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【本の紹介】アダム・スミスが考えた競争と幸福

  こんにちは。ポアソンです。
  本日は、「アダム・スミス」という本を紹介します。

  アダム・スミスは「神の見えざる手」で有名な人物です。

  「政府による市場の規制を排除して、競争を活発化させると経済が豊かになる。」
  という話は聞いたことがある方もいると思います。

  ただ、私はこの話に1つの疑問を持っていました。
  それは、「競争は経済を豊かにしても人を幸せにしないのではないか」
  ということです。
  アダム・スミスは、国民の幸せも考えたうえで、経済を豊かにすべきと
  考えたらしいと知りました。その答えを教えてくれたのが
  今日、紹介する「アダム・スミス」という本です。
  アダム・スミスが考えた「競争」と「幸せ」の関係を知りたくてこの本を読みました。読んで印象に残ったことをここに書いていきます。

<競争によりもたらされる幸福>
 アダム・スミスは競争によって、最低限の生活ができる人数が
 増加して、社会全体として幸福になると考えていたようです。

 スミスは、18世紀にイギリスで産業革命が起きている中
 「神の見えざる手」という有名な言葉を生み出した「国富論」を出版しました。

 出版当時は格差が拡大して、最低限の生活もおくれない
 貧困家庭が増えていたそうです。
 そのような状況で、スミスは、資本家が儲けられるようにすることで、貧困家庭も最低限の生活をおくれるようになると考えました。

   市場の規制が撤廃して競争を活発化させれば、資本家が儲かるようになる。
   ↓
   資本家が儲かれば、さらに儲けようとして従業員を増やすようになる。  ↓
   資本家は、従業員を継続的に働かせるために最低限の生活を
   保証するため、最低限の生活をおくれる人が増える。

   これは現代においても企業と従業員の関係も同じだと思いました。
   私も所属している企業が儲けを生むことで、
   従業員として雇用されて最低限の生活をおくれています。

<最低限の「財産」があると「幸福度」は上がらない>
   最低限の生活ができると「財産」が増えても「幸福度」は増加しないとスミスは考えていました。
   
   私の場合、年収が増加(微増ですが・・・)しても
   確かに幸福度は上がっていない気がします。
   それは今まで最低限の生活ができていたからだと思います。
 
<幸福度は上がらないのに人間が財産を増やそうとする理由>
   では、人は「財産」を増やしても「幸福度」は上がらないのに
   なぜ財産を増やそうとするのか?
   それは、人間は尊敬をされたい野心があるからだとスミスは考えました。

   人が尊敬されるためには、スミスは「2つの道」があると考えました。
   ・財産の道・・・財産を増やす
   ・徳や英知の道・・・人間の倫理観やスキルを磨く

   「財産の道」は「徳や英知の道」よりも人から尊敬を受けやすいため、
   人は財産を増やそうとするのだそうです。
      
   「徳や英知の道」を歩むことでも、人間から尊敬を受けることは可能です。
   しかし、徳や英知は財産に比べて、人から見た時に
   優劣がつけにくい点があります。
   財産は、「年収5億円、資産100億円」など定量的にすぐ説明が付きます。
   しかし、徳や英知の程度は定量的な説明が難しい。
   例えば、世界長者番付はありますが、世界徳のある人ランキングは聞いたことがありません。それは徳や英知について定量的に説明するのが難しいからではないでしょうか?

<「財産の道」・「徳や英知の道」は両立できる>
  では、財産を増やすことだけ考えればいいのでしょうか?
  スミスは「財産」を増やすことを否定していませんが、
  汚い手段(人から詐欺などでだますなど)を使って財産を築くことは
  否定しています。
  スミスはあくまでフェア・プレイを前提として財産の道を歩むべきだと主張します。

  フェア・プレイが前提となれば、「財産」を増やす過程には、
  結果的に「徳や英知」を磨くことになるだろうというのがスミスは考えました。

  確かに財産を持つ人の多くは、一部を除いて
  「徳や英知」を磨いてきた方たちだと私は思いました。
   年収の高い仕事につくには、それだけ経験やスキルが問われるからです。
 
<アダム・スミスを読んで>
 アダム・スミスの考えを知り、「財産」、「徳や英知」の両方の道を歩んでいきたいと感じました。
私は他人から尊敬されるためではなく、生活を豊かにするため財産は増やしていきたいと思います。
一方で、「徳や英知」を磨くことで周囲の方から尊敬してもらえるような人になりたいとおもいました。今までは「財産」を増やすことを気にしがちで、「徳や英知」を磨くことは意識していなかったように思います。
今後は「徳や英知」を磨けるように努力していきたいです。
競争や幸福に疑問を思った方いましたら、ぜひ「アダム・スミス」を読んでみてください。

以上、ポアソンでした。


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