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東京オリンピック座談会 「オリンピックとはスポーツを〇〇する機会である」

明けましておめでとうございます!今回はOWL magazineメンバーで、東京オリンピックについて思うことを話し合っていきます。地味にハイコンテクストで面白いと評判(当社比)の座談会、一体どのような展開になってしまうのか?


・オリンピックは世界最高峰の戦いなのか?


中村:
今年は東京オリンピックですね!OWLもオリンピックに向けて、何かやっていきたいと考えています。とりあえず皆さん、チケット取りましたか?

澤野:私は、サッカーだけ当たりました

中村:おめでとうございます!サッカーのどの試合ですか?

澤野:横浜国際競技場での試合で、1回戦か2回戦か、どこがやるかもわかってないチケットです。

中村:男子ですか?

澤野:男子です。女子は外れました。

中村:へー。円子さんは?

円子:全く、触ってないです。

中村:触ってない!実は僕もなんです。澤野さんだけが買っている。

澤野:私一応、テニスとバレーとバドミントン、バスケット、ぐらい応募して、サッカーだけ当たったんです。

中村:円子さんは何で買わなかったんですか?いつもだったら札束はたいて、全部申し込んだ!みたいなことやりそうじゃないですか?

円子:うーん、あんまりオリンピックに価値を見出してないというか…

(一同笑)

中村:さらにどうしようもない話があるんですけど、実は僕もなんですよ

円子:あー、ですよね……。

【参加者】 

中村慎太郎
 OWL magazineの主筆。要約すると東京オリンピックではウェイトリフティングとレスリングに興味を持っているらしい。

円子文佳 OWL magazineの経理係(社長?)。元スキーオタク。

澤野雅之 編集長。OWLの良心。この日も闇堕ちしそうな議論を救うビッグセーブを何度も見せた。6.5。

中村:オリンピックって海外で見るのなら面白そうなんだけど、国内で見るのは別にねえ…って思って。だから……。

円子:サッカーの場合、オリンピックが世界最高峰の戦いではないですよね。

澤野:まあ……。お二人はともかくね。世の中的にはこの先盛り上がっていきそうです。

中村:普段は全然スポーツ見ない人が、今は、オリンピックだからってチケットすごい買ったりしてるんですよ。

澤野:世間の人は、そういうものなんですよ。

中村:サッカー見たいなら、Jリーグやなでしこ見に行けばいつでも見れるのに、なぜオリンピックになったからって……。チケットすごく高いですよね。

澤野:それがオリンピックの意義なんですよ。見なきゃいけない気にさせられちゃう。

円子:まあ、そういうところはありますね。

中村:うーん。

円子:オリンピックが世界最高峰の戦いじゃないのって、サッカーぐらいですかね?
ゴルフやテニスとかも違いそうですね。

中村:テニスは違いますよね、ウインブルドン。

澤野:はい、違います。

円子:そういう競技もあるけど、オリンピックが世界最高峰の競技もあるので。
バレーボールはオリンピックかなと思います。

澤野:いや、どうなんですかね。ワールドカップとかもあるので。

円子:ワールドカップよりオリンピックの方が上なイメージがありますけど。

中村:バレーボールのワールドカップはほぼ日本でやってるんですよ。だからあんまり意味がないという説もあって。

※バレーボールのワールドカップ
4年に一度行われている。1977年大会以降は毎回日本で開催されている。また、W杯の上位チームにはオリンピックの出場権が与えられる点からも、バレーボール界においてはオリンピックの方が格上扱いされているものと思われます。

円子:だんだんきな臭い話に(笑)

澤野:そうですね、お二人のオリンピック論はあるかと思うんですけど…


・マイナー競技はオリンピックに全てを懸ける


円子:
オリンピックが重要な競技もあるんですよ。
僕は昔スキーをやってて、日本では冬季オリンピックでもアルペンスキーって注目されてないと思うんですけど、2006年にトリノオリンピックがありまして。

澤野:冬季オリンピックは全く見ないんですよ。

円子:まあ、そうですよね。アルペンスキーって結構なマイナースポーツで。

澤野:はい。

円子:そのトリノオリンピック全体で、日本でメダルを取ったのが荒川静香だけだったんですよ

中村:あー。

円子:で、その大会の時に、日本のアルペンの皆川賢太郎って人が…

澤野:あー!

円子:3位と0秒03差で4位になり、惜しくもメダルを逃したんですよ

中村:へー

※皆川賢太郎
日本の元アルペンスキー選手。4大会連続でオリンピックに出場している。2002年のソルトレーク五輪前、当時僕がホームにしていたツバクロに皆川賢太郎がトレーニングに来たことがあり、一日だけ同じバーンで練習したことがあるのが秘かな自慢です。「俺、中村俊輔と練習試合(誇張)したことあるんだぜ!」

円子:皆川賢太郎は、怪我と戦いながらも、アルペンスキーを日本でメジャーにするということを人生の目標としてやってきていて、そのためにオリンピックでメダルを取るということに執念を燃やしていたんです。
トリノ五輪の回転で、皆川賢太郎の1本目のタイムは3位でした。でも2本目で最初のポールに当たった時に、ブーツのバックルが外れちゃって。
それでも気合で完走はしたけど、結局0秒03差で4位でした。
もし銅メダルだったら、トリノで日本人最初のメダルということでかなり話題になっていたと思うんですけど、皆川賢太郎の夢が叶わなかったなと思って、夜中テレビで見てて泣きましたね。いや泣きはしませんでしたけど。

中村:すみません、そもそもアルペンスキーってどんな競技でしたっけ?

円子:いや、あの…

中村:旗の間を通っていくやつ?

円子:そうです、それでタイムが速かった人が勝ちです。

中村:スラロームとか?

円子:4種目あって、旗門の間隔によって、ダウンヒル、スーパー大回転、大回転、回転となります。回転が別名、スラロームです。
スラロームが旗門の間隔が一番狭くて、細かいターンが求められます。

中村:その4つをまとめてアルペンスキーっていうんですね。

円子:多分そんな感じです。

※多分そんな感じ
モーグルとかもアルペンだとは思うのですが、自分ではやったことないのと、説明してもややこしくなりそうだと思ったので、こんな返事になっています。でもこの直後にモーグルの話題が出ていますね。僕の理解では、クロスカントリーとジャンプ以外はアルペンスキーという認識ですが、違ったらすみません。


澤野:スノーボードの何とか愛子さんと結婚した人でしたっけ。

円子:いや、モーグルですね。上村愛子。

中村:知ってる知ってる!

澤野:その認識でしか皆川さんは知らなかった。

中村:どっちかというと、マイナー競技の祭典なんですかね。

円子:そうですね、マイナー競技は一発当てるために、オリンピックのために4年に1回全力を費やします

澤野:ボブスレーとかも話題になったりしますからね。

中村:あのー、なんだっけ。「ちっ、うっせーよ」って言った人いるじゃないですか。

円子:國母さん。最近捕まった。

※國母さん
國母和宏。2010年バンクーバー五輪に出場したスノーボード選手。その大会の際に、崩した服装で空港に現れたことに批判が集まり、後日の会見でも「チッ、うっせーよ」「反省してまーす」と言葉を発したことも話題になった。2019年11月6日、大麻取締法違反容疑で逮捕されている。

澤野:話がどうしても…ネガティブな方に(笑)


・ワイドショーに出たら、みんなの話題になる


円子:
まあ大衆の興味って、一発当てるという方向か、または逆にゲスい方向というのがどうしてもあるんでしょうね。

中村:そうか、だからワイドショーということですね!

円子:そうですね。勝ったら当りだけど、逆に負けたり、不祥事を起こしても話題になってしまうんですよ。

澤野:そういう意味ではオリンピックは、大衆のための祭典ということですよね。

中村:だから、オリンピックとワールドカップは、ワイドショーなんですよ。Jリーグも、プロ野球も、ワイドショーには出ないんですよ。スポーツ番組の範疇です。
ワイドショーに進出できるっていうことは結構大きくて、サッカーだとワールドカップの時期だけは、サッカーの話をみんなにしても通じるんですよ。ワイドショーでやってるから。
民放でやってたり、ワイドショーでやってるものは、世間の共通の話題にしていいっていうサインなんですよ。
だから、オリンピックっていうのはスポーツを見る機会というより、スポーツを語っていい機会という話なんですよ。

澤野:素晴らしい!

円子:素晴らしいまとめです。

中村:マイナースポーツの立場からすると、「ようやく僕らの話を聞いてもらえる」ということなんですよ。

澤野:そういうことです!

中村:終わったら誰も聞いてくれない。

澤野:まさに。

中村:だって、今ロシアW杯で点とった人って聞いても、一般の人は誰も覚えてないよ。

※ロシアW杯で点とった人
この座談会の直後にその人、現在進行形でゲスい方向の話題になっている感じがするのですが、まだワイドショーには出ていないと思うので大丈夫です(何が?)

円子:で、僕らはオリンピックに向けて何をしていくかっていう…

中村:だって、こんなにやる気ないのに何をやるんだっていう(笑)
でも、マイナー競技は確かに面白そうですよね。
けっこうレスリング見るんですけど…

円子:見るって、どういう時に?

中村:テレビでやってたら時々見ます。


・OWL的スポーツ観戦術、マイナー競技こそ面白い!


円子:
レスリングって、そんなにテレビでやってるんですね。

中村:なんか、大会とか…
最初に吉田沙保里が金メダル取った時はテレビで見てました。
アテネだっけ、だから大体ルールわかるんですけど。
よく子供とレスリングやってます。

※よく子供とレスリング
そういえば僕も、子供のころロサンゼルス五輪の影響か、いとこや弟とよくレスリングやった記憶があります(年齢がバレる)。ポイントのつけ方とかも当時はなぜか理解してました。競技の普及のためには、オリンピックってすごい影響力があるんだなと改めて思います。


でも生で見たことは当然ないので。
卓球とかも、生で見るとどうなんですかね?
あの球の小さい競技。

円子:まあ、中国では見てる人があんなにいるので、面白いと思う人はたくさんいるんでしょうね。

中村:そもそもスポーツというものが、見せるスポーツとやるスポーツにわかれていると思うんですよ。
まあ両方やるスポーツではあるんですけど、見せるスポーツの要素を持っているかどうかで分けれるというか。

円子:そうですね。ウェイトリフティングとかって、見せる要素がどれだけあるんだろうっていうのが正直…

中村:あれね、見てると意外と面白いんです。駆け引きがあるんですよ

円子:というと?


以下は有料コンテンツとなっています。メダル争いに血道を上げるのは正しいのか、何で東京五輪はこんなに揉めるのか、東京がやるべき真のおもてなしとは、など、色々なテーマについて楽しく語っています。
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