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明烏、を観た!

制作:2015
監督:福田雄一
撮影:佐藤康佑
出演:菅田将暉 城田優 吉岡里帆 若葉達也 新井浩文 佐藤二郎

■あらすじと感想
1000万円の借金の返済金を準備した売れないホスト・ナオキ。お祝いにホスト仲間とパーティーを開くが、翌日朝に目を覚ますと、それは夢。返済時間まではあと12時間。果たして、返済はどうなる!というお話。

■面白い!のひとこと。演出の福田雄一さんは演劇出身らしく、映画ではあるが舞台を見ているような演出で新しい映画体験をさせて頂いた気分です。映画と演劇の融合とはこういうことなのだろう、と感心させられました。「俺はまだ本気出していないだけ」「HK変態仮面」など何作かは観ましたがコメディの天才と言われるだけあって計算された演出が光ります。褒めすぎですが、その中でもこの作品は全てが舞台構成で演出されており、場面転換は舞台転換を意識して演出されたのではないでしょうか。

明烏7 (2)

■主人公の菅田将暉は相変わらずの天才ぶりを発揮し、助演の吉岡里帆はほぼデビューのようなキャリアでありながら不細工な役どころを最後まで演劇的に食いついたガッツは吉岡里帆の現在の活躍を占うものと考えます。吉岡里帆からは普通のテレビドラマ出身の役者さんとは一線を画す女優のガッツを全身から感じます。他出演者の若葉達也、ムロツヨシ、佐藤二郎などスクリーンという舞台から客席への見せ方をよく知る個性派の出演者たちに一歩も引かないイイ女優だと思います。ファンになってしまいました。

明烏4 (2)

■好きなカットは、地下想定の事務所の階段をムロツヨシが下りてくるシーン。他、この階段から降りてくる、また上にあるホストクラブのお店との行き来が良く出来ています。この階段が映画と演劇の境目のように感じられ非常に好きなカット、というかシーンです。また、菅田将暉の一人芝居も好きです。このコラムでは映画の1カットを取り上げるようにしているのですが、演劇場での映画なので今回はシーンで勘弁してください。もう一回観たい、と思わせる映画でした。ではでは。

明烏2 (2)


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