紅蓮華/LiSA
多い時は1日に10回は有線などで聞いていたような気がする。
アニメ「鬼滅の刃」のオープニング曲として一世を風靡した曲だけど、最初の頃はまだ鬼滅そのものに興味がなくて、ただ曲だけをどこかで聞いては
「ああ、鬼滅のやつ」
みたいな感想を頭の端で言葉にしては流すだけだった。
少しあとになって「鬼滅の刃」の原作を読んで、そこで初めてこの曲の冒頭のフレーズに違和感を感じるようになった。
曲を流して最初に聞くこのフレーズ。
深く考えてない頃は、勝手に「禰󠄀豆子が炭治郎に対して言っている」と思っていたし、この歌詞の「強くなれる」の主語は炭治郎だと決めつけていた。
だけど最近になって、少し疑問に思う。
禰󠄀豆子を連れて進むことで「強くなれる」のが、禰󠄀豆子だとしたら?
今までは「炭治郎が強くなれる理由は、禰󠄀豆子を連れて前に進むから」という意味だと思っていたけど、主語を禰󠄀豆子に置くと少し違ってくる。
「禰󠄀豆子が強くなれる理由は、炭治郎が禰󠄀豆子を連れて行ってくれるから」
だとしたら、不思議な感覚だった。
元々の意味だと、炭治郎が自分を連れて行くことで彼が強くなれるのだという、ある意味禰󠄀豆子が炭治郎の生きる意味、進む理由、鼓舞する存在であるという歌に聞こえていたけど、
視点を変えると、炭治郎という存在があるからこそ禰󠄀豆子も強くなれるのだという、禰󠄀豆子が「強くなりたいから」と炭治郎を求めている歌にも見えてきた。
炭治郎ははじめから禰󠄀豆子を救うつもりで鬼殺隊に入ったのだろうけど、救われる側の禰󠄀豆子もまた炭治郎と共に戦いたい、兄を救いたいと思っているのだとしたら。
人間の時の記憶がない禰󠄀豆子視点だと、鬼である自分が人間を守るのだという約束を果たすため炭治郎と行動を共にしたいという、健気な願いに聞こえてくる。
多分、違うのだろうけど(笑)。
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