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診断は変形性股関節症!【変形性股関節症からの脱出 第3回】

「いかにも外科」という感じの医師は、写真を一瞥して即答した。

「変形性股関節症です。治療には手術が必要です」

「手術」の2文字にたじろいでいると、医師は説明を続けた。

「股関節は、骨盤と太ももの骨(大腿骨)をつなぐ関節です。骨の表面には動きを滑らかにする軟骨があります。軟骨はレントゲンに写らないので、正常な関節にはすき間が見えます。ところが軟骨が摩耗すると、骨同士が直接当たって痛みの原因となるんです

医師はそう言って写真を指さした。

正常な骨盤と大腿骨の間は「すき間」が見えるのに、変形性股関節症になると「すき間」がなくなっている。
(見出し画像「左」が正常な股関節、「真ん中」が変形性股関節症)

右足はなんともないのに、なぜ左足だけ軟骨が摩耗するのか。理由を聞いてみた。
「それはわかりませんが、そのままにしておくと症状は進行します」

医師はそう言って「症状が進行した写真」を指さした。

まるで骨同士がぶつかってめり込んでいるようだった。
(見出し画像「右」が、医師が指さした「症状が進行した写真」)

「手術では大腿骨の先端を切って、人工股関節を埋め込むことになります。手術自体は難しくないので、術後2週間ほどで退院できますよ」

そんなこと突然言われても「じゃあお願いします」……
なんて、言えないじゃないか!
そう思っていると、医師は言葉を続けた。

「とりあえず、痛み止めの注射を打ちましょう」

「それと湿布と飲み薬をだしておきますから、保存療法で様子を見てみましょう

保存療法とは理学療法士の指導でマッサージや運動をして「進行の程度を遅らせる」治療法。処置室で横になり、注射を打ってもらった。

「痛みがひどいようだったら言ってください。別の注射もありますから」

横になっていた、ぼくの頭の上を……
「医師の言葉」が、通り過ぎていった。

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