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Tableauで株価チャートを作ってみる①(ガントチャートでローソク足作成)

TableauでのViz作成の練習として、株価チャートでおなじみのローソク足を作ってみました。作成にあたっての考え方と使用したTableauの機能についてまとめたいと思います。

今回は、2023年1年間の日経平均の推移を題材にしました。

▷ 作成したVizはこちらで公開しています


1.テーマ選びの理由

一番の理由は"元金融SEの私にとってなじみ深いこのチャートをTableauで再現してみたかった"というシンプルなものです。

加えて、「ローソク足の持つ意味ひとつひとつをTableauで再現するにはそれぞれどのような機能を使用すればよいか」ということを考えることでTableauの機能への理解が深まると考えました。

2.ローソク足とは

まず、ローソク足チャートとは株式の4本値(始値・高値・安値・終値)を1本の線で表現し、株の値動きを見えるようにした図です。

1日の値動きを1本の線で表したものが日足、1週間の値動きを1本の線に表したのが週足です。

値上りした場合(陽線)、値下りした場合(陰線)それぞれ以下の図のような表現となります。
高値・安値を表す線を「ヒゲ」始値・終値を表す線を「実体」と呼びます。

SMBC日興証券HPより引用

3.データソース

データソースとして利用したのはGoogleスプレッドシートの「GoogleFinance関数」で取得したデータです。
日経平均株価の4本値を2023年初分から取得しました。

なおスプレッドシートはTableauからの直接接続が推奨されていないようなので、Excelダウンロードしたデータを読み込んでいます。

※GoogleFinance関数の詳細はこちらを参照ください。国内個別株には対応していませんが日経平均株価は指数(NI225)として取得可能となってます

4.Tableauで表現する場合の考え方

データソースの株価は日単位なので、まずは日足にチャレンジしました。

① 使用するチャート

今回は「実体」「ヒゲ」それぞれをガントチャートで作成し、二重軸で表現する方法を選択しました。

ブレットグラフを用いる方法も考えたのですが、陰線・陽線の区別を表現する方法が思いつかず今回はガントチャートでの作成としました。

➁高値・安値(ヒゲ)の表現

まず1つ目のガントチャートはヒゲ部分。
取引日の「日」を列に、安値を行に入れてガントチャートを作成しました。
そのうえで(高値-安値)の計算フィールドを作成してサイズに入れます。

(安値)を起点に(高値-安値)の差の長さ分、グラフが上に伸びるかたちとなり、「ヒゲ」ができあがります。

※サイズをクリックしてグラフの幅を細くして棒状に見せています

③始値・終値(実体)の表現

「実体」も基本的には「ヒゲ」とおなじ要領で作成しました。
こちらは(始値)を起点に(終値-始値)の差の長さ分グラフが伸びます。
「ヒゲ」と異なるのは、値下がりしている場合には(終値-始値)がマイナス値になることです。この場合は、グラフは下に伸びるかたちとなります。

※こちらはグラフの幅を少し大きめに設定して箱状にします

④陽線・陰線の表現

値動き(その日、値上りしたのか値下りしたのか)を表す陰線/陽線の区別は、よくあるチャートでは赤と青(もしくは白黒)に色分けして表現されることが多いです。

こちらは以下のような計算フィールドを作成し、これを色に入れました。

だいぶローソク足っぽくなりましたね!

⑤完成

作成した「ヒゲ」(始値)と「実体」(安値)を二重軸にすると完成です。

おまけ:為替相場の動きとの比較

せっかく年間チャートを作ったので他の指標との関連性についても見てみようと、日経平均株価と為替の値動きの連動性グラフを一緒に表示してみました。

2023年1年間の日経平均株価と為替(いずれも終値)の推移
4月-6月推移

・大きくは「円安・株高」の方向に値動きした1年であったこと
・2023年は3月半ばから6月半ばにかけて日経平均が続伸しており、その時期はドル・円の為替相場も連動して円安方向に動いている
ということが見てとれます。

一方で6月後半以降、日経平均の伸びが落ち着き上がったり下がったりの傾向に転じると、連動性は低くなっている(時期によっては逆の動きになっている)ように思われます。

※この背景にはいろんな要因があるのだとは思いますが、この記事でこれ以上の考察は割愛します

このように他の指標との比較など、データを簡単に可視化できるのはTableau の魅力だなと改めて感じました。

5.おわりに

最初は難しそうに感じたローソク足でしたが、以前勉強した「ガントチャートのサイズに値を入れて長さを表現する方法」を使うと日足は比較的簡単に作成することができました。

株価チャートはいろんな金融サイトで見ることができるので個人がTableauで作成する必要もないのですが、
最初の目的に書いた通り「ローソク足の構造をTableauでの表現にあてはめるとどうなるか」ということをひとつひとつ紐解いて取り組めたことはとても良い勉強になりました。

ただ日足では2023年1年分を表示するとどうも見ずらく…。
1年分を見やすく表現したいと週足(週単位のローソク足)の作成にもチャレンジしてみたのですが、これはまた違ったところで勉強になったので次の記事にまとめたいと思います。

お読みいただきありがとうございました。

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