「好きな背番号」についてみんなで書いてみよう !
先月スタートした新企画、みんなでオムニバス形式の記事を書いてみよう!の第二弾です。今回のテーマは「好きな背番号」です。
「OWL magazine」がスタートして1年が経ちました。ここまでは5000字ぐらいの記事がベースラインになっています。読みごたえはあると自負しているのですが、読むのも書くのも大変という意見も一部から聞かれます。特に書く方に関してハードルを下げたい気持ちもあるので、オムニバスについては1000字程度を推奨しています。何か表現したい!という方はご相談ください。(ツイッターのアカウントなどからどうぞ!)
それでは今回のお品書きです。
「初めて買ったユニは28谷澤達也だった」(円子文佳)
「背番号0がサッカー界にあったら」(サカマキ)
「背番号と推しの話」(shaker。)
「苦しいときは私の背中を見て」(mario)
「イケメン背番号」(むぎちゃ@かずみ)
「バスケ界で最高の背番号は?」 (中村慎太郎)
初めて買ったユニは28谷澤達也だった
(円子文佳)
サピエンスが地球の覇権を確立した現代、この惑星は数字に満ちあふれています。
サッカーでアウェイ遠征のあと、我々がとる行動は次のどちらかです。すなわち、電車や飛行機などの乗り物で帰宅するか、または遠征先に宿泊するかです。その時、世界に満ちている「数字」というものに、その日ならではの意味付けが与えられることがあります。
電車に乗る場合、車両や座席に番号が関わってきます。例えば僕は柏レイソルサポですが、クリスティアーノ(背番号9)が決定的なシュートを決めきれず勝てなかった試合があったとします(ありました)。
その試合後に新幹線に乗る時に、きっぷ売り場で9号車が一番空いていた場合。きっぷを買う瞬間、さっきの豪快な宇宙開発が頭に浮かび、「9かあ……。今日はやめとこう」と思ったりします。
単なる数字のはずですが、その日ならではの呪術が発生するのです。
宿に泊まる場合にも呪いはあります。
僕はアウェイ遠征の際、出来るだけ大浴場のある宿を選んでいます。大きなお風呂は、脱衣所のロッカーに番号があります。このロッカー番号、ちょうどサッカーの背番号っぽく二桁のことが多いです。
なので試合後はすごく気になってしまいます。一日の疲れをいやすべくお風呂に入るのに、どの番号を選ぶ(選ばない)べきか、お風呂のリラックスの前に葛藤が待ち構えています。
「26……使用中。4……のミスで負けた。9、10、18も空いてないのか。20……は裏切り者の番号だな。19……も裏切り者だけど、こっちは許せないというほどじゃないから、今日は19番でいいか」
風呂に入るのも一苦労です。
好きな背番号の話でした。僕が初めて柏のユニを買ったのは2006年で、28番・谷澤達也のユニでした。サッカーを見始めた頃は誰でも、ドリブラーに夢を託す時期があると思います。日立台のバックスタンド裏の売店で買ったのですが、スタッフに「えっ、本当に谷澤でいいんですか?」と言われたのをよく覚えています。さすがスタッフだけあって、今となっては先見の明があった感じがします。
背番号0がサッカー界にあったら
(サカマキ)
0。
記号なのか、数字なのか。
ゼロなのか、零なのか、はたまたラブなのか。
ウノゼロというくらいだからスペイン語でもゼロなのか。
なかなか割り切れないニヒルな奴である。
そんな数字だからか、背番号が0の選手は否が応にも目についてしまう。
生まれて初めて買ってもらった応援ユニフォームはもちろん0番。西東京在住なのに千葉ロッテ。
当時のロッテの背番号0は俊足巧打の諸積兼司。ガッツ溢れるプレーが好きだった。その後、日立製作所の後輩にあたる荻野忠寛、名前つながりなのか荻野貴司へと引き継がれていく。そういえば全員社会人出身なのも興味深い。
どのスポーツでも、それぞれの背番号には着ける選手の印象がある。サッカーのエースナンバーは10とか、27は捕手の番号とか。
私の中の背番号0のイメージは渋いユーティリティプレーヤー。どんな守備位置でも守れる、小技が効く、代走や守備固めできっちり仕事をこなす。そんな選手のイメージ。捕手が足りなくなった試合で代役を見事こなした木村拓也や内外野の守備職人の大和もいるけれど、万永や高波のことも忘れないでほしい。
また背番号は元来ポジションと紐付いていたことを考えると、どこでも出来るジョーカーとしての役割と0番は絶妙にマッチしているように思える。サッカー界でもそんな選手は少なくない。
毎試合ポジションが変わっている、センターバックでは契約満了だけどセンターフォワードとして再契約、所属チームでは右サイドが本職なのに代表戦では左サイドで謎起用、なんてことはよくあること。ポリバレントは魔法の言葉。
しかし残念なことに、サッカー界で背番号0をつけている選手は皆無だ。詳細は不明だがおそらく国際的な規則に倣っているのだろう。例外はガンバボーイと柏のレイくんだけ。
あんなに0点で試合が終わるのに。0トップ戦術だってあるのに。まさかボールと見間違える可能性を危惧しているのだろうか。背番号0の選手がいたって、何も不都合ないじゃないか。
確かに背番号0の選手がピッチに登場したらざわつくだろう。自分がマークにつく相手が0番だったら「0入った」とか「俺、0見るよー」と声を出すと思うと違和感ありありだ。
ポジションごとに考えるとさらに印象が変わる。
背番号0のGK、クリーンシートしてくれそうで良い。ゴール裏からはキーパーの背番号がよく見えるから、0を着けた背中は味方ならなんとも頼もしく敵ならなんとも憎たらしく思えてくる。
個人的には、ボランチやトップ下あたりでトリッキーな動きをする選手が着けても面白いと思う。0番のシャドウなんてのも通り名みたいでカッコ良い。
ただFWの選手には合わないだろう。得点取れなかった時には酷いバッシングを受けそうで不憫だ。そもそも点取り屋からしたら0なんて縁起が悪すぎる。とはいえ、バッシング覚悟で0を着けるような図太い神経の持ち主がいたら大物になりそうでもある。
背番号0、着ける人を選ぶ罪な番号だ。
いつかサッカーでも解禁されたら、久々に0を背負って応援してみたい。
イケメン背番号
(むぎちゃ@かずみ)
好きな背番号。
4、10、17、22、24。
歴代の「推し」が付けていただけでカッコいい番号とイケメンがつけるイケメン背番号と私の中で位置付けられている数字たち。
厳密には番号が好きなんじゃなくて、好きな選手が付けていた番号。
極論すれば惚れた男のタイプと一緒。どんなタイプの人が好きかと聞かれてよく使う、「タイプだから好きになったんじゃなくて好きになった人が理想のタイプ」みたいな。「推し」が付けていたら何番でもお気に入りの「好きな番号」になっちゃう。
昨年1月初旬。年明け間もない頃にこんなスポーツニュース。2019年ジェフユナイテッド千葉新体制発表会で明かされたちょっとイイ話。
古巣ジェフ千葉に18年振りに戻った佐藤寿人。寿人と言えば、ベガルタ仙台、サンフレッチェ広島、名古屋グランパス、16年間も11番を背負ってきた男。背番号11は寿人の代名詞と言えた。が、千葉では船山貴之が移籍から3年間着けていた。聞くところによると寿人はジェフユース時代に付けていた9番を背負う可能性もあったとか。寿人は背番号に拘るつもりは無かったとのことだが、漢・船山貴之から「11」を譲り受ける。
「11番は寿人さんに付けて欲しい。」と船山自ら譲り渡し、「同じ番号の選手からそう思ってもらえるのは非常に嬉しい。」と寿人は明かしている。
そして船山貴之はというと、松本山雅FCでブレイクを果し船山のラッキーナンバーとなった「10」番を付けることになる。
そして私としては、「やっぱりフナは10番が一番似合うのよね〜!!」と惚れ直すのである。
ちなみに船山は流通経済大サッカー部で大学リーグで大暴れ得点王に輝いた時は9番。
ルーキーで入団したJ2栃木SCでは20番。
松本山雅から個人昇格した川崎フロンターレでは15番。
ぶっちゃけ背番号に拘りは無いと昔、本人の口から聞いたことがあったなぁ…。
それでも私は、その年々には、船山が付けている番号に日常でも支配されるのである。ロッカーや座席番号、ロトやナンバーズなんか買っちゃったり、ランダムに配られた整理番号がその番号だったりしたら、これはもう運命だぐらいに思ってその日一日ハッピーに過ごせてしまったりするのだ。
「推し」が背負う番号が好きな尊い背番号になる。そしてその番号が入ったグッズを買い漁る…。
今は好きな背番号は「10」。
現ジェフ千葉の10番は船山貴之。
ヴィアティン三重10番は北野純也。
そして、栃木SC、今季開幕戦まであと3週間の今日現在、10番…、不在…。
背番号と推しの話
(shaker。)
私が美大に通っていた頃、短い間だったが大学の部活動にラクロス部があった。
学校の体育はだいたい「2」で、みんながやってる球技ではいつもチームのお荷物だった。でも全員初心者から始めるスポーツなら多少はついて行けるので、中学校のヨット部同様にそんな理由で映研との掛け持ちでラクロス部に入った。
やがてポジションも固まり(私は投げるボールが早いのでファーストホームというポジションになった。相手ゴール前で最後に放り込むポジションとなる)、ユニフォームや背番号の話になった。
「shaker。さん何番がいい?」
「0番ください」
「0番?!」
多分その年齢の美大生あるあるで「どうせ着けるなら誰かとかぶりたくない」心理だったのだろうけれど……。
大学を卒業して就職し、家庭を持ち、ふとしたきっかけでスタジアムに通うようになり、やがては夫も巻き込んで高校まで千葉で育った私は、ジェフユナイテッド市原・千葉のサポーターになっていた。
ユニフォームは予算上毎年家庭内で1枚購入。原則としてなるべく過去の手持ちと違う選手の番号を選ぶ。
ただし。
大抵は私が配偶者に相談して背番号を選ぶのだが、事前に誰を選んだかはSNSでもオフラインでも基本は言わない。スタジアムで実際に会った人にだけ分かるようにしている。あとはコミケ等の同人誌即売会やサッカー関連のイベントに参加する時は「正装」なのでその時か。
これには理由がある。
結構前にクラブハウスの公式ショップで、ある若手選手のユニフォームを手にしていたらたまたま近くから、
「なんかいい年したオバさんのファンが多いよねー◯◯って」
……そうですね、私もそう思います。やっぱりあまり絞れてない、どちらかと言えばふくよかな体型に、◯◯選手の背番号がピチピチに伸びてる姿はイタいですよね。
私はその選手のユニフォームを棚に戻し、なんとなく薄曇りな気分でショップを出た。
あれから数年が過ぎた。
元々はmixiで知り合った、他チームのサポーターだけどサッカーサポも同人誌作りも頑張っているある女友達がいる(仮にAさんと呼ぶ)。その人との付き合いも千葉がJ1にいた頃からだから……まあいいか。
その彼女が最近ハマっているゲームがある。
昔から伝わる各種の刀剣をイケメンキャラに擬人化して部隊を組んで戦って……最近アニメ化映画化に舞台化ミュージカル化など人気のアレだ。私もサービス開始当初からなんとなく入っていてなんとなくプレイしているゆるゆる勢だ。
彼女は、
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OWL magazine 旅とサッカーを紡ぐWeb雑誌
サポーターはあくまでも応援者であり、言ってしまえばサッカー界の脇役といえます。しかしながら、スポーツツーリズムという文脈においては、サポー…
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