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「作品を作ること」が変えてくれたこと

私には小学生の頃から続けている趣味があります。

消しゴムでハンコを作ること、いわゆる「消しゴムはんこ」です。

シャープペンシルで描いた絵を消しゴムに転写し、それをカッターや彫刻刀で彫るという方法が一般的です。

私は小学3年生の冬頃から始め、21歳になった今でも変わらず続けています。

大学生になった19歳の夏から、作品を身内や学校の友人以外に公開し、販売するという作家としての活動を開始しました。
具体的には、作品を載せるためのTwitter・InstagramなどSNSアカウントを開設したり、作家として、ハンドメイドのイベントに出店することを始めました。
今回は、そんな「作家活動」を始めたこの数年の、自分の作品に対する気持ちと、その気持ちによって変わってきた考え方を書き連ねていこうと思います。

私は現在、芸術大学に通っていますが、この大学に入った理由は「消しゴムはんこの作家になりたい」というわけではありませんでした。
他に目指していた職業があったので、最初は「消しゴムはんこしか作れない人」にはならないようにしよう、と考えていました。

それでも、授業外で消しゴムはんこが作れることを話すと周りはとても興味を持ってくれて
「凄い」「売れるんじゃない」
なんて言ってくれました。
この言葉で私は非常に調子に乗りました。

大学の授業で初めて消しゴムはんこを生かした作品を作ったのは1回生の6月から7月頃、オリジナルの手帳を作った時です。

「Stamp Planet」
この作品は、実際に販売もさせていただきました。(5冊限定で、現在は完売、再販予定無し)

この授業で大学の先生からも仲間からも好評を受けて、私はさらに調子に乗ります。

そこで、この直後、私は初めて作品を販売するイベントに出ます。同じ大学の人達が運営する、学生作家が出店するハンドメイドのイベントでした。

この、私にとって最初のイベントにはたくさん大学の仲間が遊びに来てくれました。そのおかげもあって、思っていたより作品が売れました。

ここでかなり調子に乗った私に芽生えた考えが

「私のハンコって、めちゃくちゃ凄いんじゃない?」

調子に乗ったまま、次のイベントに出ます。

2018年の1月、インテックス大阪で行われたイベントにて、2日間出店しました。(大学のブースで、ちょこっとだけスペースをいただいて販売をさせて貰いました。)

この時販売した作品は、ネコやリスなど動物、ロケットやUFOなど自分のオリジナルイラストのハンコがメインでした。

……正直に言いましょう、
あまり売れませんでした。

「自分の作品は凄いはずなのに、どうして売れないんだろう」

お客様が来ない間、私は手伝いに来てくれていた友達と、このイベントの他の出店者様のブースを見に行くことにしました。

このイベントはプロの作家さんも多く参加するイベントで、陶器や木工品、手芸品、アクセサリーの出店が多くありました。
オリジナルの手法で作った陶芸品、こだわりの革で作った財布やブックカバーなど革作品、ブースを覗くと作品について説明してくれる出店者様…

私はここであることに気付きます。

「皆さんの作品への愛が伝わってくる」

イベントが終わってから私は酷く反省しました。

自分も作品に対して愛が無かったわけではありません。自分でも、作ることが大好きで、作品が出来た時は可愛い!凄い!と自画自賛しました。

けれども、それ以前に、
「凄いと思われたい!」
という気持ちがあったのです。

「凄いのになんで売れないの」という気持ちがそもそも間違いでした。

作品を見てくれる人、買おうと思ってくれるお客様、応援してくれる方々へ、自分の「凄いだろう」「可愛いだろう」といった押し付けるような一方的な感情は含めてはならない

凄いと思われたい!良いと思われたい!の感情は結果的に自己満足という感覚を招くだけだと思いました。

自分が作品の販売でやりたいことはそうじゃないだろう!

買ってくれた人が、買ったあとも嬉しい気持ちになって、良い気分でその作品を使って、そして幸せになってくれるといいな

この気持ちがまず先に無ければいけなかった。
承認欲求を満たそうとばかり考えていたことを酷く反省しました。

このイベントの後、2ヶ月弱、もう一度自分の制作活動について見直しをする期間にしました。

まず考えたのは
「人のため 誰かのためになるものを作ろう」
例えば、その先生に合った先生用のハンコをつくる

人のためになるもの=日常で使えるもの
という考えでこんなものも作りました

「イカ済み、タコ済み」
済んだことにイカとタコが「済(墨)」を吐いてくれるというハンコ。

そしてもう1つ、

「好きな色をたくさん使う」ということ。

これがかなりSNSで評価を受けました。
Twitterのフォロワーも数日で2000人と増え、驚きました。

こんな具合に。

最終的に6万いいね、1.3万RTと拡散されました。

そして3回目のイベントに出店が決まりました。

これも、同じ大学の方々が運営する学生作家のためのイベントで、2018年の10月に行われました。

前回のイベント後に反省したことを生かし、商品だけでなくパッケージやお店の見た目も工夫しました。

フォロワーが増えた影響で、このイベントではたくさんのTwitterでのファンの方々が来てくれました。
前回のイベントと比べて、自分自身もとても楽しかったし、ファンとして来てくれたお客様からも喜んでいただけました。

さて、ここでまた正直に言いましょう!
ここでまた調子に乗ってしまいます!
(性懲りも無いなー!)

このイベント後、つまり2018年の後半頃から私は「カッコイイ」「カワイイ」「スゴい」と言って貰える物を作らなくては!という気分に、また、囚われてしまいました。

この気分は恐ろしいもので、
どれだけ評価を受けたり凄いと言われても満足しないのです。
終わりが見えません。
自分は評価を貰っていることに感謝が出来ないのか、と嫌悪感を抱き、さらに落ち込んでしまいます。

どんどん方向性を見失ってしまいます。

「誰かのためになるもの」「自分の好きな色を使った表現」を中心に、ハンコで出来る新しい可能性を求めて頑張っているけれど、何だか面白くない
そんな気持ちになってきてしまいます。

このままではいけないと思い、2019年の2月頃少し作品作りをお休みしてみることにしました。

このお休みは、意外にもすぐに気分転換のチャンスを掴みました。

この2月の前半には大学の仲間達が企画した展覧会が行われました。

展覧会の初日、学科の仲間たちの、出展作品の講評会がありました。展示は絵だけでなく、プロダクト作品のようなものもあれば、自分の考えを伝える努力が伝わるものなど様々で、仲間達のそれぞれの自分なりの表現の仕方で作品が作られていました。

そこでまた、私は気付きます。

「みんな、自分の出来ることをやっているんだな」

私は、自分は背伸びをしまくっていたな、と思いました。
何か爆発的に評価されるような、急に新しい物を作らなければいけないような、とにかくスゴい物を作らなければいけない
そう思い込んでいたところがあったと気付きました。

自分の出来ることを精一杯やって、少しずつ進化しよう

その日見た朝焼けをハンコで表現する「朝焼け記録」は、自分の出来る方法で、素敵だと思ったことを表現しようと考えて作りました。

日常で発見する「いいな」「素敵だ」「可愛い」「大切にしたい」という感情を発信出来ると、私だけでなく私の作品を見る人もさらに新しい発見が出来るのではないか。
そしてさらにその発見で、少しでも、今いる環境に感謝出来たり、大切にしようと出来たり、それが繋がりに繋がって、平和に繋がっていくのではないか。

これからは「自分の発見を発信・共有する」ということを自分の出来る方法でやっていこうと思うようになりました。

最近では、「自分の発見」の表現は、ハンコだけにこだわらなくても良いかもしれないと考えています。
もちろん、ハンコでの表現が出来るということも私の出来ることの1つだし、この特技ももっと進化させていきたいので辞めるわけではありませんが、常に芯の部分に「発見の共有」を置いて作品作りをしていこうと今は考えています。

絵日記を描いたり

LINEスタンプを作ったり

好きだと思うものを分析したり

その他、消しゴムはんこをイラストとして活用する方法を考えたり役立つプロダクトを考えたり。

少しずつ、自分が良いと思う物を表現したり、やってみようと思うことをやってみて、次に進化していこうと考えています。

最近考えていることは、
少しでも問題を解決する作品を考えよう
ということ。

これは最近合計100円で買った副産物の木っ端です。
このように本来なら捨てられる物を使って、価値のあるものに変える「アップサイクル」をやってみようかなと考えています。
(まだどんな形になるか分からないけれど、楽しみにしていただけると嬉しいです。)

最近は、作家活動を将来、生業にしていくの?と聞かれることも増えてきました。
正直、生業にしたい気持ちもありますが、他に目指している生き方があるので、その生き方を目指す中で作家という面も持ちながら制作活動を続けていきたいと今は考えています。

私は消しゴムはんこのおかげで、この数年でもたくさん考え方が変わりました。きっとこれからも変わるんだと思います。

私は、時々立ち止まって、制作もやめて、ゆっくり考える時間を作ったり、たくさん分析したりすることも大切だと思っています。

大きなイベントで嫌でも目に付いてしまう周りと自分の差、ネットの評価も気になる現代、作品を生み出すことをしているとたくさん悩みが出てくるのは私だけではないはずです。

その中で、私は、自分の出来ることを見つけながら、進化していく作家になっていきたいと思っています。

最近の活動や作品は随時、TwitterやInstagramに投稿しています。
初めてこのnoteを見た方で興味を持っていただけた方、ぜひTwitterやInstagramのほうも見ていただけると嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

#消しゴムはんこ #制作 #作家 #作家活動

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空間デザインを学ぶ芸大生。小学3年生の頃から続けている消しゴムはんこの他、イラストを描いたりデザインしたり。好きな動物はペンギンと猫、色は虹色。Twitter・Instagramやっています。note初心者

コメント4件

すごく楽しそう♪
すげぇ。。。消しゴムはんこの予想をはるかに超えて、絵の可愛さとクオリティと版画的なアイデアとがはんこの枠から完全に飛び出して、走り回って、跳ね回っておりますな。読み進めるほどに、うーわ、うーわと感動しました。
活動も作品自体も凄いですが、気づきが素晴らしい! 作家活動以外にも通じることですね。感動しました。
地味に繊細で親しみやすい。けどいざ表に出る自分がちょっぴり歪んでしまう、みたいな性格が わたしにも似てるなぁと思いました。
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