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唐揚げと焼き肉のタレの魅力

 どんなことでも、まずやってみることは大切だ。やってみて初めて気がつくことある。

 コロナ禍になってから、料理をする機会がとても増えた。はじめは簡単で失敗しにくいもの、カレーとかシチューとか肉じゃがとか(味付けが違うだけで手順はほぼ一緒の料理だ)から料理することに慣れていって、レパートリーを少しずつ増やしていった。

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 ある日、母親から食材が送られてきた。実家は農家ではないのだが、家庭菜園よりも本格的に野菜を栽培しており、季節の食材や手料理が時々送られてくる。ありがたいことだ。そして今回送られてきたたくさん野菜の中に唐揚げも入っていた。タッパーに40個くらい。

 子どもの頃から慣れ親しんだ味、その程度の感想だったのだが、知り合いにお裾分けしたところ全員が口を揃えて「こんなに美味しい唐揚げ食べたことない!」と言う。半分お世辞だろうけど、改めてよく味わってみると確かに美味しいと思う。定食屋で出てくる唐揚げ定食比べても格段に美味しいような気もする。そもそも味付けが普通の唐揚げとは何か違うような気もする。

 後日母親に電話する機会があり唐揚げについて話したところ、わざわざ特製のタレを作ってそれに漬け込んでいると教えてもらった。「特製タレ!?」。料理好きなことは知っていたが(その昔、料理好きが高じて、辰巳琢郎時代の「食いしん坊万歳」にも出演したことがあるほどだ。)、わざわざオリジナルのタレを用意してまで唐揚げ作っていたのか、知らなかった。

 数日後、また荷物が送られてきた。醤油の空きボトルに「焼き肉のタレ」と手書きで書かれた物が入っていた。(焼肉の間の「き」はいるのだろうか…)

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 これがあの「特製タレ」か。この瞬間、例えるならロトの剣を手に入れたような不思議な感覚を覚えた。これはもうやるしかない。そう、なんとなく思い込みで「揚げ物面倒」「油の処理大変」と思い、料理素人が手を出してはいけない聖域として避けてきたが、これはもうやるしかない。どんなことでも、まずやってみることは大切だ。やってみて初めて気がつくことある。そうだ、唐揚げを揚げてみよう。

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