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思春期の脳は「子ども」!脳が完成するのは早くても25歳

外見が大人なら、精神的にも成長していると親は考えたくなる。しかし思春期の脳は、まだ未完成な「子供脳」であって、「大人脳」とはまったく違う。
脳の「思考・判断を担当する部分」が完成するのは、早くても20代後半なのだ!

(1)脳は3つの部分から出来ている
‐大脳・小脳・脳幹

人間の脳は、大人で平均1.2~1.5キロ。全体の80%が「大脳」で、残り10%が、それぞれ「小脳」と「脳幹」。脊髄にくっついた脳幹は、呼吸や血圧など、生存に必要な機能を管理する。小脳は運動機能の管理を担い、それ以外の役割は大脳が担当する。

(2)考えるのは「大脳表面のシワシワ部分」
‐大脳皮質・前頭前野

大脳表面のシワシワ部分が「大脳皮質」で、大脳皮質のおでこに当たる部分を「前頭前野」という。前頭前野は、脳の「思考・判断を担当する部分」として、論理的に考えて判断する。前頭前野は、欲望や本能的な欲求を「抑える」役割も持つ。

(3)記憶や感情は「大脳の奥」が担当する
‐皮質下構造・大脳辺縁系

大脳皮質の下に広がるのが「皮質下構造」。「大脳辺縁系」は皮質下構造の中心部分で、記憶やさまざまな感情を管理する組織が集まっている。

大脳辺縁系は、乳児期から発達を始めて青年期に発達の最盛期をむかえる。特に「恐怖の感情」は早くから発達して、10代から20代前半は、恐怖を感じるモノに惹かれるようになっている。

しかし、若者が「怖いもの知らず」なのではない。彼らは恐怖を乗り越えるときの「ワクワク感」に惹かれるのだ。人類は「若者が未知の領域に挑戦するように進化してきた」と、考えられている。

(4)場所によって、時間差がある「脳の成長」
大脳辺縁系が早くから発達するのに、前頭前野は成長のペースが遅い。前頭前野での「脳細胞どうしのつながり」が完成するのは、早くても20代後半になる。

人間は生まれたときから、およそ1000億個の脳細胞を備えている。しかし脳の機能にとって重要なのは、脳細胞の数ではなく「脳細胞どうしのつながり」。

「脳細胞どうしのつながり」が最も早く完成するのは脳幹、次いで小脳だ。大脳辺縁系は青年期には完成して、最も遅く完成するのが大脳皮質。中でも前頭前野での「脳細胞どうしのつながり」が最も遅い。

欲求を「抑える」前頭前野は、思春期では全体の80%しか完成していない。思春期の脳は、大人の脳より「誘惑」に弱いのだ。


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