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貝のお話 2

《二枚貝》
 貝には二枚貝と巻貝がありますが、まず二枚貝の方を少々語ります。二枚貝は文字通り貝殻が2枚あって、その2枚の間に体(身)があるものです。生物学的にはどう分類分けするのかは知りませんが、二枚貝は岩にくっ付いているものと砂の中にいるものに大別されますね。牡蠣やムール貝なんかは前者、ハマグリや赤貝なんは後者ですね。アサリに似たあおやぎという二枚貝がありますが、バカガイという別名の方が通っていて、ちょっと可哀想な気もします(笑)  あっそうそう、よく勘違いされるんですが、かき揚げなんかにすると美味しい『小柱』とは、ホタテの貝柱の小型のもののことだと思っている人もいるようですが、あれはバカガイの貝柱なんですよね。アサリより大きくなるバカガイのイヤなところは、砂が抜けにくいことです。アサリと同じ工程で砂抜きをしても、口の中がアサリの数倍ジャリっとなりやすく、素人には料理しにくい貝です。

 私の郷里はほぼ全域が岩礁地帯であり、砂浜というものがとても少ないのであまり潮干狩りはしませんでしたが、砂のある浜に行くと アサリやハマグリ、マテ貝なんかを獲物として持って帰りました(マテ貝を捕まえるのはレジャーとしても面白いです。イイダコ獲りと同様、狩猟本能が呼び覚まされます。この2つの採取については機会を作ってまた詳しく発信したいものです)。

 ウンチクついでに、二枚貝代表のような風格を持つホタテ貝は、海中を泳ぐということを知っている人は少ないんじゃないかと思います。ヒトデやタコなんかの天敵が襲ってきた時、逃げるために2枚の貝殻をパフパフ開閉して 水中を泳ぐのです。パフパフさせるんだから貝殻を閉じた時に噴射した水で水中を進むことになります。それだけでも驚きなのですが、特筆したいのはその進む方向です。常識的に考えると、蝶つがい側の方向に進むのかと思いきや、反対のパフパフしている側の方に進むのです。ぜひ動画を見てほしいです。

 よくバーベキューなんかで二枚貝を焼こうとして、パカッと貝が開いたら上の方に身がくっ付いてしまって上手くいかないということがあります。貝柱というものは、当然二枚の貝殻のどちらにも接合しています。パカッと開いた側(火から遠い側)の接点が剥がれれば問題ないのですが、貝柱は熱によって外れるため、通常火に近い下側が外れてしまうのです。そうなると身が上にくっ付き、美味しい出汁もあたりにぶちまけることになって、『あ~あ・・・』となるのです。これを回避するには2つの方法があります。

 1つ目はアルミホイルで貝自体を包んでしまうこと。火が熾っている状態なら 4、5分も焼けば十分です。生でもいけるくらいの素材なら半生でも美味いのですから。でもアルミホイルでの包み焼きは、ホイルを開けた時には貝殻は開いていませんので、食べる時に出汁をこぼさないように気をつければOKです。
 2つ目は初めから片方の貝殻を外してしまってから焼くこと。ちょっと手間ですが、ホタテなんかはこの方がいいですね。五島あたりではホタテは見ませんが、同じような形の貝は案外あって、バーベキューなんかでは初めから片方の貝殻は取ってから焼くのがオススメです。

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