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映画ターミナルのような話し Part 2-③ (スリランカ~モルディブ編 序章のおわり )
ホテルに着いたら一気に眠気が押し寄せた。
ベッドになだれ込むとそのまま確実に眠れそうだった。
(でも暗くなる前に夜ご飯どうするか決めておかないとな。)
フロントに電話をして食事のオーダーができるか聞くと、トゥクトゥクを呼べば近くのレストランまでいけるらしい。
あとは、ホテルの前の道を挟んだ向こう側にスーパーはあるとの事。
トゥクトゥクは交渉が面倒だし、スーパーにするか。
ベッドに粘着でくっついていたかのように時間をかけて、のっそり起き上がる。
フロントに降りてスーパーへ向かう。
救世主
目の前にスーパーは見えている。
まっすぐ道を渡るだけだ。
だけど10分、たどり着けないもどかしさ。
横断歩道はあれど、信号はない。
車やバイクやトゥクトゥクの群れが止まらず、渡り方が分からない。
ヌーの群れが川を渡っている様子ににている。
絶対、轢かれるに決まってる。
困った。
困ったし疲れた。
困ったし、疲れたし、お腹がすいてきた。
10分、踏み出してみては九死に一生の思いでひきかえす。
渡れない。。
オロオロしているとサリーを着た女の人とパジャマを着た女の子が私の横に立つと、大きな神秘的な目でギロっと見る。
目が合うと顔をかたむけて渡れと促すような素振りをする。
困った顔をすると手招きをしてヌーの群れ(車)に歩きだす。
(えぇー 無理無理無理無理)
構わず歩くサリーの女の人と女の子。
私はモーゼを見ているのか?
サリーを纏ったモーゼが子供を連れてヌーの群れを止めて歩く。
その偉大な後ろ姿をチョコチョコと小走りながら追いかける。
気がつけば無事に渡りきっていた。
あの10分はなんだったのか。
「Thank you! ストゥーティー! 」タミル語かシンハラ語か分からないけど私の知ってるスリランカのありがとうを言うと、モーゼは一瞬、パッと目が笑ったけど無表情のまま去っていった。
ありがとう救世主………。
あれはモーゼだったにちがいない。
スーパーにはお酒も豚肉もなんでもある。(モルディブにはない)
あんまりお酒は強くはないけど「せっかくだから」と訳の分からない独り言を呟きながらライオンの絵がかっこいいビールとスナック菓子とスポンジケーキみたいなものを買う。
さて、帰りはモーゼはいない。
どうやって帰るべきか。。。
スーパーを出るとさっきより人が増えていて普通にヌーの群れを止めて道を渡っているではないか。
先に行く人の後ろにくっついて横断成功。
なるほど、歩き出せばヌーは止まるのか。1つ賢くなれた。
ホテルに戻ってシャワーを済ませるとビールを飲む。
飲み慣れないからか一気に酔いが回る。
朝からあっという間のスリランカ滞在。
明日はまた朝に出国だ。
飲み残したビールを排水溝に流しながら歯を磨くと早々眠りについた。
明日。あんなことになるとはつゆ知らず。。。
本編につづく
(道のりは意外と長い)
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