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YOASOBI『勇者』 楽曲分析ノート

 今回はYOASOBIの『勇者』についての楽曲分析をしていきたいと思います。

YouTube:

使用MIDI:
https://yamahamusicdata.jp/data/77594

注意:

  • Key Cに変更して分析しています。

  • 上記MIDIを分析しているため、オリジナルの曲と異なる部分があります。

  • 筆者は音楽の専門家ではないため、もし誤りやアドバイスがありましたらご連絡いただけると幸いです。


個人的に興味深い点

使用される主要な楽器一覧

リディアンモードからの借用和音

10,18小節でリディアンモードから借用和音している。
このことは、曲を神聖な雰囲気にする効果がある。

4,5度ハモリ

通常のハモリはメインボーカルに対して3度, 6度でハモることが多いが、この曲のコハモリは4,5度のハモリが多く出てくる。
→聖歌のハモリに近いことをやっている。

サビ入りのピアノ

51-52小節にかけてのピアノは特に当てはまるスケールは存在しない。

詳細

曲構成

  • Aメロ1

  • イントロ

  • Aメロ2

  • Bメロ 

  • サビ

  • 間奏

今回はここまでを分析

Aメロ1 (4-20小節)

コード進行:
※ Key Cに直した場合
※ 各行頭の番号は小節数
4 Am G
6 Am F♯m7 Bm7 E7
8 Am G
10 Am F♯m7 F♯m7/♭5 F♯m7 Bm7/13 E7
12 Am G
14 Am F♯m7 Bm7 E7
16 Am G
18 Am F♯m7 F♯m7/♭5 F♯m7 Bm7/13 E7
20 -

コード分析:
10,18 小節:
VI - ♯IVm7 - ♯IVm7/♭5  - ♯IVm7  - VIIm7 - III7

このうちVI以外はノンダイアトニックコード。
以下のような解釈ができそう。

  • F♯m7:Aメジャーキーからの借用和音

  • F♯m7/♭5:Cリディアンモードからの借用和音

  • Bm7:上記どちらの解釈も可能

元々がCメジャーキー(=平行長はAマイナーキー)であったため、
Aメジャーキーからの借用和音は曲を明るめにする効果が見込める。
またリディアンモードからの借用和音は曲を神聖な雰囲気にする効果がある。

主要な音色:
 4 Vo. / Pf.
12 Vo. / Pf. / Chor. / Ba. / Sax. / Glo. / Mrmb. / Dr. 

メロディ特徴:
ハモリ:
通常のハモリはメインボーカルに対して3度, 6度でハモることが多いが、この曲のコハモリは4,5度のハモリが多く出てくる。
→聖歌のハモリに近いことをやっている。

裏メロ:
サックス&鉄琴とマリンバがそれぞれ別タイミングで演奏される。

イントロ (21-28小節)

コード進行 :
※ Key. を元に作成
21 Am Em
25 Am F D5 C E5

主要な音色:
21 Ba. / Pf. / Key. / Brass / Sax. / Chor. / Mrmb. / Dr.

メロディ特徴:
メイン:
Pf.(3オクターブ)とSax.(2オクターブ)が同じメロディ。

裏メロ:
Chor.(4声)とMrmb. が別タイミング

ベース特徴:
Ba. に加えてBrassもベースの役割を果たす。

伴奏特徴:
Keyにより演奏

Aメロ2(29 - 44小節)

コード進行:
※ Ba.を元に作成
29 Am
33 Am F E
37 Am
41 Am F Em

主要な音色:
29 Vo. / Ba. / Pf. / Key. / Sax. / Glo. / Mrmb. / Fl. / Dr.
37 Vo. / Chor. / Ba. / Pf. / Key. / Sax. /
43 + Fl.

メロディ特徴:
29-36小節:
裏メロに使われてる楽器が次々に変わる。

Fl. -> Pf. -> Key. -> Mrmb. -> Fl. -> Sax. -> Key. -> (Pf. + Mrmb.) -> (Key. + Mrmb.) -> (Key. / Sax. / Glo. / Mrmb. / Fl.)

36小節目最後で様々な楽器(Key. / Sax. / Glo. / Mrmb. / Fl.)が合流するが、Fl.以外は同じ旋律を演奏しているので散らかりはしない。

37-44小節:
様々な楽器でイントロと同じメロディとベースラインを演奏する。
・Pf. : イントロメロディ 2オクターブ分
・Key. : イントロメロディ + ベース
・Sax. : イントロメロディ 2オクターブ分 + ベース

Bメロ(45-53小節)

コード進行:
45 Am
49 F

主要な音色:
45 Vo. / Chor. / Ba. / Pf. / Key. / Glo. / Chor. / Mrmb. / Fl. / Dr.
49 Vo. / Chor. / Ba. / Pf. / Key. / Brass / Sax. / Glo. / Dr.
51 Vo. / Chor. / Ba. / Pf. / Key. / Dr.

メロディ特徴:
裏メロ:
・45-49小節はChor. & Glo. と Mrmb. と Fl. がだいたい順番に裏メロを演奏
・49小節に入る直前の楽器:
  ・Pf. 5オクターブ
  ・Key. 
  ・Brass 2オクターブ
  ・Sax. 2オクターブ
・49, 50小節に使用する楽器:
  ・Pf. 2オクターブ
  ・Key.
  ・Brass.
  ・Sax. 2オクターブ

ピアノソロ:
・51-52小節にかけてのピアノは特に当てはまるスケールは存在しない。

伴奏特徴:
49小節からは Pf. / Key. による伴奏

サビ(54-70小節)

コード進行:
※ Key. を元に作成
55 F G G Am
59  Dm C Bm Bm6
61 Am G5
63 F5 G5 F Em C6
67 F5/A F5/C D5 C5 E5

コード分析:
59, 61小節
IIm - I  - VIIm - VIm -V
63小節冒頭のFに向かって全音ずつ下がる

主要な音色:
55 Vo. / Chor. / Ba. / Pf. / Key. / Brass / Sax. / Glo. / Dr.

メロディ特徴:
裏メロをPf. (だいたい5声)、
合いの手をBrass(3声)が担当

伴奏特徴:
Key.(3-4声) / Sax.(2声) で伴奏を分けている。

間奏(71-78小節)

コード進行:
※ Key. を元に作成
71 A5 C5 G5
75 A5 G5 E5

主要な音色:
45 Ba./ Pf. / Key./ Brass / Sax./ Glo. / Chor. / Dr.

メロディ特徴:
メイン:Pf.
裏メロ:Chor.
合いの手:Brass

伴奏特徴:
Pf. / Key. / Sax. / Glo. を使用


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