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教員自身が属していたスクールカースト 2

 さてちょっと考えればわかることだが、現在進行形でスクールカーストの渦に飲み込まれている現役の在校生を指導する教員も、学生時代は出身校のスクールカースト内の いずれかの階層に所属していたのである。我が校は美容学校ゆえ、所属する教員のほぼ全てが元サロンワークの美容師なのだが、学生時代にはカースト上位に所属していたであろう、スポーツや生徒会で活躍した経験のある教員がいる一方、全く人前で何かにチャレンジしたことも 目立った活動をしたこともなかった その他大勢=集団埋没組や、さらには学生時代の全期間を通じ、陽の当たらないところでどちらかといえば体制批判が常態だったタイプ(どうして美容師などという道を選んだのか?とは思うが)など、色々な経歴を持った教員がいる。

 そして興味深いことに 教員が自身の学生時代にスクールカーストのどの階層に所属していたかは、その教員が実施する生徒への指導方法に 色濃く影響するという事実がある。これまで私が経験した例を取り上げてみると、サッカーの県大会常連校で さらに部活では部長だった経験を持つ教員、同じくチアリーディングの強豪校で3年間 ベース(ポジション)を務めていた教員は、いずれも想像通り 自信たっぷりに攻めの指導を行い、常に元気でポジティブだ。しかもガンガンやろうぜ!みたいな指導をした場合に起こりがちな、指導の荒さに対する生徒からの不満も 本人の人間性でカバーできてしまうことが多い。

 続いてその他大勢組の教員による生徒指導であるが、この場合は可もなく不可もなく特筆すべきことが何もないような生徒を 結果として多く作り出しているように感じる。教員自身 波風が立つのは何より避けたいと思っていて、反対意見を処理する能力はお世辞にも高いとはいえないから、多数決が好きだ(その決定が自分のせいにはならないため)。このカテゴリーの教員は主体性に欠けることが多く、意識を変えないままだと 他に影響を及ぼすことなどできない。よってチームで取り組んで結果を出そう! って時にも ただ存在しているだけの『頭数(あたまかず)』にしかならない。

 さらに 一匹オオカミ(あるいは仲間外れ)の階層にいた教員は、授業を行っている教室の空気をしばしば作れない。基本的に自分に自信が無いから当然求心力も無い。ついでに言えば批判や反対意見を一旦は受け入れるという度量を持ち合わせてもいない。独特の価値観を持っている場合もあるが、その大部分はプラス方向のものではなく 意固地なこだわりとなって自説を曲げないことに繋がったりする。アッと驚く思い切った(開き直った)捨て身のような判断をすることもあったりして 油断できない(言い換えれば信用度が低い)。
 『文句言い』というのはどこの世界にもいるが、学生時代に文句言いだった人は、知る限りほぼ100%の確率で 卒業後も死ぬまで文句言いである。

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