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思い描く学校②登校不安の子に寄り添える夕方の教室

校内の空き教室を利用し
児童生徒に寄り添う教室が置かれている学校があります。

校内フリースクールとか、〇〇教室とか
呼ばれています。

自由に登校でき、
自分の好きな課題に取り組むことができます。

教室には
非常勤の先生、もしくは支援員さんがいらっしゃいます。

学校は
退職後の先生や支援員の方にお勤めしていただけるようになったので
配慮にも余裕ができ、手厚い配慮ができるようになりました。

けれでも
そこに登校できるのは
まだまだ、一部の児童生徒と伺っています。

まだまだ、多くの人は
自宅で過ごしたり
フリースクールに通ったり
オンライン学習をしてみたり

これ!といった対策が持てない不安はあるけれど
寄り添いと見守りを何より大切にしておられます。

時(とき)や
子の成長によって
解決してくれることもあるから
今、できることをして
寄り添い見守っています。

でも・・
時(とき)は長く、忍耐を伴います。
それに
毎日、フリースクール登校では
経済が持ちません。


提案です!
夕方からの登校OK!の教室があったらどうでしょうか?

私の実践の経験から考えたことを提案してみようと思います。
しばらく、目を通していただけますか?



夕方の学習室登校の試み①

ある日、
Tさん(6年生不登校)が
夕方なら「学習室」に登校してもいいと言っているんだけど
まるこ先生、お願いできない?
と、同僚の先生から相談を受けました。

Tさんの1年生の時の担任は私でした。
そして、
当時、私は支援学級担任1年目で
校内に誰でも使える静かな学習室を作ることを試みていました。

この学習室の試みは
「ふしぎに思っていたのは私だけかしら?
 支援学級について思っていたこと」の記事をごらんください。

Tさんのためなら・・と
学習室への夕方登校!を快く引き受けましたが
はっきり言って、たいへんでした!
しばらくの間
私の帰宅は8時頃になってしまいましたから。

だってね、
Tさんが来るのは、夏場の外が暗くなってからだったのです。
彼女が最初に来たのは
午後七時でした。

下校時刻過ぎた4時ごろから
「まだかな、まだかな」と待っていて
今日は無理かなと思っていたら
運動場に面した学習室の窓をトントンと叩いて
私の顔を見て、さっと入ってきたのです。

久しぶりに会ったんだけれど
1年生の頃のように、ごく自然でした。

単語のやりとりみたいな愛想のない会話で
お互い、静かなだんまりの時間も気にしないで
学習室の中を自由に見て回って

薄い水色のテーブルクロスのかかった丸テーブルで
プリント1枚して
30分ほど過ごして帰っていきました。


それからのTさんは
毎日、暗くなってから学習室の窓をトントンとして登校してきました。

ひと月ほどの後、
7時には下校ができるように約束しました。
来る時間は自由です。
教室が終わる時間を7時と約束したのです。

秋の運動会の練習のころから
練習時間に合わせて登校し
練習の後は学習室で過ごしました。

運動会が終わったころから
朝から学習室に登校し、
給食の後からは学級で過ごす時間を作りました。

午後の教室に慣れてきたころから
午前の授業も学級で受けたいときは、そうしました。

少しずつ少しずつ、
学級と学習室を使い分け
12月には、ときどきしか学習室には来なくなりました。

3学期は何事もなく
学級へ登校していきました。

学級への登校を促すこともなく
時とTさんの表情をみて少しずつ変化に寄り添いました。

学習室でのTさんは、まるこ先生
お母さんとの連絡は担任と
分業し、連絡を取り合いました。

夕方、体育館登校の試み②


この経験の翌年、別の児童 Yさん(1年生から不登校)

この子はね、
1~2年生は、学校との交流はあまりなかったらしいです。学校の先生に対する信頼感はゼロだったようです。

3年生は、
・1週間に一度10分ほど、家庭訪問して、お母さんと世間話をしました。
・担任の気持ちは、お母さんと仲良くなること。
・Yさんは母と担任の話をこっそり聞いていたようです。
・1年の終わりには、担任の帰り際Yさんが顔を見せることもありました。
 お母さんが信頼する人なら、子どもも安心できますよね。

4年生は
・ひと月に1回、30分ほどの家庭訪問と、お母さんとの電話交流
・お母さんに気持ちを軽くしてもらうことが担任の願い!
・登校を促すのではなく、学校の様子をポジティブにお知らせします。

5年生
・母子と担任の交流の基本は昨年度と同じ
・行事の時は「見においでよ。ちょっとだけ」などと声をかけ
 先生ではなく、同級生と話すような雰囲気を心がけていました。

6年生
・母子と担任の交流の基本は昨年度と同じ。
・「中学から学校行こうかな」というTさんの気持ちを担任がキャッチ!
・「中学行くなら、跳び箱教えてあげるよ。おいでよ、おいでよ」
 と、時々、夜の体育館に誘いました。
・協力の先生3~4人、友達感覚でわいわい30分ほど運動!
 バトミントンなども!

先生たちが楽しそうに、同年の友達との付き合いの参考になるように接してくれました。Tさん親子には、学校の先生もいいものだと、思って頂けたことと思います。小学校には1日も登校しなかったTさんは、中学校から登校していきました。


今の時代、こんなことできません


また、家庭を犠牲にしてしまうサービス残業も必要ありません。

私の場合は、わが子が大学生に成長していたことと
支援教育の試みとして、自分がやってみたかったからできたと思います。

そして、新設校でもあったので
新しい学校を作っていく意気込みが職員の中に流れていたと思います。

登校不安や不登校といっても
一人一人にとっては
それぞれの思いや理由があります。

学校に行きたいけれど、行けないどもたちが
静かに勉強できる教室があってもいい
5時過ぎからの教室があってもいい

「学校は昼間に登校するもの」と限定せずに
夕方から7時まであいている教室があってもいいかなあと思います。
そしたら、
プリントを提出するために、わざわざ職員室まで行かなくてもいいかもよ!


提案です!


出勤時間をずらして勤務する先生を作ったらどうでしょう?
10時過ぎの出勤の先生がいてもいいですよね。
それから、8時間勤務すれば
夕方教室OKです。

そうしたら、私たちのように勤務時間外になることもありません。

子どもたちは、学校を否定しているわけではありません。
それぞれの事情で、賑やかな場所へ足が向きにくいのかもしれません。

絶対ではないけれど
夕方の登校は勇気づけのお手伝いになることもあると思います。

たった、2つだけの事例では
提案することに勇気がいったけれど

知り合いの中学校の先生に
「有りだと思う?」と問うたらば
「有りだと思う」
と言っていただけたので、長年の思いを記事にしてみました。






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