えてた。 世間の求めるものを提供するアイコンではなく「歴史や世界のこれからに責任がある」と言ってとんでもないクオリティーの史上最強のパフォーマンスを今このタイミングで実現させるなんて!こんな人が同じ時代に生きていることにさえ感動している。 アメリカのエンタメの懐の深さよ。 日本のエンタメ、懐浅すぎて安室ちゃん引退しちゃうのかもな。 できることならマヒシュマティ王国かビヨンセの国に奉仕し納税したい。

          神様仏様ビヨンセ様

          東京の生活

          東京に出てきて20年以上経つ。気がつけば本当にやりたい事はうまく仕事にする事が出来なかった。 地元は〝ど〟がつく田舎で、大学進学はおろか地元を離れる人も皆無だった。私の東京の大学に進学したいという願いはまともに取り合っては貰えず、身の程知らずの頭のおかしい人のような扱いだった。 取り合って貰えず現役の時には志望校を受験する事さえも叶わなかった。 思春期かつ自暴自棄の大騒ぎの末に、親が1年だけの条件で予備校に通うため上京させてくれた。親を説得してくれた地元予備校の先生にも

          東京の生活

          空気の外堀

          大人になったら結婚して母になる。そう言われ育った。 子ども頃、それが条件なら大人とはとても辛いんだな…と思っていた。 どんなに好きでも自分以外の人間とずっと一緒は気が休まらず疲れる。 私は全方位に勝手に空気を察し、自分の意思を素直に伝えられず、歩み寄り他者と共生する経験値をうまく積めなかった。その代わりにできたのは他者に対して自分の周囲を取り囲む空気の外堀だった。 傷ついた事を気づかれぬよう勝手に装い勝手に疲弊し、漠然とした怒りのようなものを沈殿させ、ふと向けられた悪

          空気の外堀

          生きている。

          もうすぐ40代になる。 良い意味でも悪い意味でもこうなるとは思ってなかった。 結婚願望は無い。厳密には無くなった。私にはその才能がない。 40年近く生きてきて振り返ってみても人と共存できた経験がほぼない。 友だちは多くはないが居ないわけではない。 恋人が居たときもあった。結婚を想定したこともゼロではない。 両親や兄弟と特別関係が悪いわけではない。 でももうすぐ40代になる私はひとりで生きている。 周りに迷惑をかけないように細心の注意を払いながらひとりで生きてい

          生きている。