検査の日
いつもは父の抗がん剤治療のために訪れている
迷路のような大学病院に自分の検査でやって来た。
初診のための手続きは、大きなホテルのフロントみたいに長く、威厳のある雰囲気だ。
その中を書類を持った事務の人が忙しなく動き回っている。
それぞれが、自分のすべきことがわかっている動き。
無駄がない。
圧巻だ。
手続きを済ませ、紹介状を渡すと、2階で採血と採尿をした後、総合内科に受付をして、エコーを撮りに3階へ行くようにと言われる。
とりあえず2階へ行くと、朝一番で来たけど
既にたくさんの人が順番を待っていた。
採血場にはバーコード読み取り機があって
自分でピッとやって番号をもらう。
ピッとやると、番号札と一緒に
私の情報が既に貼り付けられた採尿カップがでてきた。
おぉ!
なんだかハイテクだ。
順番待ちはまだまだ遠そうなので
先に採尿をしようとトイレを探してウロウロ。
カップを持ってるからちょっと恥ずかしい。
あたかも「コーヒーですけど何か?」な
すました顔で持って歩いた。
(空ですよ。)
「採尿はこちら!!→」と、とても主張したポップが貼られたトイレを発見。
いや、なんだか恥ずかしいってば。
そちらで無事、採取し、専用の小窓に置く。
採血はたくさんの人の採血をしてきたであろう
ベテランそうな看護師さん達が銀行窓口みたいなカウンターでテキパキと採血していた。
「〇バン、ノ、バンゴウフダノカタ、ハ、オハイリクダサイ」
自動音声に促され仕切られたカウンターに座る。
針は苦手なのだけど、全然痛みもなくチクリともしなかった。
「痛くないですか?」優しく尋ねられて
「全然痛くなくて逆にびっくりです」と言うと
「それはよかった(*^^*)」と話してる間に3本の採血が終わっていた。
採血のベテランなんだなぁ。
大学病院は違うなぁ。
と、ホワンホワンしながら総合内科とエコー受付のをする。
エコーは待っている人も多く、色んな人がいた。
明らかに具合悪そうな人もいれば、
若いお姉さんもいたり、御年寄がいたり、
みんなどこか悪いのだろうか。
知らない人達が心配になってくる。
名前が呼ばれ、暗い病室に入ると
とても静かで清潔そうな診察台に横になる。
何だかスパに来ているみたいだ。
喉をぐりぐりと、だけど痛くも苦しくもなく
心地よく浅く眠っていた。
右側の首の付け根あたりを集中的に診てるのが
動きと音でなんとなく、わかる。
機械を操作する音と、エコーをあてがう動きで
「そこになんかあるんだろね」と察した。
終わるとそのまま総合内科で受付をして、
その中にある甲状腺科/糖尿科と言うところから呼ばれるまで待つようにと言われる。
ひたすら待った。
お腹が空いた。
検査も終わったし、なんか食べてもいいかな?
同じ階にコンビニがあるので、そちらでサンドイッチでも買おうかと歩き出すと
私の番号が表示された。
あらら。。
そのまま、「甲状腺科」と書かれた通路の奥の部屋に入ると、若い医師が座っていて
私のエコーらしき画像を眺めていた。
結論から言うと、2cmより少し大きい腫瘍があるとの事。
見た感じは悪いものでは無いとの事。
甲状腺腫瘍は基本悪さをしないので、経過観察が多い事。
だけれど、念の為、細胞な確認が必要なこと。
ざっと、そのような説明会を受けた。
声枯れについて尋ねると、医師は首をかしげ
「血液検査の結果的には悪いところはありません。なので、声枯れについてはおそらく甲状腺は関係ないと思います。咽喉科を受診してみてください」
血液検査の結果異常なしでも、腫瘍ってあるものなのか?
また、疑問を尋ねる
「甲状腺異常と、腫瘍はあまり関係ありません。特に良性の場合は機能障害はでにくいですね。でも、それを放置して悪性に変異すると、血液検査でも異常がみられますよ」
との事だった。
へぇ。
なんか、やっぱりよくわからないけど。
で、私は今後どうすれば?
「まずは、細胞を採取して良性か悪性かを判断しましょう。治療方針はその結果で決めていきましょう」
あら?
今日。それをやるのかと思っていたよ。
予約が細胞診がとれてなかったようで、次回となった。
医師の所見では、良性だろう。との事だし、
なんか気楽になった。
さて。
いよいよ次回は喉に針を刺すよ。
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