読書記録(永遠の途中)
登場人物に分けて少しずつ話をまとめて物語が進む形は、唯川恵さんのスタイルなのね。
これまでの作家さんではなかったスタイルなので新鮮に感じます。
この小説、一番最後にタイトルに結びつく。
「今日が、少しずつ、昨日に近づいてゆく。
生きて来たすべての時間を、こうして昨日に変えてきた。そうやって今日を昨日にしなければ、明日という日もやって来ない。
まだ、途中だから。生きている途中だから。」
過去と未来の境い目、今を生きていることは永遠の途中だ。
それからこの小説のテーマである女性の生き方。
結婚して家庭を守ることが良いのか、
仕事を続け自分一人でも生きていける道を開拓して行くのか、
家庭を守り、仕事もするのか、
どれを選ぶかは人それぞれ。
どれを選んでも正解でも不正解でもないなぁ。
どの道でもうまくいかない時や別の道を選択すれば良かったと思うことはあるだろうし。
個人的には乃梨子の生き方が好き。
物語の途中、60歳になった乃梨子が歳を重ねても、若い頃に想像していたよりも成熟した人間でないと感じる場面、自分でもそう思う。
歳を重ねて大人になってもまだまだだと思うことばかりです。
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