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異人館画廊シリーズ

わたしはあまり小説を読まないのだけど、
好きな作家さんがいる。
谷瑞恵さんの本は読みやすく、
世界観がわたしの好みなのだ。
久しぶりに読み直そうと手に取ったのは、
「異人館画廊」シリーズ。
全7巻で第1シリーズは完結している。

絵画に隠された謎に迫る美術ミステリー
生死や感情を象徴するモチーフを絵画にして、それを見た者の無意識下に働きかける技法、図像(イコン)。英国で図像学(イコノグラフィー)を学んだ千景は、画廊を経営する祖父の死に際し帰国するが・・・。幼馴染みの透磨とともに、絵画に隠された真実に迫る。

集英社オレンジ文庫

描かれたアトリビュートの組み合わせ次第で、
その絵に意味が付される。
それらをただ鑑賞し、
こんな場面なんだろうかとかと表面的に受け止めるものではなく、
潜在意識に直接刺激を与えてしまうような技術があるらしい。
その中には人を混乱させ、
最悪死をもたらすほどの強力なものもあるのだとか。
実際そのような影響をもたらす絵が存在するのかどうかはわからないが、
主人公:此花千景はそういった図像術を研究している。


育ての祖父が亡くなったのを機に、
イギリスから帰国した千景。
祖父が集めた6名で珍しい絵画を入手して鑑賞する「cube」という名のサークルがある。
祖母の鈴子
鈴子が営むカフェギャラリーの店員瑠衣
占い師の彰
千景の幼馴染である透磨
メンバーには顔を伏せているカゲロウ
一見怪しいメンバーの中に、
祖父亡きポジションに半ば無理やり引き入れた千景。
絵を観たことで人が死んだとか、
そういった噂や相談があれば、
その絵が本当に図像術を用いたもので、
更に人へ悪影響をもたらす絵なのか確認しようと動き出す。
悪影響をもたらすような怪しい絵が出回っているとなれば、
そこには事件性を孕んでおり、
絵に近づくほどに危険もまた伴う。


千景は、
子供の頃から目に映る全てのものに意味があると思っていて、
周りからは気味悪がられる事が多く、
両親からも忌嫌われていた。


彼女の目に映るものがどんな風に見えるのか、
正直想像に難いのだが、
絶対音感を持っている人のそれと似ているのではないか?と想像する。
聞こえる周囲のあらゆる音が音階を持っている…とか。
不協和音に聞こえてストレス…とか。
わたしには絶対音感もないので想像ですけれど。


わたしは絵画に詳しくもないけれど、
美術館に並ぶ有名な絵画などは、
そういった怪しさを持っているのではと思ってみてしまう。
そんな興味を持たせてくれるお話。
わたしの好きな本です。


最後まで読んでいただき、
ありがとうございました。
谷さんの本をまた読み返しているので、
また紹介します。
しばらく続きます。
では。

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