人間は変わらない。成長はする。

定期的にやってくる仕事への無関心、猛烈な倦怠感。心底面白くないが惰性で動いている。でも惰性だ。私は本来成長することに重きを置いている。成長を定義するとするならば、「できなかったことができるようになる」だ。これはめちゃめちゃ面白い。死ぬまでこういう体験に満たされていたい。というか、なければ退屈で死んでしまう。趣味にしても、スポーツにしても、仕事にしても、定期的に新しいことを始めてきたように思う。思えば、毎年何かしらの変化があった。それはほとんど自分で起こした変化だ。変化が好きなのだろう。何も変わらない退屈さに耐えられないんだろう。これが自分の特性の一つなんだろうと思う。なんで、と聞かれても「それが好きだから」としか答えようのない質問がある。多分それだ。

衣食住が満たされ、それなりに貯金ができるようになった時に、では次に何を求めるか。これこそが次元の高い動機となる。自分はやっぱりできなかったことができるようになることで得られる高揚感が好きなのだろう。仕事でそれができればもっとも満足感が高いだろうが、そこで満たされない場合巣ポーツや語学やプログラミングを始めてみようと思ったりする。つまり、今は仕事でそれが満たされていないという事なのだろう。衣食住と金銭以外のところで、明確に達成感や高揚感を感じられる事はいまのところやっぱり「できなかったことができるようになる」なのだ。

では仕事でこれがなかなか達成できないからといってすぐに転職するのか、といえばそんなに簡単ではない。今できないけどできるようになるかもしれないことで雇ってもらえる仕事というのは、基本的にない。特にある程度シニアのポジションであれば当然ない。だから、仕事はとにかく眠いけど続けて、仕事以外の活動で満たすしかない。でもそれもそろそろ飽きてきてしまったというのが本音だ。仕事は一応朝から日が暮れるくらいまでの時間を会社にコミットしていなければならない。一番貴重な大切な時間を、眠いことに捧げるなんて苦痛である。これは2年くらい変化がないと必ずこういう状態になる。そして苦し紛れに転職することになる。幸い、同じ職種の他社へ行く分にはそこまで難しくない業界である。しかし、会社が変わったところでそこまで変わらない。周りの人と上司と組織の雰囲気と客層が少し変わるくらいで半年くらいでなれる。だからこれはまた2年延命するだけの措置であって根本的な解決ではない。そして私はこの延命措置のためだけに転職することをもう心底辞めたいと思っている。

解決法は2つだ。いや、もちろんそれ以外にもたくさんあるだろう。しかしなかなか選択しづらいことを除いていくと、やっぱり2つくらいになる。まずひとつは、現状維持に腹を据える事。つまりこれは、諦める、慣れる、こなすということ。これは正直自分にとっては一番チャレンジングなことだ。常に動くことを選択してきたからだ。そして直感的に動いていたほうが自分らしいような気がしている。動いていないことが動けないに変わってしまうのがきっと怖いのだ。二つ目は、まったく違う業界もしくは職種に行くことだ。きっともう15年くらい似たような業界にいた事で新しい刺激を受けなくなってしまっていることが根底にあるのだとすれば、まったく新しい環境であれば、2年ではなく10年は刺激的に過ごせるのではないかというただの希望的観測だ。前者は実現可能性は100%だが自分の内的好奇心を殺す。後者は実現可能性が相応に低いかもしれないが、知的刺激に満たされた生活を送れる可能性が高い。

転職などをするときに考える事なんてこんなもんだ。つまり動機ということになるだろう。これを面接で話すか?いや、絶対話さないほうがいいだろう。簡単にまとめたら、「飽きたから刺激が欲しいだけ」ということになってしまい、それははっきり言って採用側が聞きたい言葉でもなんでもないし、こっちが話したいことでもなんでもない。だから、面接は面倒なんだ。一体何が効きたいのか全然伝わってこないようなことばかり聞かれるから、当たり障りない感じの会話をするしかないんだ。

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