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「子どもが受け入れない聞き方」とは?

大人が「子どもが受け入れない聞き方」をするパターンは、2つある。
「上から目線」と「自分の欲求を優先する」態度だ。どちらも「意識をせずにしている」場合が多い。たとえば……

相手より自分が「何か解決策を知っている」と思っていたら、意識していなくても「上から目線」になっている。相手を「自分だけでは解決策をみつけられない」と思っているからだ。

「忠告」や「注意」として行われる「アドバイス」は、相手に解決策を示す「行動の指示」。まさに「上から目線」だ。さらに、相手の感情を打ち消して否定する「激励」も、上から目線がなければ生まれない。

親が子どもの話を「上から目線」で聞いてしまうのは、親子関係が「保護する‐される」上下関係から出発するから。しかし思春期以降は、縦の関係(上下関係)ではなく、対等な横関係にチェンジする必要がある。

「上から目線」だけでなく、「自分の欲求を優先する態度」も、「子どもが受け入れない聞き方」になる。「自分の欲求を優先する態度」は、「人の話を聞けなくなる気持ち」に直結するからだ。

「人の話を聞けなくなる気持ち」は、「他の人からほめてもらいたい気持ち」と「自分を守ろうとする考え」からできている。

人の話を聞いているはずの場面で、いつの間にか「自分が話している人」がいる。人の話を聞いていると、「ほめてもらいたい気持ち」が刺激されて、「話したく」なってしまうのだ。

「自分を守ろうとする考え」も、やっかいだ。誰だって得意で、好きなジャンルがある。鉄道好きなら鉄道ネタで盛り上がれるが、興味のない人には苦痛でしかない。話題を変えたり、自分の価値観を押し付けたくなってしまう。

「人の話を聞けなくなる気持ち」は、誰でも持っているし、とても強い気持ちだ。相手への遠慮と敬意が、かろうじて暴走を食い止めている。

自分の話は「聞いてもらう」のであって「聞かせる」のではない。
相手の話も「聞かせてもらう」のであって「聞いてやる」のではない。

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