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blurとアイコン

もはや、とっても懐かしい。
blurのアルバム「シンクタンク」
ギターのグレアムが一時離脱して、フロントマンのデーモン・アルバーンのカラーが前面に出たアルバムで。
でも、ファンだったので好きでした。
今でもたまに聞いています。

個人的には、自分のファッションアイコンがデーモンとグレアム。
洋楽を聞き始めてギターロックに辿り着き、そこからUKロックに趣味が着地して。
自分の年代より以前だったブリットポップにのめり込みました。

本来であれば、第二次ブリットポップが当てはまる年齢です。
けれど、自分にはblurとoasisのほうがヒットしました。

そして、フロントマンのデーモンとギターのグレアムが着ている服にも心を奪われました。
2人とも古着をカッコよく上手に着こなし、スニーカーやドクターマーチンのブーツを履いて。

デーモンといえば、フレッドペリー。
ポロシャツやニットが必ずフレッドペリー。
グレアムはバンドTシャツを着たり、チェックのツイードジャケットを着こなしてデニムに合わせて。

20代の頃から、2人のファッションには軸があるように見えました。
今、50代になっていても2人にはその軸が通ったまま。

デーモンはフレッドペリーを着て、オーバーサイズのデニムをベルトで絞って裾をロールアップして、ドクターマーチンできめて。
時にはアーガイルのソックスをさり気なく見せて、ローカットスニーカーでまとめていたり。
グレアムもバンドTシャツやロゴTシャツ、デニムにスニーカーで時にクビにスカーフを巻く時もあったり。

昔と同じですが、年齢に合わせた小綺麗さや茶目っ気が見え隠れしています。

この2人をアイコンとして仰いで、自分は10代の頃に古着屋に飛び込みました。
フレッドペリー、バンドTシャツ。
ダボッとしたサイズ感のリーバイスを揃えて、デーモンが着ていたようなアディダスのジャージを買い。
洋服は自己満足な世界なもので、憧れて好きになったものを貫きました。

一度、20代中盤から30前半で古着が似合わなくなり、やむを得ず離れました。
年相応に小綺麗にしていないと、老けて見えるというとんでもない爆弾を抱えることになったのです。

その当時も、デーモンとグレアムは軸を通して我が道をキープしていました。
デーモンはストリートファッションぽさも加えながら、オシャレでやんちゃなオジさんという雰囲気に。
グレアムは小物使いや、Tシャツの型に変化を持たせて可愛らしいオジさんに。

2人を尊敬していた自分だけ軸がぶれて、何を着て生きて行けばいいかを見失いました。
適当で無難なものを着て、軸がぶれていた期間に買った服は今殆ど手元にありません。
パンチもなければ、自分が惚れこむ感覚が無いまま購入していたから。
愛着が湧かず、くたびれてそのまま手放しました。

それから30代後半に差し掛かり、10代の頃に古着屋で一目惚れしたミッキーマウスのTシャツをタンスから掘り出しました。
それこそ、デーモンがMVの中で着ていたのを見て似た物を探して手に入れました。
ある程度ヘビロテして、何度もあった断捨離のタイミングでも大事に保管し続けていた思い出の1枚。
しかし似合わなくなって、長らく封印していました。

ふと、今ならいけると思いました。
四十路を前に、適当にふざけていても開き直ってまかり通せそう。
そういう心持ちが許されそう。
世間に対して、勝手に思ったのです。

久し振りにミッキーマウスTシャツを着てピタリとハマった感動。
未だに忘れません。
「ふざけた中年として許されている」そう確信出来ました。

それから、古着屋にかつてより深めに飛び込む日々が戻りました。
10代の当時より、多少のお金はある。
それもあって、とにかく飛び込んで潜って古着屋で遊ぶ。
フレッドペリーもふざけたロゴスウェットもミッキーマウスのニットも、もう怖くない。
デーモンとグレアムをまた仰げる。

古着屋であれこれ一目惚れして出会いながら、1人で歓喜しています。
ふざけた感じの中年。
デーモンとグレアムのような、自分に似合うものを選んでいつまでも上手に着られる人。
そこを目指して生きていたい。

今後は、アーガイルのソックスを揃える。
しまい込んだマーチンのブーツを引っ張り出す。
デーモンとグレアムを参考にして、そこから始めていきたいと考えています。

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