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父のすごいところ

父の、異様に機械に強いところが尊敬するポイントの一つだ。
PCも、ヘアアイロンも、ゲーム機も、何か不具合があった時は父のところへ持って行くとすぐに直してくれた。

小学校1年生の頃、父と近所のおもちゃ屋に行った。
そこにはお猿のおもちゃが500円で売っていた。電池を入れると動く仕組みになっているのに、やけに安く売っているなと思ったらどうやら不良品で動かないため大特価で叩き売っているらしい。
私はそのお猿を甚く気に入り、父に買ってもらった。
数日後、父はそのお猿を会社に連れて行き、修理して持って帰って来てくれた。
お猿は無事動くおもちゃとして生まれ変わった。
それをおもちゃ屋の店主のお爺さんに見せに行くと、
「おぉ!儲かったねぇ。」
と笑顔で言ってくれたことを覚えている。私は父が直してくれたそのお猿を自慢したくていろんな人に見せて回った。

私が初めて一人暮らしした時も父の機械の強さに助けて貰った記憶がある。
私が上京して初めて借りた家は、オートロックなんて以ての外で、インターホンさえ備わっていないアパートだった。ドアに覗き穴もない。
父は私の部屋に録画機能付きインターホンを設置してくれた。
機械に強い人からしたら大したことではないのかもしれないが、もし父がいなかったら私は2年間ずっと、訪ね人が来る度に台所の窓をこっそり開けて一度偵察してからドアを開けるという生活をしていたに違いないので、とても有り難かった。
当時私が住んでいたそのアパートの何部屋かが空室になり、住宅情報サイトに載っていたので確認してみたことがあるのだが、私の部屋のページにだけ室内設備の欄に「TVインターホン有り」の表記があってほっこりとした気持ちになった。

父が直してくれたお猿

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