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最高に好きなアイテムだけ身につけているのになぜオシャレにならないのだ問題

こんにちは。マルコメです。

「雑誌やお店を見ても何をどう取り入れたらいいのかわからない」という人向けに、ブランドのコレクションや数々の雑誌からピックアップした流行キーワードを、春夏、秋冬に分けて年2回ご紹介しています。

この記事では、末尾に今年の春夏の流行キーワード解説を掲載しているので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。

基本の着こなしや服の探し方については、マガジン「ソコソコ」の過去の記事をぜひご覧ください。

■好きなものだけ着て生きていきたい・・・のに。

10年ほど前、「断捨離」という言葉が人口に膾炙した時、私も例に漏れず大片付けを実施しました。
生活に必須のものを除き、本やCD、洋服は「ときめくもの」だけを手元に残しました。
しかし、衣服は「生活に必要なもの」カテゴリ。ときめくものだけしか持っていないと、組み合わせるものが無くなってしまうのです。
それを理解しないまま勢いに任せて断捨離に手をつけてしまった私は、しばらく着るものに困りました。

お気に入りのクマさん柄Tシャツ。ミモザの模様のワンピース。タイダイ柄の靴下。

それらひとつひとつはお気に入りだけど、全部組み合わせたらとんでもない着こなしになってしまいます。

ただのストレートなデニム。何の変哲もない白Tシャツ。シンプルなスニーカー。

そういった「余白」とも言えるアイテムがないと、コーディネートは完成しないのです。

上に挙げた「とんでもない着こなし」はさすがに極端な例ですが、「お気に入りのアイテムを身につけたのに、全然素敵にならない」という経験をしている人は少なくないのではないでしょうか。

■着こなしは加点方式ではない

自分の経験を元にした偏見なのですが、

オタク、強いもの全部身につけたら強くなると思いがち。

中学生くらいの頃、お気に入りを全身に纏って、気分は最高だけど見た目は最悪だったことを定期的に思い出してはお腹が痛くなります。
衣服やアクセサリーをゲームの装備品のように考え、好きなものをたくさん身につけて強く(おしゃれに)なりたい。でも実際は、組み合わせをよく考えないと着こなしとして完成しないのです。
(最近のゲームは装備の組み合わせについて重量やら属性やら色々考えないといけなかったりしますが、それは置いておいて)

■ファッションオタク以外がおしゃれになるには

ファッションに自信はないけど、自分の好きなものを身につけて「おしゃれだな」と思われたい。そんな人がおしゃれになるには、どうしたらいいのでしょうか。

雑誌やWebのファッション系メディアを眺めていると、スナップされているのは個性的でおしゃれな人が多く、どのアイテムにもこだわりが感じられます。
そんな風に完成させられたらいいのですが、ときめくアイテムだけで着こなしを完成させるには、お金と時間がかかります。
新品からユーズド、ヴィンテージまで、店舗やWebをくまなく探し、「これぞ」というアイテムを、着こなしを完成させられるだけ集めることは、ファッションがかなり好きという人でないと難しいでしょう。
また、個性的なおしゃれは自分のこだわりが表れていてこそ素敵なわけですから、誰かに習って上手になるものでもありません。

ファッションに時間やお金をかけたくない人が効率的におしゃれになりたい場合、まず目指すべきはバランスの取れたおしゃれだと考えます。

■尖る前に丸くなる

自分の個性を出しながらもおしゃれに見えるためには、まず最大公約数の人に「素敵だな」と思ってもらえる着こなしができることが第一歩だと考えます。
そのためには、色合いやサイズ感、流行などのバランスが大切です。
個性を突出させず、レーダーチャートのステータスを円に近づけるイメージを目指すのです。
そして、そのバランスの取れた状態を崩さないように個性をちりばめる。
大学などで特定の分野を修める前に、まず全教科をまんべんなく学ぶ感覚です。

■ステータスをチェックしよう

コーディネートのバランスをチェックするために、コーディネートを見た時に「おしゃれだな」または「惜しいな」と目につきやすい項目を5つ考えてみました。

・サイズ感・シルエット
・色づかい
・TPO
・季節感
・流行


どの項目に重きを置くかは人によって違いますし、流行以外の項目も実は流行によって左右されやすいのですが、セルフチェックとしてはこれらを3点満点(ステキ・普通・微妙の3段階)で評価するのがよいと思います。

ここからは、各項目のチェック基準について簡単に説明していきます。

・サイズ感・シルエット

ステキ:スタイルがよく見える。
普通:大きすぎず、小さすぎず、とりあえず身体に合ってはいる。
微妙:大きすぎたり、小さすぎたりして、身体に合っていない。

・色づかい

ステキ:どの色(またはトーン)をポイントにしたいのかがわかり、その色によってコーディネートがステキに見える。
普通:色づかいがごちゃついていない。まとまり感がある。
微妙:どの色(またはトーン)がポイントなのかわからない。色づかいがごちゃついている。

・TPO

ステキ:浮いておらず、失礼もないが、目を引く。
普通:浮かない。失礼がない。
微妙:時、場所、場合に合っておらず、浮いてしまったり、失礼だったりする。

・季節感

ステキ:季節感を感じさせる素材やアイテムを上手に組み合わせている。
普通:季節に左右されずに着られる素材を組み合わせている。
微妙:素材やアイテム自体が季節に合っておらず、暑すぎたり、寒すぎたりする。

・流行

ステキ:流行のアイテムを組み合わせている。
普通:流行に左右されないアイテムを組み合わせている。
微妙:流行遅れのアイテムが目立っている。

■どれを取るにも流行感

先に述べた通り、流行以外の項目にも流行の要素は必要です。

例えばサイズ感・シルエット。ステキに見えるには、今どんなサイズ感やシルエットが流行っているのか知っている必要があります。
ここ数年はオーバーサイズが流行っていたけれど、この春夏はY2K(2000年代)ファッションのリバイバルで、小さめトップスが流行しています。

しかし、Twitterでアンケートを取ってみたところ、コーディネートをするとき、流行を最重視するという人は少なめでした。(アンケートシステムの都合上、選択肢が4つまでなので「季節感」を選択肢に入れられませんでしたが)
重視している人が少ないということは、サイズ感や色み、TPO、季節感を考える時にも、流行を少し意識するだけで頭ひとつ抜けられるということ。
好きな服を素敵に着こなすために、流行のキーワードを何となくでも知っておくことをおすすめします。

サイズ感:43%、色み:33%、TPO:22%、流行:2%
Twitterアンケート画面より

■流行キーワード解説 2022年春夏版

「いや前シーズンから流行ってるやんけ」というものも含め、「いま」現在進行形で流行っているものをピックアップしました。
男性も女性もお使いいただけます。

実例を知りたい人は、ZOZOTOWNやWEAR、楽天ファッションのwebサイトかアプリを開いてキーワードで検索してみてください。

「キーワードだけわかっても、どういうものを選んで、どう組み合わせたらいいのかわからない」という方は、「服を買いに行く服をコーディネートします」というサービスをやっておりますのでぜひご利用ください。

トップス

クロップドトップス
短め丈のトップス。ショーではローライズと組み合わせてお腹を大胆に出す着こなしが目立ちました。それはさすがにハードルが高いので、大人向けの手頃なショップには丈が短めでもお腹は出ないくらいの丈のものが並ぶのではと予想しています。
大人では、ハイウエストのボトムやワンピースと組み合わせて重心を上に持ってくるのが現実的な着こなしかなと思います。
参考: 

クロシェニット
透かし編みのニット。
シアーニットのように生地自体が透けるのではなく、編み目が大きくて隙間があいている感じ。
いやらしくならないようにインナーをしっかり選んで着る必要があります。
参考: 

ベスト
Tシャツやシャツの上にオーバーサイズのニットベストを重ねて着たり、ビスチェタイプのショート丈のものを合わせてみたり。
お尻が隠れる丈なら体型カバーにも。

シアー(透け感)
シアーシャツを羽織るだけで涼しげな抜け感が出ます。
インナーのキャミソールやタンクトップをしっかり仕込んで、いやらしく見えないように。

袖コンシャス(ボリューム袖、変形袖など)
ボリューム袖、異素材など、袖のデザインにポイントがあるもの。

ビッグカラー
大きな襟(えり)。
シンプルなブラウスもビッグカラーなら華やかに。

ボトムス

ローライズ
ハイウエストが流行っていた反動のように、00年代に流行していたローライズが戻ってきました。
参考: 

ハイウエスト
とはいえ、ハイウエストも下火ではありません。
クロップドトップスと合わせれば重心を上の方に持っていくことができますし、お腹も出ません。
参考: 

ミニ丈ボトム
ミニスカートやショートパンツなどのミニ丈は、ロングブーツとの組み合わせで脚の面積を調節したり、反対にサンダル(ミュール)で大胆に脚を出す着こなしがよく見られます。
スニーカーやサンダル、パンプスと合わせるならストッキングより靴下の方が今っぽいかも。
参考:

フレアパンツ
スキニーやストレートではなんだか物足りない時に、足元のボリュームで華やかさと足長効果をもたらしてくれます。

センタープレスデニム
きれいめアイテムのスラックスのように、カジュアルアイテムであるデニムにセンタープレス(折り目)がついたもの。
少しきれいめな印象になるので、あまりカジュアルすぎるとだらしなく見えてしまうタイプの人におすすめ。

タックパンツ
スラックスによくある、上の方でつまんで縫うことで立体的に仕上げてあるパンツ。
デニムも増えてきています。
立体感が出るので、下半身が貧相に見えやすい人や、下半身にボリュームがあるのでパンツにゆとりが欲しい人におすすめ。
参考: 

カラーパンツ
トップスをベーシックカラーにすると挑戦しやすいけれど、WEARには敢えて色×色で合わせる上級者志向の着こなしも。

トーンを揃えるか、同系色にするとまとめやすいです。

マーメイドスカート
ロング丈の、ウエストから膝にかけてタイト、膝下からフレアになるシルエットのマーメイドスカートが流行中。
ティアードスカートほど広がらないので、ティアードだと下半身がデカく見えるという人におすすめ。

ポインテッドトウ
ここしばらくスクエアトウが流行っていましたが、プラダなどのショーではきれいめで女性らしさのあるポインテッドトウが目立ちました。

スクエアトウ
とはいえスクエアトウもまだまだ流行。全身をきれいめにまとめて、ポインテッドトウだとキメキメすぎるな、という時などに。

甲深サンダル
甲が幅広のヒールサンダル。スクエアトウのものが多く出ています。パンプスや華奢なサンダルよりも重厚感があります。

サムループサンダル
親指(サム)を入れる部分が輪(ループ)になっているサンダル。

ローファー
ヒールやビット付きなど、学生靴っぽくならないものを選んでも、逆に学生っぽいものを選んでも可愛いです。靴下の色との組み合わせを楽しめます。

アウター

トレンチコート
春や秋の定番アイテムですが、今年は袖が外れてジレとしても着られるタイプも登場しています。

ライナー風アウター
春先の肌寒い時期にはまだまだ活躍する、コートのインナーのようなキルティング素材のアウター。

アクセサリー

チェーン
ゴツいのも華奢なのも素敵。
パールネックレスとの重ね付けなども。

パール
淡水パールなどの少し崩れたものからきれいなパールまで、クールな着こなしやカジュアルな着こなしに上品に添えるのが流行っています。

イヤーカフ
耳の周縁部に引っ掛けるタイプのイヤーアクセサリー。
ピアスのように穴が開いている必要もなく、イヤリングほど圧迫感がないのでアクセサリーに慣れていない人にも挑戦しやすそうです。

横長のバッグ
三日月型(クロワッサン型?)や長方形など、横長の小さめバッグ。

ハンドルがくしゅくしゅしたレザーバッグ
ヴィトンが持ち手にシュシュのようなくしゅくしゅをつけたあたりから流行り始めた気がする。

探し方はわからないけどプチプラブランドでもやたらよく見る。見つけたらぜひ合わせてみてください。
くしゅくしゅ(ギャザーと言った方がいいか)の他にも、ボッテガ・ヴェネタのような、ハンドルに結び目のあるバッグなど、ハンドルにひとクセあるものがよく出ているようです。

<a href=https://www.bottegaveneta.com/ja-jp/ザ・ジョディ-ティール-ウォッシュド-690225VCPP03902.html> https://www.bottegaveneta.com/ja-jp/ザ・ジョディ-ティール-ウォッシュド-690225VCPP03902.html </a>

ビッグシュシュ
髪につけるのはもちろん、手首につけても。
シアー素材ならより今っぽく。

カチューシャ
幅の広いものや厚みのあるもの、華奢なフレームだけのものなどバリエーションが多く、カチューシャを合わせたヘアアレンジもたくさん提案されています。
ヘアアレンジが難しい人にはヘアバンドがおすすめ。
髪の毛の出し方をいろいろ試してみて。

ヘアピン
べっこう風やアクリル、パールなど、様々な飾りのついたヘアピンが目白押し。
シンプルなまとめ髪のサイドに飾ったり、前髪を止めるだけでも。

素材・色柄・シルエット・着こなし

ツイード
上品な表情のある織地で、コートやジャケット、セットアップなど、きれいめのアイテムに使われます。
入学式のお母さんのスーツの定番素材でもあるので、そう見えないデザインと着こなしを探すのがコツ。

花柄
無地が席巻するショーで、出てくる柄は花柄・レオパード・ストライプでした。花柄はワンピースやスカートだけでなく、ジャケットなどにも大胆にあしらわれていました。

ストライプ(縦縞)
ストライプシャツの爽やかさが春夏にぴったりです。
直線系の柄があまり得意でない人(顔タイプ診断で曲線タイプの人など)も今期なら挑戦しやすいかも。

レオパード(豹柄)
トップスなど大きな面積で取り入れるのはハードルが高いという人も、バッグなど小物で取り入れてみてください。

カットアウト
腰や腕、肩、背中など、ヘルシーに(いやらしくなく)肌見せできる場所に入った切り込みのこと。

デニム
パンツはもちろん、トップスやワンピースにもデニム素材が躍進。GISELe(ジゼル)3月号、Numero TOKYO4月号、リンネル6月号など、雑誌全体がデニムを特集していたりして、注目度が高いようです。

デニムオンデニム
トップスもボトムスもデニムで合わせる着こなしのこと。
いわゆるGジャンにジーパン。
色みを合わせてセット売りしているものを選ぶと楽ちんです。

太めのロールアップ
丈の長いデニムを太めに一度だけロールアップして履く着こなしを雑誌でよく見かけます。2回以上折り上げるよりも今っぽいかも。

サンダル・パンプスに靴下
サンダルやパンプスにも靴下を合わせて、肌の面積をコントロールしたり、色の組み合わせを楽しんだりできます。
参考:

スリット
タイトスカートにスリット、パンツの裾にスリット、シャツやアウターのサイドにスリット。
ないよりもある方が抜け感が出て今っぽいです。

その他のポイント

スカーフ
首に巻いたり、バッグに付けたり、シンプルなコーディネートのポイントになります。

カラーメイク
目尻にカラーラインを足すのは数年前からありましたが、眉毛・まつ毛のカラーメイクが流行しています。
アイシャドウも、ナチュラルなグラデだけではなく、あえてポイントで鮮やかなカラーを入れてみるのが楽しい。
いずれも色選びのポイントは血色感だとか。

流行のキーワードを一つでも取り入れると、コーディネートに「今っぽい新鮮さ」が加わります。流行がわかると、流行が組み合わさっているアイテムも選べるようになり、さらに着こなしに幅が生まれます。

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