2021年の音楽10選(まるやま調べ)
あと数時間で2021年も終わる。今年はどんな年だっただろうかと振り返る。
正直に言うと、私にとっては何も上手くいかない年であった。365日の中で心が沈んでいる時間の方が圧倒的に多かっただろう。
しかし私にはそんな心を支えてくれるものがたくさんある。
時に恋人であり、時に友人であり、家族、ペット、よさこい、、、
そしてそれは音楽であることも多い。芸術に触れることが容易くなった現代において共感してくれる方も多いだろう。
今年は特に素晴らしい音楽に出会えることの多い1年であったと感じる。
(芸術は往々にして沈んでいる時の方が心に響きやすいものであると思うので、低空飛行を続けていた2021年だからこそか、とも感じるが。)
芸術に貴賎無しとは思うが、私が今年出会った中で、ぜひ皆さんにも聴いていただきたい音楽を10曲セレクトした。
※今回は備忘としてももちろんだが、布教としての目的もあるためYouTube上に公式動画があるものだけに限って厳選した。
ファーストキッスは竜人くん♡(feat.清 竜人)/ねもぺろ from でんぱ組.inc
真面目な書き出しからの急転直下。すまん。
アイドルグループ「でんぱ組.inc」のメンバーである、ねもちゃんとぺろりんのユニット曲である。
まずねもぺろがかわいい。かわいいは正義だ。それについて全く書くことはないのでぜひ見てくれ。
私が伝えたいのは作詞作曲である清竜人の狂人性だ。
率直に申し上げてめちゃくちゃキモい。
普通の人間であれば、自分の名前をタイトルに入れた曲をアイドルに歌わせることが、どれだけキモいかわかっているはずである。
しかしこの男、言うに事欠いてアイドル2人に自分への愛の言葉を歌い上げさせやがったのである。
しかも挙げ句の果てに、MVでセンターを2人から奪う。
意味がわからない。俺たちはねもぺろを見に来たんだ。どいてくれ。
しかしこのキモおっさん、見ていて不思議とクセになるのだ。
画面映えする華やかなステップ、文句無しの歌唱力、アイドルばりに豊かな表情、くどい程のウインク。
正直かっこいい。キモさとかっこよさって同居できるんだな。
そんなこんなで清竜人パートを見るとニヤリとしてしまう。そうなったらあなたはもう立派な清竜人の女である。
ちなみに彼、普段はシンガーソングライターとしてめちゃくちゃかっこいい曲をたくさん歌ってる。この間THE FIRST TAKEにも出てた。
竜人くんの魅力の虜になったあなたはぜひ。
Elephant Ship/UNCHAIN
続いては3人組のロックバンドUNCHAINの登場。
このUNCHAIN、ジャズやソウル、シティポップまでなんでもござれの器用なバンドである。
昨年の6月にギター佐藤が脱退し、その後初となるフルアルバムからの一曲だ。
先述の通り、UNCHAINはあらゆるジャンルを網羅してきて、デビュー後と比べると大きく音楽性を変更してきた。
今回のアルバムも、新体制としての新たな道を示してくれた。
特にこの一曲は、雄大な歌詞とともに、無限に広がる未来への冒険を高らかに歌い上げた。
ちなみに彼ら、1996年から活動を続けているがいまいち知名度が上がらない。
UNCHAINと検索しようとするとサジェストで
やめてやれよ、、、。
インパーフェクト/オーイシマサヨシ
合体ロボアニメ「SSSS.DYNAZENON」(以下、ダイナゼノン)の主題歌として、売れっ子シンガーソングライターである、おしゃべりクソメガネ(本人談)ことオーイシマサヨシが歌い上げた一曲。
ロボットアニメの主題歌らしく、どこまでも爽やか且つヒロイックに、聴き手の背中を押してくれるような歌になっている。
オーイシマサヨシは、人をワクワクさせるような歌を作るのが本当にうまい。
アニメ本編への言及となるが、ダイナゼノンには、「SSSS.GRIDMAN」(以下、グリッドマン)という前作アニメが存在する。
グリッドマンは合体ロボというよりも、特撮アニメという方がしっくりとくる内容であった。
グリッドマンにおいて、主人公である響裕太が変身するグリッドマンと怪獣との戦いは、日常とはかけ離れた異物として描かれている。
彼らの戦いで日常が少しずつ壊れていく様も、主題歌としてオーイシマサヨシ(正確には、彼とギタリストTom-H@ckによるロックユニットOxTの曲)が歌っている。
同じくヒロイックな曲ではあるが、より"戦い"というものに焦点を当てたものに感じる。
一方でダイナゼノンでは、日常と戦いが同じテクスチャ上で展開される。
命懸けの戦いではあるが、そのためのトレーニングをめんどくさいからサボったり、ヒロインが時短として飛行機ユニット(ダイナウィング)に乗って登校してきたり。
戦いと同じように登場人物一人ひとりに生活があり、それぞれの思惑や願望に沿って物語が進んでいくのだ。
身の丈に合う、と言ってはつまらない言い方になるが、一人ひとりの大切なもののためにそれぞれが頑張るのだという強い応援歌としてのメッセージが込められているように感じる。
ちなみに彼、こんな顔しているがもう御歳41である。おかしい。
夜は仄か/Eve
バカ売れアニメ「呪術廻戦」の主題歌「廻廻奇譚」で一世を風靡したEveから一曲。
本当に純粋にかっこよすぎる。
これ以上特に言うことがない。
なんでこんなに難しい曲を軽く歌い上げられるのか。
あなたもカラオケに行く機会があったらぜひ歌ってみてくれ。無理だから。
踊/Ado
バカ売れ高校生シンガーAdoから一曲。
この曲も夜は仄かと同じである。
純粋にかっこよすぎるし純粋に歌がうますぎる。
人間の「踊りたい」という欲望をこんなに掻き立てる曲がかつてあっただろうか。
DECO*27による異様に耳心地が良い歌詞と、GigaとTeddyLoidの変態作曲が光る。
コロコロと曲調が変わっていく面白い曲だが、彼女の並外れた歌唱力がそれを可能としている。
伸びやかな歌い出しから始まったかと思えば、急にいかにも"パリピ"然とした歌い方になる。そしてサビにはAdoらしい力強さ満点の歌声に。正に七変化である。
1人の人間から出る歌声の種類じゃない。絶対にAdoちゃんはボーカルユニットだろ。
共犯/小林私
なんだかじわじわと売れ始めた小林私の一曲。
この記事の書き出しを否定するようではあるが、「歌は決してお前の味方ではない。都合よく染み入ってるだけだ。歌はお前の人生の責任は取ってくれない。」というアンチテーゼマシマシの鋭い一曲だ。
まあ言われてみればその通りである。
そんな歌をシンガーソングライターが歌うのだ。
そこに内包された矛盾こそ、この歌の説得力を高めるのだ。
そして彼、実は非常にイケメンである。
中性的な顔立ちにサラサラの髪、その力強いハスキーボイスを聞かなければ、間違いなく女性と見間違える。
だがしかし、彼はめちゃくちゃにキモいオタクだ。
頻繁にライブ配信を行なっているのだが、漂う清潔感の無さに、選曲の"古のオタク"感。
ずっとゲラゲラ笑えるので一見の価値アリである。(歌い出すと急にかっこいいのだが、、、)
音楽のすゝめ/日食なつこ
シンガーソングライター日食なつこによる力強い一曲。
共犯と同じく「音楽とは?」について歌った曲であるが、こちらは書き手側に焦点を当てた曲となっている。
先程から楽曲のどこがいいだとウダウダ書き綴っているが、そんな難しいことではなくただ心が動く、それが音楽の素晴らしさだ。
"音楽を聴く"こと自体にがんじがらめになるな。
と、彼女からまっすぐと目を見て語られているような気分になる。
そしてそれは彼女自身にとっても同じであろう。
強い情動を乗せて、魂がそう呼ぶ方角へ、ただ自分が進みたい道を妥協せず進むのだ。
進み続けなければ私の音楽は終わってしまうのだ。
そんな決意の歌であるようにも感じる。
磁石/aiko
先日結婚(していたこと)が発表された国民的シンガーaikoからの一曲。
aikoって一生レディじゃなくてガールだよねと、彼女から言われた記憶がある。
くっつくことと離れること、"あなた"への執着と訣別の意思を、磁石の動きに準えた一曲である。
ろくな男ではない。
おそらく"あたし"ももう愛想尽かせきり、男側もそれにやんわりと勘づいているのだろう。
苦しい。
ちなみにaikoを聴き始めたきっかけは、彼女とaikoのライブに行ったことなのだが、めっっっちゃくちゃ楽しかった。
歌もMCもうますぎるし、めちゃくちゃかわいい。
声を出せないことが本当に惜しまれるライブであった。
恋のシュプリーム!/fhána
かわいい。ほんまそれだけ。
あまりにかわいすぎる。
表情筋が死滅したボーカルtowanaと、その横で動きも顔もけたたましいラップkevinの対比がクセになる。
ぜひMV付きで見てほしい。
ちなみにアニメ「小林さんちのメイドラゴンS」の主題歌であるが、このアニメも無限にかわいいのでオススメ。
怪物/YOASOBI
今の日本のミュージックシーンにYOASOBIは外せないだろう。
それくらい日本の音楽のターニングポイントであると感じる。
CDTVみてたら半分以上YOASOBIで埋まるんだから。(人の評価で音楽の好き嫌いを決めるな)
いやしかしいくらちゃんの歌声は、Adoちゃんとは全く逆方向にうますぎると感じる。
音を一つひとつ丁寧に、正確になぞる。いわば有機VOCALOIDだ。
だったらVOCALOIDでいいじゃないか?それは違うだろう。
「夜に駆ける/初音ミク」
であったらあなたは聴いたか?(もちろんVOCALOIDを貶しているわけではないのは分かっていただきたい。)
VOCALOIDの世界に、魅力的で人の心を動かす音楽は沢山ある。
もっとたくさんの人の目(耳)に触れて欲しい。その音楽性をお茶の間に押し出したことこそYOASOBIの功績だと私は考える。
その上でいくらちゃんの歌声は唯一無二だろう。
人間の域をちょうど一歩踏み越えた無機質と、その中に垣間見えるいくらちゃんの人間性。
その矛盾とギャップがなければこの複雑な音楽性は日本で受け入れられなかっただろう。
まとめ
まあ結局は、私は自分が好きな曲をみんなにも好きになって欲しいのだ。
あなたの2021ベスト10は何だろう?ぜひたくさんPRしてほしい。
2022年も、たくさんの素敵な音楽に出会えることを楽しみにしている。
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